APPLAUSE-告白-95

しばらく放心して、押し寄せる焦燥感のまま部屋を飛び出した。何も持たず鍵だって掛けてない。だって、何だよアレ。聞いてない、何も聞いてない。僕が怒ることってアレ?だったら完全にアウトだよ、ユノ。玄関の前に立ち大きく深呼吸する。そっとドアノブを回せば、…開いてる。軽くはないドアを勢いよく開けて。───絶句する。常に3足は散らかっていた靴がない。脇のシューズボックスが口を開けて綺麗に磨かれた中身を晒していた。...

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APPLAUSE-告白-94

ふっかふかなのに弾力のあるベッドは寝心地抜群で、この10日あまりの寝不足を補うようにぐっすり眠った。せっかく2部屋あるのだからと、ユノが出掛けたあと未使用のベッドに潜ったものの。清潔でさらさらのシーツになぜか馴染めず、結局戻ってしっとり湿ったぐちゃぐちゃシーツにくるまれ眠りについた。「ん~~~っ!」遮光カーテンの隙間から漏れる淡い光。久しぶりの充分な睡眠に腰は怠いが頭はスッキリで、思いきり伸びをして...

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APPLAUSE-告白-93

「ん、…っ、チャンミ、」「ふ、…ん…っ、…」とまらない。ベッドに腰かけ後ろについた手が深く沈む。僕から絡ませた舌を最初戸惑いがちに、静かな部屋に唾液の混ざる卑猥な音だけが響く。「こら、チャンミナ!」肩を押されボフンと柔らかいクッションを背中で感じた。「ふぁ?」「急がなくていいって意味が違う。」仰向けに倒され真上にユノ。さっきまでのキスで急ぐとか急がないとか何だっけ?と思ってしまう。ユノだって上気した頬に荒い息、...

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APPLAUSE-告白-92

彩りも鮮やかなオードブルにフルーツ。そしてよく冷えたシャンパン。ワゴンの上にはもうひとつ、スエード素材のトレイがあって。「…ユノ、これ、…」「ん、本当は会場内で渡すつもりで用意したけど、やっぱ恥ずかしいし潰しちゃいそうでさ、」それは一輪のブルーローズ。ひょいと取って僕の胸ポケットに挿す。満足そうに笑みを漏らすユノを見て、ああコレがしたくて上着を脱がせなかったんだとわかった。出逢った日、正確には僕が振られ...

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APPLAUSE-告白-91

大広間を出てヨーロッパ調重厚な雰囲気の廊下を歩いていく。違うな、走ってると言った方が正解かもしれない。僕の手を引きぐんぐん進むユノ。結構飲んだ僕は息もきれぎれなのに呼吸ひとつ乱れず広い背中を晒している。いろいろありすぎて胸がいっぱいだった。ユノがセギュンさんの孫で。イ・ダルが僕のイタリア行きを条件に事務所へ手を回したのをユノは知っていた。そしてユノが動き僕を取り巻く状況が変わった。「っ、ユノ、…ユノ...

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APPLAUSE-告白-90

「ユノ、…あんた、チョンユンホ、なのか。」心底驚いたような掠れた声。同じような境遇で自分の祖母がお気に入りの坊やと言うくらいだ、名前だけは幾度となく聞いて知っていたらしい。「…あんたがイ・ダルだってのも最近知ったよ。」それはどうやらお互い様らしく。あれ?僕、いつ名前を教えたっけ?写真集の正式な発売日はまだ先で、ユノの目には触れてないはず。「チャンミナ。」ゆっくりと目線を移しユノが歩み寄る。昨夜呆れるほどキ...

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APPLAUSE-告白-89

ホテルの大広間で開かれたパーティはとても豪華だった。芸能人や著名人もチラホラ混じって華やかな盛り上りをみせている。こういう場はあまり得意じゃない僕も社長の後ろについて少しだけ高揚し笑顔を振りまいていた。「女性芸能人のドレス姿よりもチャンミナの方が綺麗。」ボソッと耳元で囁かれ腰に手がまわる。「痛っ、」無言のまま手の甲をつねってやった。コイツさえいなきゃ所狭しと並べられたブッフェ形式の料理も色とりどりのシ...

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APPLAUSE-告白-88

そろそろ寝ようというタイミングでインターフォンが鳴った。エントランスじゃない、玄関だ。「チャンミナっっ!」ドアを開けた途端飛び込んできて息苦しいくらい抱きしめてくる人。「っ、ユ、…ユノ?」「ん、…会いたかった。」あまりに突然で。でもユノの匂いを認識したとたん血が逆流する。心臓が音をたて沸騰しそうに体が熱い。驚きと愛しさと、嬉しさ。───と同時に勝手にいなくなったユノへ怒りまでわいてきて。「っ、このっ、」「痛っっ...

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APPLAUSE-告白-87

ハヌルsideとぼとぼと、そんなに足が重いのか?と聞きたくなるくらいの様子でカフェへ戻ってきたチャンミン。「あ、…ハヌルさん。」そう言ったっきりカウンターにうつ伏せてしまった。俺はといえば、…急いで仕事を片付け駆け込んだ店で、チャンミンはいないしセギュンさんはのらりくらりと掴めない会話でイライラしていた。そもそもこのチャンミンの荒れっぷり。原因は知らないけど関わってるヤツは間違いなくアイツだ。イ・ダル、──...

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APPLAUSE-告白-86

「今日はもう雑誌の打ち合わせだけだから体調が悪いってことで俺だけでいいよ。おまえ、もう帰れ。」大きなため息が頭上から聞こえる。ああ、呆れられた。いい大人が子供みたいに泣きじゃくって恥ずかしい。しゅんと項垂れ一歩踏み出したところで止められた。「…やっぱ帰るな。落ち着いたら顔洗ってユリさんとこで待ってな。俺も終わったら行くから。」「…ハヌルさ、」「わかったな!待ってろよ。」トントンと背中を小突き僕の返事も待たず...

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