SpecialなOneでいて(27)完

────気の毒なんて少しでも思った僕が馬鹿だった、「ユノ、一昨日の監督にはまいったよなぁ。」「ユノ、この間のアレさ、OKらしいよ。」────わざとだ、絶対わざと僕には入れない会話ばっかしてる!ユノは、というと。そんなヤツの話も半分にヒョヌさんの脚本を必死でめくっていた。「これさ、初めて見た。ヒョヌさんがうちの劇団で書いたのはまだサークルの頃からのも全部保管してあるのに。」「未完のままボツになったやつじゃねぇの?だ...

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SpecialなOneでいて(26)

───ピンポン、ピンポーン、……ピンポーーン、し、しつこい、……このしつこさはきっとあの人だ。「あ?……なんでチャンミン?」「ユノなら留守ですよ!」そのままドアを閉めようとしたのを勢いよく両手で止められる。「っ、だから、なんでユノんちにチャンミンがひとりでいるのさ?」「ヒャヌさんちに住み込んでるんでお休みもらっても帰る家がないんです、……ということで、また明後日以降にお願いします。」さらに力を入れて引いてみたけど、今度は足ま...

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SpecialなOneでいて(25)

───キュヒョンめ、時間がないからって本当に中途半端なところで降ろしやがった。ペタペタとひたすら家路を急ぐ。秋の夕暮れは美しい。澄んだ空気のなか真っ赤な夕焼けはやがて真っ黒なカーテンをひく。ゆっくり空を眺めるなんて久しぶりだったから。5階建てのマンションが見える頃には、気持ちのいい疲れと共に心まで浄化されたような清々しい気分だった。マンションの敷地内。何度も言うけどエレベーターのない残念な5階建てマン...

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SpecialなOneでいて(24)

「キュヒョナッ!」玄関口でぎりぎりキュヒョンを捕まえることに成功した。「おぅ、チャンミナ、…どうした?」「車で会社まで戻るんだろ?途中まででいいから送って!」「あ、ああ……いいけど、」肩で息をするほど必死の僕を見て、不思議そうな顔のキュヒョン。───「ユノさんは?」って言葉は聞こえないふりした。とにかく冷静になって考える時間がほしかった。答えは決まってる、───ただそこに辿り着くまでの自分を納得させる理由がほしかっ...

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SpecialなOneでいて(23)

───イ・ヒョヌさんがアシスタント兼付き人を探してて、……「イ・ヒョヌさんは10年前に大学サークルとして結成された時のメンバーなんだ。卒業と同時にプロとして劇団を立ち上げ4年後退団してフリーに転向。で、現在おまえも知っての通り、超売れっ子脚本家。」───BLモデルやってるよりよほど建設的だと思うぞ?売れっ子脚本家のもとで勉強できて、ツテもできる。これはチャンスじゃね?「俺は大学在学中は研究生として、卒業と同時に正式...

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