キスは1日3回-SS **帰省22完

チャンミンside「ヒョンっ、…ヒョンってば!」住宅が建ち並ぶなだらかな傾斜の道をひた走る。姿は見えるのに一向に止まる気配がなくて、あと数メートルという所で力尽きた。両膝についた手で体を支え、「っ、ユノヒョンっっ!」思いきり呼んで、そこでやっと振り向く。もう、…僕、酔ってるんだけど?ハァハァと息は荒いし心臓は飛び出そうだし、勘弁してよと顔をあげれば、「…ヒョン?…っ、どうしてそんなに真っ赤?」日が傾き臼桃色に染...

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キスは1日3回-SS **帰省21

妹sideお兄ちゃんの恋愛に口出しするつもりはないけど、でもちょっと待って。兄妹として生まれたからには全く関係ないとは言わせない。だから少~しだけ気になるし、少~しだけ探りたくなってしまう。だからお兄ちゃん。これは兄を愛するがゆえの可愛い妹心だと思って、どうか許してほしい。ふとした話題から思い出話で盛り上がり、みんなで懐かしい写真をめくった。お兄ちゃんのアルバムを中心に、幼児でドレス姿のお兄ちゃん、で...

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キスは1日3回-SS **帰省20

妹side幼い頃、兄妹で並べば三姉妹のようで零れそうなデッカイ目が誰より可愛かった。近所のおばさん達に可愛い可愛いと言われ親戚一同には遊ばれた。多分ね、それがトラウマになっちゃったんだと思う。そのうちヒョロっと背が伸びさすがに女子には見えなくても、──出来るだけ目立たないように、そうするのが癖になってたから。毎年学級委員に任命される私と違って役員と名のつくものに無縁で。コツコツ勉強するから成績だって兄妹...

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キスは1日3回-SS **帰省19

「推薦が決まって春から大学生になる妹がもうひとりいるんですけどね。昨日の夕方から友達とスキーへ行っちゃったんですよ。」「あ、そうなんですか。いいですねぇ、今年は雪が豊富だって聞いてますよ。」そんな会話をしたのは、お茶でも飲みましょうか?と誘われた対面式キッチンのカウンターだった。3脚あるカウンターチェアにはチャンミンを挟んで右側に俺、左側にはチャンミンの妹が座る。チャンミンの目的は、まぁ、アレだな。チ...

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キスは1日3回-SS **帰省18

チャンミンsideリビングの奥から酔っ払い特有の笑い声が響く。今年はまだもうひと家族が来てないというのにいつになく騒がしくて。 「お兄ちゃん?…何むくれてるの。」「べ、べつにっ!」お酒を燗したから持っていってと渡され、伏し目がちに受け取る。ぬっと下から覗き込んだ母さんが可笑しそうにふふっと笑った。「なに?なんで笑うんだよ。」「いえね、お酒の席で貴方がいつまでもキッチンに居るなんてめずらしいなぁと思ってね。」「っ...

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キスは1日3回-SS **帰省17

チャンミンside「っ、お兄ちゃん!!」何度目か鬼のような形相の妹に起こされ、気怠い体をやっとのことで起こした。2日続けて明け方まで起きていて、しかも酷使された体は疲れきっていた。あともう少し、…もう少しでいいから寝ていたい。起こした体がぼすんと沈む、意識が遠のく、あとほんの少しだけ、…「お兄ちゃんってば!もう伯父さん達、飲みはじめちゃってるわよ。いい加減起きてよ!」飲みはじめてるならいいじゃないか。僕のこ...

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キスは1日3回-SS **帰省16

チャンミンside真夏なら夜明けまであと少しという時間帯。吐く息まで白く凍りそうな夜だけど、真っ暗な冬でよかった。会計は部屋で済ませられても、そこから自転車までワープできるわけなく。心臓の音が聞こえそうなほどドキドキしながら廊下を歩く。堂々と歩いていくユノヒョンが不思議で仕方ない。こそっと背中に隠れれば、「チャンミナ~、初々しいなぁ。もしかしてこういう所、初めて?」なんて嬉しそうに聞いてくる。初めてだよ...

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キスは1日3回-SS **帰省15

チャンミンside少し鼻にかかった声が甘く僕の名をよぶ。ウトウトしてたらしい。シャボン玉が弾けたように目が醒め、視界に飛び込んできた近すぎるアップ顔にのけ反ってしまう。小さな顔に配置良く並んだパーツは嫌味なほど整っていて、それが緩やかにカーブを描く。真っ直ぐ見つめるアーモンドアイが、思わず触れたくなるような唇が、嬉しそうに“チャンミナ”と形を成して。自然とはやる鼓動の、僕はもう止め方を知らない。「僕、…寝...

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キスは1日3回-SS **帰省14

キスは1日3回-SS **帰省13