紅-クレナイ-の人《天使な君》31

―チャンミンside―幼い頃の記憶はすべてここにあった。教会へやってくる親子連れ。母親に抱かれ、父親の親指をギュっと握る小さな手。───どうして僕にはないの?その大きな手を求め、伸ばしても届かない現実に、礼拝の夜は泣き疲れて眠るのが日常だった。「チャンミナ、……ここを、俺達の家にしよう。」僕の頬を包む優しい手。愛おしそうに緩んだ眸。親指の腹で撫でるのは、いつもの貴方の癖で。気持ちよさげにうっとりと眸を閉じるのも。「...

Read More

紅-クレナイ-の人《天使な君》30

―チャンミンside―ユノさん、────貴方という人は、………『チャンミナ?…やっと解放された、今、どこにいる?』頬に触れる冷たい感触。機械を通して聴こえる貴方の声は、…もしかして、走ってる?めずらしく息があがっているように感じた。「ユ、ユノさんは、どこ?」もしも、…今の話が真実だとしたら、……ううん、聞きたい、ユノさんの口から直接聞きたい。───今すぐ、会いたい、と、叫びそうなほどの気持ちをこらえて。『ああ、牧師様から連絡...

Read More

紅-クレナイ-の人《天使な君》29

―ドンジュside―教会周辺は工事途中で放置された空き地に囲まれていた。都市計画の一環として立ち退きとなったこの辺りまでは道路拡張も伸びず、中途半端な袋小路をつくっている。いつものように空き地へ駐車し教会へ向かう途中、教会に隣接した更地を眺める大柄な男性が目に映った。────カン・イソク、YC芸能の若き取締役社長ではないか。挨拶をするべきか、こちらは知っていても、勿論彼は俺のことなんか知らない。軽く会釈をして通...

Read More

紅-クレナイ-の人《天使な君》28

―ドンジュside―話し合いは難航していた、────。「チャンミン、おまえは事務所の希望であり光なんだよ。おまえが歌をやめるということは、事務所にとっても、ひいては芸能界にとっても大きな損失になる。───それは、分かるな?」「歌を、……やめるわけじゃない、───歌う場所が変わるだけ、です。」「っ、それが、っっ、……」───間違ってる、と、……何度、説き伏せようとしたか、CM契約の話が流れ、長期に渡る仕事はなかった。アルバム製作とそ...

Read More

紅-クレナイ-の人《天使な君》27

―チャンミンside―「歌姫が帰国するまで24時間拘束される仕事なんだ。もう少し、待ってろ?」久しぶりに旧知の仕事仲間に会ったにしては、濃厚なまでに後ろ髪引かれて立ったままの僕へ。それは次に会える約束をさしてると思ったのに。「いいか、まだ事務所には何も言うなよ?おまえが、……一生後悔を引きずるような辞めかたはさせたくない。俺の体があくまで待つんだ、いいな?」二度も念を押された。また子ども扱い?と面白くない。僕だって...

Read More

更新についてのお知らせ&お礼

おはようございます、えりんぎです(#^.^#)急に思い立ち、4/20に『HOTミンな関係』を開設、ランキングに参加して約半年経ちました。あっという間でした。…ということは、2年なんて結構すぐだよな?って思うほど。ランキングも当初は、「半分より上に行けたらいいなぁ。」なんて思っていたのが、本当に予想外!momokoさんもビックリの結果で(;゜∇゜)拍手だって、…知ってました?1,000拍手超えてる記事もあるんです(;゜∇゜)それに紹介さ...

Read More

Say Hello ―縁(えにし)―9(完)

Say Hello ―縁(えにし)―8

―チャンミンside―さすがに正面玄関から出るのは止められて。ヤツと2人、役員専用の通路を通り駐車場へ向かった。ゴロゴロとスーツケースから鳴る音がいやに間抜けに聞こえる。それはヤツも一緒のようで、チラッと見ては、笑いをこらえてるのがありありと分かる。無駄に詰めこんだ荷物は絶対にヤツの留守を狙って片付けよう!そう誓いながら足をはやめた。「ほら、荷物かせよ?」トランクを開けながら、またニヤリと笑う。さっきまでの焦っ...

Read More

Say Hello ―縁(えにし)―7

―チャンミンside―「ほら、……ここで少し待ってな?」通されたのは、社長室のさらに奥の小部屋。以前一度だけ入ったことがある、シンプルなのに一見して高級品ばかりと分かる部屋だった。あの時は、勝手に僕の借金を叔父から肩代わりしたんだ。───おまえはもう、チョンユンホのものだ。と言われ、カッとなってここへ乗りこんだ。そしてまた、コレだ。僕にはチョンユンホという人間が理解できなかった。僕が欲しいのは、金などでは決してない...

Read More

紅-クレナイ-の人《天使な君》26

―チャンミンside―──────コンッ、と。楽屋の内側から聞こえて。ああ、戻ってこい、の合図だよね、と思う。「ユノさ、……っん、」反射的に引いた体をまた引き寄せられて。ユノさんには聞こえているのだろうか、────またユノさんの唇が重なる。コンコンッ、───今度は2回、……さすがにマズイよね。歌姫のつんとすました様子が浮かんで、ユノさんの肩先を軽く押した。それを引き戻すように、ぐっと。反り返る体と相変わらず重ねるだけの口づけ。...

Read More