紅-クレナイ-の人~いつか、きっと2~後篇

―カン・イソクside―出逢ってから10年以上経った今も、俺は、チョンユンホに、───夢中だった。それはいわゆる恋愛とは違った感情で。あの衝撃の出逢い、舞うように屈強な男達を翻弄する姿に一目惚れして、捨て猫のように丸くなる背中に更に惚れた。あれはいつだったか、───忘れられない会話。「……誰かに愛された記憶は?」「ない。」「……誰かを自分だけのものにしたいと思ったことは?」「一度も、」「───俺は自分自身しか愛せない。」そう言い捨て...

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紅-クレナイ-の人~いつか、きっと2~前篇

―チャンミンside―────施設の朝は早い。今日はアラームが鳴る前に起きれた!と、心のなかでガッツポーズ。アラームが鳴っちゃうと絶対僕より先に起きる人が隣にいるから。施設の朝食の準備や、子供たちの世話。手伝うことはいっぱいあった。───でも、少しだけ。寝返りを装って体ごと向きをかえる。普段隙のない人の無防備な寝顔。目尻に向かって少しだけ上がるキレイなライン。それを縁どる長い睫毛。整った鼻梁が影をつくり、微かに開い...

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