U GET ME ~僕らの距離~13

紅-クレナイ-の人《天使な君》10

―チャンミンside―教会からマンションへ送ってもらう車の中。BGMが僕の新曲ってのがいただけないけど、…これは、もっと勉強しろって事なのか?と取り合えず耳を傾ける。少し開いた窓から入る秋の風はひんやりとしていて、一瞬身震いをしたのち、濃厚に香る甘い匂いに気づいた。「───すごく甘い匂いがする、…昼間通った時はそんなでもなかったのに。」ああ、と言ってさらに窓を開けたドンジュさん。「これはエンゼルトランペットって花だ。夜...

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紅-クレナイ-の人《天使な君》9

―チャンミンside―「───毎日学校へ行く事、守れる?約束。」少しばかり呆れたように眉を寄せるユノさんの隣で、僕を天使だという少年と約束した。牧師様が席を外した隙にこっそりと。「学校行ったら、また歌ってくれる?」「うん、毎日ちゃんと行くんだよ?出来る?」毎日は到底無理だけど、空いた時間にここへ来て歌う約束をした。2年、……この少年が僕の歌を欲してくれた時間。テレビなどのメディアをまったく観ない彼は僕の存在を知らなかっ...

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U GET ME ~僕らの距離~12

U GET ME ~僕らの距離~11

  ────唇で挟めそうなほど長い睫毛を食む。擽ったいのか、ふるふる震えるのが可愛い。「──ヒョン。」と、キスの合間に何度も、・・微かに聞こえるか聞こえないかのそれに、心が震える、とはこういう事かと思う。「・・鍋、・・冷めちゃいます。」今さら?そんなのもうとっくに、「また温めればいい。・・チャンミン、・・今離したら逃げられそうで怖い。」余裕なんてまるで無くて、強引に抱きしめたままボスンッとソファーに沈ん...

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U GET ME ~僕らの距離~10

────チャンミンside────ヒョンの胸に引き寄せられて、ヒョンの匂いを身体中で取りこんだ。ゆっくりがいい、とか。プルオパンの食べ方だとか。そんなことはもうどうだってよかった。ヒョンが僕とつき合ってる、ということは、───あなたにとって僕が特別、って思っていい?シンクの上には切りかけの野菜がごろごろしていて、鍋の出汁がその投入を今か今かと待っている。ぐつぐつと煮立つ鍋に、今はこっちに集中しなくちゃいけないのに。「...

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U GET ME ~僕らの距離~9

自宅で料理なんてしたことないであろうチャンミンが意外に小器用で驚いた。トントンと野菜を刻みながら、「夕飯だけじゃ足りないんで、夜食は自分で作ってます!」と自慢げに。「でもさ、平日は仕事終わるの遅いだろ?」俺も遅い方だけど。今週はとにかく電話攻めしちゃって、仕事終わりにすると決めた電話でチャンミンがまだ仕事中ってことも何度かあったし。「そういう時は夕飯と夜食を一緒に食べます。」なんて、けろっと言う。...

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U GET ME ~僕らの距離~8

────結局、なんと言おうとチャンミンは優しいんだ。「ユノヒョン?言っておきますけど、《可愛い》は禁句ですよ。」さっきから何度目になるか分からない注意事項を聞きながら、チャンミンの実家へ向かう道のり。ホームランを打てたのか?と聞かれれば実はまったくダメダメだったのを、打つまでは帰らないくらいの気迫としつこさに先に折れたのはチャンミンだった。「取りあえず、家に電話してみます。」ハァ、と大きなため息をつき...

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紅-クレナイ-の人《天使な君》8

―チャンミンside ―「あの子、…ユンホは、両親は揃っているのですが、育児放棄と、…その、暴力が酷くて、役所に保護されて施設に来たのが、そうチャンミンとすれ違いくらいでしょうか。その施設もすぐに取り壊しになって今は隣町の施設にいるんですよ。」石をなげつけた口の悪い男の子は今年10歳だという。10歳の男の子の平均的な体格は分からないけど、スラリと伸びた長い手足と整ったきれいな顔が印象的で、少し影を帯びた黒目がちな眸は...

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紅-クレナイ-の人《天使な君》7

―チャンミンside ―久しぶりに訪れた教会は、いつもと変わらない佇まいでどんな時も優しく僕を受け入れてくれる。捨てられた時の記憶は勿論ないけど、幼い頃から遊び場だった庭や夢中で通った礼拝堂。美しいパイプオルガンの音色や心が洗われるような賛美歌は今も僕の記憶に残り心の拠り所になっていた。想いを巡らせ暫く立ち止まったまま教会を見上げる僕の。その隣にさりげなく立つ端整な横顔。この人のこういうところも好きだ、…と思...

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