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U GET ME (11)

───チャンミンside──────カシャ、・・小さな音がして、スッと拾う筋張った長い指。「───はい。」僕のまえに差し出したそれをチラッと見て、ふっと口角があがる。「───ぴったりだな、・・可愛い。」小さなバンビのついたボールペンを器用にクルッと一回転させて、僕の胸ポケットにスッと差した。────そうあれはちょうど1年前。入社した年の秋。少しずつ社会人の生活にも慣れ、周りを見渡す余裕が出てきた頃。「───じゃ。」そう言って去って...

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U GET ME (10)

「チャンミンさんのストラップ可愛い~!」ちょっと休憩に、と入ったフードコート。コーラを飲んでる俺の隣の子がチャンミンのスマホを見て言った。うん、実は俺も気になってた。革っぽくて、色も渋めなのに、・・よく見たらそれ、バンビだよな?そういうのが趣味なんだ、──すっげ似合ってるけど。以前もどこかでバンビ持ってるやつがいたから、もしかして流行ってる?なんて思っていたら。「あ、チャンミンの妹がね、コイツのこと...

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U GET ME (9)

オープンしたばかりのアミューズメント施設は予想通りのすごい人だかりだった。そこは、色々なスポーツやゲーム、カラオケまで楽しめるというもので。「ユノさん!あっちへ行ってみません?」チャンミンの会社の女の子たち数人に腕を引かれ、あっちこっちと。チャンミンを見失ってしまった、と焦る俺なんてお構いなしにつき合わされて、──まじで疲れた。そのうち、うちの会社の女の子たちまで合流してさながらハーレム状態だ。嬉し...

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U GET ME (8)

「キュヒョンって面白いですよね。」男のくせに口元に拳を添えてクスクス笑うチャンミン。そんな仕草も可愛いけど、誰のことを思っての笑顔かが問題で。───面白くない。憮然とした俺にまったく気づかず、チャンミンの話は続いた。「仕事中にね、電話が入って。──5分後に珈琲でもどう?って言ってくるんです。外回りの帰りにうちのフロアの喫煙ルームに寄っていくんですよ。」「で、缶コーヒー。僕の好きなのをいつも買ってくれてて...

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U GET ME (7)

相変わらず朝のデートは続いていた。と言ってもデートって思ってるのは俺だけで、チャンミンにとっては迷惑なのかもしれない。「ユノヒョンのお薦めの小説、面白かったです!最後のシーンは衝撃的でしたよね。」デッカい目をさらにくりっとさせて興奮気味に話すチャンミン。───いや、やっぱ迷惑そうには見えない。それがこんなにも嬉しいなんて不思議な気持ちだ。今まで相手が喋るのをこんなに興味深く聞いたり、もっともっと聞きた...

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U GET ME (6)

「あのさ、・・また、たまに読書の時間を邪魔しちゃってもいい?」なんて遠慮がちに言った俺だけど、結局翌日からチャンミンの読書の時間はなくなってしまった。俺が毎日のように邪魔してるから。入社して以来こんなに早起きするのは初めてで、こんなに朝っぱらからテンション高いのも初めてだ。最初の頃は「テイクアウトでいいですか?」って聞いてきたバイトの女の子も、今では「イートインでいいですか?」に代わったくらい。「...

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U GET ME (5)

地下鉄を一本早いのに乗れてしまって、いつもより少し早く入った会社近くのカフェ。毎朝ここで珈琲をテイクアウトするのが日課で、───今朝はカフェモカの気分だ、なんて考えていた。「カフェモカね、ショートで。」いつも2人いるうちの1人のバイトの子がにっこり笑って朝から爽やかだ。「おはようございます!いつものテイクアウトでいいですか?」「ん、それでお願い。」俺もお返しでにこりと笑った。「お、お仕事、頑張ってく...

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U GET ME (4)

「・・ヒョン、・・ユ、ノ、ヒョン!」「・・っ!・・えっ?」「ちょっと~、なに物思いに耽ってんですかぁ~!」そうだった、飲み会だった。「あ、ああ・・悪ィ。」向かいに座る男があまりにも似ていて、っつうか、・・本人としかいいようがないくらいなのに。たった一ヶ月前、その衝撃の出会いと別れ。出会ったクラブへ足繁く通いつめて、顔見知りの店員に聞いたりもした。「ん~?そんなに綺麗な男だったら覚えてそうなのに、・・...

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U GET ME (3)

そのまま追いつめた壁際で貪るようなキスをした。角度を変えては絡めあった舌に吸いついて、それに飽きたらず口内すべてを味わい尽くす。────俺、そっちの趣味あったっけ?とか、────初対面のヤツにしかもこんな場所でなにやってんの?とか、軽くよぎった考えはあっという間に霧散して消えた。残ったのは目の前のヤツに向ける欲情のみ。「出よう。」ヤツの手を力任せに引っ張り、ふらりとする身体を腰ごと抱き上げるように出口へ向...

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U GET ME (2)

─────あの日は確か、大学時代のツレと飲んだあとその流れでクラブへ行って。声をかけてきた派手な女の子グループに辟易して、──先に帰っちまうか?逃げるように入った洗面所への狭い通路。鼻につく強烈な香水の入り混じった匂い、耳を塞ぎたくなるような嬌声、同じ顔したぶ厚い化粧の女の子達、────その中に、ヤツはいた。かなり酔っているのか、トロンとした目つき。薄っぺらいのにしなやかな身体を気怠そうに壁にあずけて。囲ま...

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