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Baby don't cry51

神父さまを父親のように慕っていた。母をひとりで逝かせた実の父なんかより、神父さまの方が余程親身になって幼い僕や病に伏した母へ尽くしてくれたのだ。幼子を抱え苦労したであろう母の安らかに眠る姿は今でも僕のなかにある。ああ、──そういうことか。母が何より守ろうとしたもの、それを僕も守らなきゃならない。「ユノさん、帰りましょう。」中途半端に出入口を塞ぐ人へ声をかけ、コートに袖をとおす。軽くうなずくだけの返事...

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Baby don't cry50

──ああ、君がチャンミンか。その人は、まるで愛しい人を見るように僕を見つめた。ユノさんはどうやら母親に似たらしい。神父さまの自宅の簡素なリビングで面と向かって気づいたのは、この人からユノさんの面影をなかなか探せないということだった。細面の涼しげな顔立ちは似ていてもそれを型どるパーツがどこかボンヤリと散らばって、そのマイペースさを現してるような風貌だなぁなんて思う。そのデハンさんは僕を見て母にそっくり...

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Baby don't cry49

腰が立たないなんて経験を、まさかこの若さでするとは思わなかった。どれくらいの時間寝てしまったんだろう。ふと気づけばユノさんがいなくて。“このまま泊まればいい”と簡単なメモ書きだけ残して、どうやら会社へもどったらしい。そう言えば女性秘書へ先に戻るよう車のキーを渡していた。それにあの荷物だ。誰か寄越すように連絡したのかユノさんひとりで運んだのか。どちらにしても僕は手伝えそうになかった。大きく手を広げベッ...

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Baby don't cry48

Baby don't cry47

“情け深い所業”の説明なのか、マンションへ来るなと言った理由の説明なのか、僕はユノさんに手を引かれ、誰も入れないと頑なに拒否していたユノさんの主寝室に来ていた。「ここが俺の寝室。入りな。」そう促されてドアノブへ指を掛ける。ゴクリと喉が鳴った。あれほど近づけるのを嫌がった寝室にどんな秘密があるんだろう。例え何を見せられようがユノさんを好きなことに変わりはないと何度も自分へ言い聞かせ、もう癖になってる“...

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