U GET ME ~君のいない夜~(17)

~チャンミンside~「ユノヒョン、来年の春からシドニーへ異動になるんだって?」───そんなこと、誰に聞いたのかと。聞きたいのにうまく言葉が出ず、黙ってしまった僕に。「あれ?聞いてない?なんかさ、キュヒョナがそんなような事言っててさ。まだ本決まりじゃないのかな?」隣でボソボソ言う声に反応すらできなかった。部屋の片隅に置かれたパスポートが浮かんで。いつか話した南十字星の会話を思いだした。いつもなら必ず「一緒に行こう...

Read More

U GET ME ~君のいない夜~(16)

~チャンミンside~最近ユノヒョンの口からよく出る都市の名前が『シドニー』だった。どうもシドニーにある支社の事業拡大に関わる仕事をしているらしい。あまり仕事の話はお互いしないけど、シドニーのあるオーストラリアの本や雑誌があちこちに積まれていてはどうしたって目についてしまう。「チャンミナ、世界遺産のウルル、行ってみたくない?」「…ウルル?」「ああ、…エアーズロックって言った方が分かる?」「ウルルくらい分かりますよ。...

Read More

U GET ME ~君のいない夜~(15)

~チャンミンside~「ユノヒョンと前に飲み会で会ったことあるんだってね。」給湯室で偶然会ったヨニへ何とはなしに言ったのに、目を丸くして結構驚いてる。「あ、違った?ヒョンがそう言ってたから。」「う、ううん。まさかユノさんが覚えてるとは思わなくて。朝会っても何も言わないから。」この会社には朝の当番というのがあって、女子社員の子達が順番に回してるらしい。その当番のない週に2、3回、ハクと一緒にカフェへ来るようになった...

Read More

U GET ME ~君のいない夜~(14)

~ヨニside~「当番のない朝に30分早く来れない?珈琲奢るよ。」そうハクに言われて、何を企んでるのかすぐに分かった。パッと浮かんだのは、最近システムの入れ替え業務の為、2か月の期限付きで関連会社から出向してる彼。初出勤の日は結構なお祭り騒ぎだった。長身で細身の体はモデル顔負けで。くっきりとした目鼻立ち、それがキレイに整って小さな顔におさまってる。伏せた睫毛の長さを予想するほど彼の話で持ちきりだった。その彼...

Read More

U GET ME ~君のいない夜~(13)

~チャンミンside~この週末はなぜかユノヒョンが鬱陶しいくらい離してくれず。「はぁ、…疲れたぁ。」と、週明けの朝っぱらからそんなため息がでるほど。初夏の風は少し汗ばむくらいの湿気を伴い、カフェの空調が効いた店内は心地よかった。いつもの2人掛けの席に座り、いつものように鞄から本と、今日はタオルも出しておく。朝早いといっても今日は蒸し暑い。きっと汗だくで来そう。ちゃんと替えのTシャツは持ったかな?とか、つい無頓着...

Read More

U GET ME ~君のいない夜~(12)

  「っ、ヒョ、ヒョン!///」よほどビックリしたのか、大きく跳ねた体を反対の手で抱きよせ、糸のように滴るアイスを舌でなぞった。「キレイになったろ?」ニッと笑って、「ご褒美ちょうだい。」と、チャンミンのアイスをひとくち。「ふ、ふざけ、…っ、///」チャンミンの大切なリクライニングチェアにドカッと座り、アイスを守るつもりか背を向けようとしたのをすかさずひっくり返す。パッと目が合ったチャンミンが、思わずといったよう...

Read More

U GET ME ~君のいない夜~(11)

「ユノ、ヒョン、…食べましょう…よ?」胸元に押しつけたチャンミンが、喋りにくいのか小さな声でもごもごと呟いた。「あー、うん。」本当はもっともっと抱きしめて、一緒に住んでいてもなかなか一緒にいれない時間を埋めたいけど。ぐつぐつと旨そうな匂いが漂うこの部屋では、チャンミンの腹の虫を抑えることは出来なさそうで。「すげぇ腹が鳴ってるもんな。」「っ、う、うるさい!」「ふ、じゃあ、食おう、…取りあえず鍋食ってからチャンミ...

Read More

U GET ME ~君のいない夜~(10)

チャンミンが異動になって初めての金曜日。こんなにモヤモヤした1週間はない。朝からマッハのごとく仕事を片付けて、チャンミンへメールした。『はやめに帰れるから今日は家でゆっくりしよう。』部署での歓迎会は週なかに終わっていたし、個人的な予定なんて聞く気もなかった。俺を最優先するのが当然と頭のどこかで思っていたし、実際そうしてきたチャンミン。仕事や勉強以外の予定に俺との時間を譲る気なんてさらさらなくて。『...

Read More

U GET ME ~君のいない夜~(9)

本社前の大通りを少し行った交差点脇に、そのカフェはあった。会社の駐輪場に自転車を置いて向かう。俺んちとは反対方向で、地下鉄やバス停にも反対方向。近いわりに動線から外れて、まったく知らなかった。「…っ、えっと、…いつものカフェの、チェーン店が近くにあって、……って、もう、…いつもヒョンばっか余裕で、たまには一晩ヘコんで欲しかったのに、……」───今でもチャンミンのセリフを思いだしてはニヤけてしまう。異動が決まっ...

Read More

U GET ME ~君のいない夜~(8)

~チャンミンside~────ユノヒョンの職場に近い!なんて、何よりも一番先に思ってしまう自分を殴ってやりたい。部署替えは何年かごとにあるのが常で、僕にとっては初めての異動も、ひとりで任せられるという判断のうえだと思うと嬉しい。嬉しいだけじゃなく、そこに責任も発生するのだから気を引き締めなくちゃいけないのに。「そんなに関連会社での仕事が嬉しいのか?」同じく異動になった同期に不思議顔で言われた。よほど顔に出てたみ...

Read More