Say Hello ―秘密―5(完)

Say Hello ―秘密―4

ユノside「結構年上っぽいけど、……綺麗な人。」白い息を吐きながら、遠く真綿をのせたような木々を眺めて呟くチャンミン。「だね、綺麗だ。年齢不詳だしな。」言ったら微妙に目線が泳いだ。「……上品なのに、色っぽいし。」少しだけ落ちた視線が池の周りをたどる。「ああ、着物姿って色っぽいよな。」触れた肩に力が入って。「……仕事も出来る?」伏し目がちに足下を見入る。「リピーターの目当てはほとんど女将ってくらいの人気らしい。」膝に置い...

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Say Hello ―秘密―3

チャンミンside渓谷沿いに広がる美しい日本庭園の。中央辺りに位置する茅葺き屋根のベンチ。ちょうど夕食時だからか人影もなく風避けに身を寄せれば多少の寒さはしのげた。……けど、寒い。ヤツのダウンジャケットを奪ってくればよかった。……それに、腹も減った。なんだかなぁ、…なにしに来たんだろ?と思う。僕のことは何でも知ってるヤツ。子どもの頃に作文で結構大きな賞を貰ったことまで知っていた。恐ろしい、……どこまで細かく調べあ...

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Say Hello ―秘密―2

チャンミンside都心から車で2時間ちょっとの温泉郷なのに、山里に入った途端の景色の変わりように驚いた。僕は新幹線と在来線、バスを乗り継ぎ3時間ほど。バスを降りる頃には軽装のままマンションを飛び出た自分の浅はかさを後悔していた。はぁ、と吐いた息が白く霞んでいく。今年は雪が少ないと駅員が言っていたのに、辺り一面の真っ白な世界は幻想的で数時間前のアスファルトに囲まれた世界が嘘のようだった。渓谷の麓に佇む和風旅館...

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Say Hello ―秘密―1

※70000拍手リクエストSay Hello 番外編 イェジュンside  「──釣った魚に餌をやらない、って言葉、知ってる?」つんと小ぶりのフォークで刺したイチゴをパクっとひとくち。口端についたクリームを拭ってペロリ舐めるさまはどう見ても犯罪だろう。「ん?なに、急に。」真っ昼間から緊急電話。何事かと焦ったら、──「ストロベリータルトが食べたい。」とか。そんなこと担当の編集者に頼めよ、と悪態ついても結局はいそいそと買ってきてしまう。...

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