紅-クレナイ-の人《15の風景》13

ユンホside───喉の奥がカラカラで、食べたことないのに砂の味がする。早朝の食堂は静まり返り、否応なく聞こえてくる会話。分かったのはユノが今日から一週間仕事でいないということと。ポツリポツリ話すチャンミナの半分拗ねたような態度。そして。「チャンミナ、…可愛いヤツ。」どんな表情で言っているのか、見なくても。昨日の朝と一緒だ。後を追ったチャンミナへ勿体ぶって振り向いたヤツの愛おしげに向ける視線。ここからはチャ...

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紅-クレナイ-の人《15の風景》12

チャンミンside「おはよぅございまぁす~。」ひょこっと顔をだしたのはミヨン。「眠れなくって早起きしちゃった。おばちゃん、手伝うことある?」言いながら、「あ、チャンミンさん、///」ポッと頬を赤らめ、「ぅわ、ユンホまでっ!///」盛大に赤くなった。「なんだい、今日はみんな早起きの日なのかい?めずらしい、いつもぎりぎりの2人が揃いもそろって。」ケラケラ笑うおばちゃんのおかげで、茹でだこのようなミヨンも急に顔を強ばらせた...

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紅-クレナイ-の人《15の風景》11

チャンミンside続けて早朝から手伝ったのに仲直りした途端遅刻では申し訳なくて、今朝も早めに食堂へ顔を出した。そろ~っと遠慮がちに顔を出したらいきなりおばちゃんと目が合って。「おはよう、チャンミナ。今朝も早いねぇ、仲直りしたんじゃないのかい?」なんてニマニマと気色悪いくらいの笑顔で。「う、うん、…まあ、…///」「だったらノンビリ寝てりゃいいのに。なんだい、枯れはてた私に惚気ようってんじゃないだろうね?」「…///」...

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紅-クレナイ-の人《15の風景》10

ミヨンsideドクンドクンと動悸がすごくて。身体中がほてったように熱い。ユノさん、チャンミンさん。それ、18歳未満禁止じゃないでしょうか?…と言いたいところだけど、勝手に見てるわけだし。しかも隠れて覗き見なんて、見つかったら最後。二度とチャンミンさんに顔向けできない。 じゃあ見なきゃいいなんて言わないでほしい。目を奪われるとはこういうことかと。そう思うほどに、釘付けになる視線。チェミヨン、15歳。自分で言...

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紅-クレナイ-の人《15の風景》9

チャンミンside本館から家まではそれなりの距離があるのに、なんてことなく僕を抱いたまま颯爽と歩くユノさん。身長は僕の方が高いくらいだし。重いはず。降ろしてと言いたいけどスリッパだし。どうしたらいいのか、できるだけ負担にならないよう巻きつけた腕にぎゅうっと力をこめたり。誰かに見られてないか気になってキョロキョロしちゃったり。そんな僕を可笑しそうに眺めては穏やかな笑みを浮かべる。「軽いな、チャンミナ。朝...

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紅-クレナイ-の人《15の風景》8

チャンミンside賑やかになってきた食堂の空気が一瞬で変わる。見なくたって分かる。ユノさんが来たんだ。ユノさんの存在感はもう本人でもどうしようもないないほど圧倒的で。控えめにしてるつもりでも一瞬でその場の空気に色をつけるんだ。コツンと肘をつついてきたのはおばちゃん。僕は知らんぷり。2日続けて別に寝たのは実は初めてで。昨日は一度も顔を合わせることすらなかった。今さら何て言っていいのか分からなくて。ドクン...

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紅-クレナイ-の人《15の風景》7

チャンミンside一日中ぼんやり過ごしてると喧嘩の原因が何だったのかなんてどうでもよくなる。本館に僕がいるのなんて分かりきってる筈なのに、さっさと素通りして自宅へ帰ったユノさんが恨めしいよ。こうなると意地でも無視してやる!って思うのはやはり僕が子供っぽいのかな。ちょうど調べものがあったので、事務所に長々と居て。資料をめくるたびにため息をつくというどうしようもない僕。どうせ今夜もリビングのソファーで寝る...

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紅-クレナイ-の人《15の風景》6

チャンミンsideうつらうつらと夜を過ごし、いつもよりかなり早く食堂の手伝いへ行った。ユノさんとはもちろん顔を合わせてない。僕がいなければ、朝ごはんは食堂へ来るか適当にあるものですませてしまうだろう。ユノさんは根っからひとりで生きていくことが染み付いてる人だから。「おや?今朝は早いねぇ、チャンミナ。」食堂の朝は早い。誰もいないかもしれないと思った厨房ではすでに食堂のおばちゃんが仕込みを始めていた。『食堂...

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紅-クレナイ-の人《15の風景》5

チャンミンsideユノさんにバレたら一笑されるに決まってる、と思ってはいたけど。本当に一笑されると無性に腹が立つものなんだと分かった。「何をコソコソしてるかと思ったら、…仕事探してるんだって?」「……。」寝室で、寝る直前になってそんなこと言うユノさん。昼間、武道場へカン社長が来てたから、彼に聞いたのかもしれない。そもそもカン社長が知ってるのも変だけど、ユノさんといいカン社長といい、驚くほどの情報網なんだ。「ど...

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紅-クレナイ-の人《15の風景》4

チャンミンsideー数日前ーユノさんを怒らせた。僕がこそこそとドンジュさんに会いにいっていたから。そして、歌を歌う以外の裏方の仕事を紹介してほしいと頼んだから。怒るというより呆れていたという方が正しいかもしれない。「どこにそんなことする必要があるんだ?」と低い声で言われたら、言い返すことなんて出来なくて。「…っ、ユノさんには分からない!」それだけ言って飛び出した。ユノさんも追ってこないから、きっと呆れたま...

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