APPLAUSE-告白-33

昼間ならインパチェンスの花壇が綺麗な真夜中の公園。遊具は中央にある滑り台つきの小高い山だけで、所々に木製の花壇が配置され同じく木製のベンチがあった。子供の遊び場というよりは憩いの場という感じの。僕の部屋からよく見える。ケヤキの隙間から覗く花壇は季節ごとに違った顔を見せてくれる。今の季節はカラフルなインパチェンスが綺麗で。白やオレンジ、ピンクに赤の鮮やかな花たち。花言葉は《鮮やかな人》。透明感を増し...

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APPLAUSE-告白-32

「あのね、すっごく可愛い量り売りのキャンディーを見つけたの。色々な種類の花の形してるから花言葉を教えてほしくて。…チャンミンさん、詳しいでしょ?」いや、ユリさんの方が詳しいと思う。そんなこと、彼女だって承知のはず。「ユノにね、今日乗り物に付き合ってもらったお礼としてあげたくて。キャンディーくらいなら貰ってくれると思うんだ。」結局これは牽制で。別れた後知り合った僕という存在の位置づけが気になるようだった...

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APPLAUSE-告白-31

好きなのに。好きだから。いろいろな感情が渦巻いて、もうきっかけがなければ僕からなんてとても、…そう思ったのが、ついさっきで。「ハヌルさん、…やめて、やめてくださ、…」「…チャンミナ、別に好きで快楽だけの関係を求めてるわけじゃない。」聞きたくないと掴んだ腕をひっくり返され、逆に腕を取られた。普段のハヌルさんからは想像もできない真剣な表情。深く刻まれた眉間のしわ、そのわけを知りたくない、…知りたくないのに。「本...

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APPLAUSE-告白-30

ハヌルside学生アルバイトだと聞かされ、正直めんどくせぇなと思った。往々にしてプロ意識に欠けるそいつらにとって、モデルはちょっと自慢できるくらいの遊び半分でしかないからだ。軽いノリでやってきては愛想を振りまいて帰っていく。遊び慣れてるヤツなら食うのもいい。意外に好奇心旺盛な奴らは面白いほど俺の誘いに乗ってくるし。それくらいの楽しみがなきゃ、やってらんない。「はじめまして、シムチャンミンです。今日はよ...

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APPLAUSE-告白-29

腕も足も体中、きっと葉っぱだらけだ。ガサガサと動くたび音がして。そのたび、「しぃっ!」と耳元で。後ろ向きに引っ張られ背中に密着した体。リズミカルな曲に呼応するような鼓動。僕の動悸が速いのも驚いたってだけじゃない。「…ユノ?」「ん、」「幽霊かと思った、…絶対に寿命縮んだ。」「俺も、おまえの雄叫びに寿命縮んだ。」「馬鹿。」「ん、…ごめん。」「…何に対して謝ってんですか?」「いろいろ。」「謝るくらいなら触るなっていつも言って...

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APPLAUSE-告白-28

どこから集まってきたんだろうと思うほどの人垣で埋め尽くされた園道。楽しそうに騒ぐ男女のグループや寄り添うカップル、小さな子供を肩に担いだ父親と我が子をカメラにおさめる母親。場所取りどころかあまりの人混みに立ってるのがやっと。蛍光色の棒がクルクル回る。スタッフに誘導され大きな橋の袂まで来ていた。「すっごい人ですね。ユリさん達に会えるかな?」「ん、一応場所はLINEで送っておいた。まあ会えなくても帰りにエン...

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APPLAUSE-告白-27

出口を通り、「少し前を歩いて。」と隣に並ぶ人へ促す。「どうして?」「いいから。」ぐっと背中を押して数歩後ろを歩いた。先程の土産ショップに隣接するレストランで席取りをしていた3人。食前酒のつもりかワインを飲んでるようでゆっくり近づく僕らへ、───ほらね?微妙な顔。 彼女を置き去りにさっさと2人きりでアトラクションへ行ってしまったことや。ハヌルさんから奪い取るように僕を引き寄せたユノの態度。きっと変に思われて...

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APPLAUSE-告白-26

『おい、まさか晩飯も別行動とか言うんじゃないだろうな?』半分怒ったように電話してきたのは、もう随分日が暮れてからだった。「さ、さあ?」「っ、さあじゃねぇ!今どこだよ?」「えっと、…」「おい、チャンミナ!」なんだよ!そんなに怒んなくったっていいだろ?自分だけ楽しくデート気分で乗り物乗っちゃってさ。 ユリさんにつき合って土産ショップに居た僕とユノとは案外近くだった。「おまえさ、へろへろに酔っぱらって泣いてないよ...

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APPLAUSE-告白-25

こんな夏の日は夕方から夜のパレード目的という客も多いんだろう。結構な人波が同じ目的地に向かって歩いていた。所々に色鮮やかな花壇が配置され嫌でも気分が高揚する。白やピンクのベゴニアにオレンジ色のマリーゴールドが眩しい。星形の花が手まりのように形づくるペンタスをヘデラがびっしりと覆う。そして色とりどりのサルビア。グラデーションのように赤から紫、青が整然と並び風に靡くさまはずっと眺めていたいくらい。「チ...

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APPLAUSE-告白-24

僕らは地下鉄に乗っていた。隣のユノは少し不機嫌顔で。「今日は暑いからパレード観ながらビールって旨そうですよね。」「…そうだな。」「乗り物はどうでもいいけど、でもアレ、アレだけは乗りたいな。地中から一瞬だけ外へ飛び出すジェットコースター。何でしたっけ?」「…さあ。」「……。」なんだよ、感じ悪いな。確かにユノんちに泊まって一緒のベッドで寝て、ユノが起きる前に勝手に帰っちゃった僕も悪いけど。早起きしてユノの寝顔を眺め...

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