好きと言えたら…~ビョーキかもしれない~イジュンside完

 イジュンside弟というのは往々にして目障りな存在だったりする。それが控えめで特にアピールもせず、それなのに要領よく何でもこなすヤツであれば尚更。元来目立ちたがりで運よく数多の才能に恵まれた俺。成績はいつもトップ、長身を生かしたバスケ部ではセンターのポジションで1年の後半からスタメン出場を果たした。二期連続生徒会長をつとめ全校生徒憧れの的だった、……はず。もちろん容姿だって完璧で、部活で汗にまみれても...

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好きと言えたら…~ビョーキかもしれない~10

ユンホside人ってのは際限なく貪欲になるものだと最近思う。「虎はビョーキかもって悩んでるけど、ユンホさんは悩まないで。僕は食べられても平気。───きっと、もっと好きになる。」そんなこと言われて。あの日確かにこの腕のなかに居たはず。無邪気に大口開けて食う姿も興奮ぎみに絵本をめくる姿も好きだけど。ベッドの中であんなに甘くなるなんて、…!とろんとろんに蕩けて強請る仕草や俺だけに向ける『大好き』。───こんなに甘い...

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好きと言えたら…~ビョーキかもしれない~9

ふと見れば玄関先に大中小と大きさの違う木材が立て掛けてあった。配達されたばかり、って感じ。おじさんが日曜大工でもするのかな、なんて思ってると目の前のドアが勢いよく開く。「チャンミンくん!早くっっ!!」「え?」挨拶する間もなくおばさんに腕を引かれ、よろけるようにリビングへ。「脱いで!!」「は?///」これから料理を作るんだろうけど、エプロンするのに服を脱ぐ必要はない。焦ったように僕のセーターへ手をかけるおばさ...

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好きと言えたら…~ビョーキかもしれない~8

前もって言ってあったから、すんなり定時退社したユンホさんのバースデー。地下鉄に乗る前に行きつけの古本屋へ寄る。偶然見つけて取り置いてもらった絵本を大切に鞄へ入れ来た道を戻った。ずっと探してた絵本。実はユンホさんも同じのを探してたと知ったのは最近で、高価だし古本だから一点ものだし。迷いに迷ってバースデープレゼントとして贈ることにしたんだ。「…ふふ、」ユンホさんの喜ぶ顔が浮かんで自然に頬が緩む。喜ばなか...

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好きと言えたら…~ビョーキかもしれない~7

「食べたくて食べたくて、…でも鹿を失うことを想像しただけで苦しくて。自分はビョーキかもしれない、って思うのよ。」初めて入るユンホさんの寝室。ユンホさんちだって数えるくらいしか来たことないのに。僕がシャワー浴びる間に急いで片付けたらしい跡が無理やり端に積み上げた雑誌だったりクローゼットの隙間からピロンとはみ出た服だったり、あちらこちらで見え隠れしてるのが可笑しい。普段から落ち着いてどちらかと言うと物静...

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好きと言えたら…~ビョーキかもしれない~6

ユンホsideせめてもう少し片付けておけばよかった。今朝資料を探すのにひっくり返した部屋はいつにも増して乱雑で。「…ひどい、…」呆気に取られたように呟くチャンミン。そりゃこんな部屋見せられたらいろいろ萎えるよな、と後悔しても遅い。「チャンミン?」突っ立ったままの腰に腕をまわし引き寄せようとするけど、「ちょっとだけ片付けたい、…です。」俺よりか目の前の惨状に意識がいっちゃってるみたい。「…ごめん、一緒に片付けてく...

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好きと言えたら…~ビョーキかもしれない~5

ユンホside細い裏道から住宅地にでる。なだらかにカーブした道沿いにオレンジ色の外灯が規則正しく連なる。霧が稀にでるこの地域で光が通りやすいというオレンジ色の外灯が子供の頃から好きだった。薄暗いけどあたたかさを感じる灯りは今の状況にぴったりで、柔らかな光を受けるチャンミンは優しげで薄暗さは下心を隠してくれる気がした。繋いだ手は温かくいつまでもこの道が続けばいいと思うほどだったのに、呆気なく到着した実家...

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好きと言えたら…~ビョーキかもしれない~4

ユンホsideほっそりとなで肩の後ろ姿を追う。チラッと目が合って微かに頬を緩めたチャンミン。なんだよ?な、どうして兄貴に抱き締められてんの?隙を見せるなよ。俺がどんな気持ちでいつも実家で会ってるのか。パリパリに糊のきいたエプロンがいい感じに使い込まれるのを、どんな思いで見てたのか。おまえ、何も分かっちゃいない。出来れば今すぐチャンミンの肩をつかんで事の成り行きを問い詰めたいところだけど。担当の編集者と...

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好きと言えたら…~ビョーキかもしれない~3

結構飲んで酔ってしまったのに、泊まりなさいというおばさん達を振りきって帰る。玄関を出て追ってきたのはイジュンさん。「せめて駅まで送るよ。」「…ひとりでフラフラ酔いをさましながら帰るから大丈夫ですよ。」僕は頑なに。「フラフラされてユンホに怒られるのは俺なんだけど?」なんて言ってくる。ユンホさんなんてあの可愛い編集さんと愉しくお仕事なんだから怒るわけないですよぅだ。プイっと背を向けて歩きだしたら、ふいに包ま...

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好きと言えたら…~ビョーキかもしれない~2

「あ…、あなた。」すれ違いざま僕と目が合い、驚いたような担当編集者さん。「え?」「前に、…この近くで会ってません?ユンホさんと道端で話してたとき、通りすぎましたよね?」「あ、…」確かにすれ違ったけど、僕はユンホさんを避けるようにしてたしユンホさんも声を掛けなかった。よく覚えてるなあ、なんて目を丸くしたら。「あんな子を読者モデルに欲しいわって思ったの。それでユンホさんの様子が変だったから知ってる子?って聞いたの...

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