紅-クレナイ-の人《15の風景》31完

ユノside時おり春らしい風が頬をなでる。先週やっと剪定を終えた柘榴の木はひとまわり小さくなり、間引きされ見通しのよくなった枝が若芽をつける。今年も紅の花を咲かせ、チャンミンの笑顔が見れたらいいと思う。「ユノさん!」広間で前庭を眺める俺のもとへズンズンと。「今日は全員無事合格したお祝いだから夕飯が早いですよって言いましたよね?」ぐいと腕を引くから逆に腰を抱き込んでやる。「っ、わ、///」バランスを崩しよろけた...

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紅-クレナイ-の人《15の風景》30

ミヨンside「コラッ、大馬鹿ユンホ!」学校からの帰り道。とぼとぼ歩く制服に声を掛けた。「ちょっと、ユンホってば!」なんてヤツ!聞こえてるのに無視とは。駆け寄って制服の脇を引っ張り、やっとこちらを見た顔は恐ろしく無表情だった。これって何て言うの?死んだ魚のような目、って感じ?言葉につまった私を無視してどんどん行ってしまう。もう何なのよ?いつも愛想なしだけど、いつにも増して無愛想。聞きたいことがあったから慌...

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紅-クレナイ-の人《15の風景》29

紅-クレナイ-の人《15の風景》28

チャンミンside少し、困ったような表情。何か言いたげに開いた唇へ、そっと僕からキスをして。「昼間、ユノさんを裸にして全身にキスしたいって思ったんだ。」ありのまま、素直に。「仕方ないな、…最初はチャンミンのお好きなように。」なんて余裕っぽく言ってるけど、ユノさんが留守の間ほとんど寝てない僕はきっと寝ちゃうと思う。だから最初も最後もないよ、と教えてあげたいけど。下手なこと言って得したことないからやめておく。「...

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紅-クレナイ-の人《15の風景》27

 チャンミンside寝室の窓辺からは中庭がよく見渡せる。片付けわすれたらしいサッカーボールが月明かりに照らされポツンと転がっていた。「チャンミナ、どうした?」シャワーを浴びたばかりの熱気を背中に感じ、反射的にドクンと鳴る鼓動はいつもと一緒で。「ユノさん、カーテン開けてるから裸でうろうろしないでください。」照れ隠しにそう文句言うのも。肌触りが気持ちのいいパイル素材のスウェットをパジャマ代わりにしている僕と違...

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