あなたが笑えば~愛慕~11

お互いの想いは胸に秘めたまま、一見、今までと変わりない生活を送るユンホとチャンミンだったが。「なんだよ、お前。」いつものようにチャンミンのバイト終わりに合わせ店へ来たユンホを出迎えたのは、ユンホの弟ハイルだった。「へへ。ジノさんに頼んでバイトさせてもらうことになったんだ。」「っ、…お前はそんなことしてる場合か。落第ぎりぎりのくせに。勉強しろよ、勉強を!」兄の説教なんてどこ吹く風で涼しい顔をして知らんぷり...

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あなたが笑えば~愛慕~10

※ユノが女性と絡むシーンが少々あります。ご注意ください。ユンホは馴染みのバーに居た。仕事が入ったと適当に言い訳し、様子のおかしいチャンミンをエナへあずけて家をでた。あのまま離れで二人きりでは自分を抑える自信がなく、ユンホは逃げたのだ。まだ早い時間、カウンター席とテーブル席が3席ほどの小さなバーは客もまばらだ。カウンター席に座り、先程呼び出したジノを待つ。ジノがチャンミンへ何をふきこんだのか、どうし...

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あなたが笑えば~愛慕~9

  すっかり日が落ちても静まり返った部屋は仄かに明るい。満月が近いのだろうか。でもそれを気にする余裕などユンホにはなかった。片膝をついたユンホへ体を捻るように膝立ちのチャンミンがすがりつく。両腕でユンホの頭を抱き込むから、チャンミンの熱い息遣いが首筋を擽る。ユンホはそれを意識的に受け流した。「チャンミン?ジノんちで何があった?」ユノユノとユノの名前しか呼ばないチャンミンは出会ったばかりの子供に戻った...

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あなたが笑えば~愛慕~8

「俺は正直気が進まないんだけどさ、親父の言いつけだから仕方なくって分かってくれよ、チャンミン。」そんな前置きされて通されたジノの部屋は、以前ユンホと一緒に訪れたはずなのに同じ部屋とは思えないほど余所余所しい。広いリビングへ通されソファに座るよう促される。ジュースでも飲むか?というジノへ無言で首を振った。「ジノ兄さん。ユノに内緒で話があるってなに?僕、やんなきゃいけないこと忘れてて、あまり長く居れない...

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あなたが笑えば~愛慕~7

せっかくの休みだから買い物にでも連れていってやろうとユンホは予定していた。夏休みになり制服を脱いだ私服姿のチャンミンはあまり格好を気にしない。子供の頃はエナが身の回りのものを揃えていたし、今でもちょくちょくチャンミン用にと洋服を買ってくる。それに組の幹部連中がスタイルのいいチャンミンを着せ替え人形のように扱うのだ。自分好みの服装をさせたがるからテイストがバラバラだったりする。それでもチャンミンはニ...

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あなたが笑えば~愛慕~6

───そうだろうと予想はしてたけど、これほどユノがモテるなんて。バイトをはじめて2週間。今まで自分がいかに何も知らなかったのかと、チャンミンはそれを目の当たりにしていた。「ね、チャンミン。ユノさん、今夜も来るのかしら?」「さ、さあ?どうでしょう。」「チャンミンがバイトに入ってからもう連続で2週間よ。ユノさんってば余程心配なのね。お兄さんのジノさんはたまにしか来ないのに、ユノさんは毎日毎日。おかげで私達も目...

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あなたが笑えば~愛慕~5

    ───すべてのはじまりは、あの夢から。ユンホはその日、夢を見た。辺り一面むせかえるような薄桃色だ。何気なく手のひらをかざせば、ヒラヒラとそれはユンホの手を覆いつくす。よく見れば桜だった。桜の花びらが吹雪のように舞い散る。息をのむような美しさにユンホがまず思ったのは。──ああ、チャンミンにも見せてやりたい。夢だと認識してるのに現実のような、ひどく曖昧な境界線。分厚い桜のカーテンをかき分け走ってき...

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あなたが笑えば~愛慕~4

っくん、…くん、…夢見心地で擽るような感覚をユンホはやりすごしていた。昨夜はシステムのトラブルがあり、復旧に手間取り帰宅が明け方になってしまった。シャワーだけ浴び倒れるように用意された布団へ潜りこんだのはついさっきだ。「ユノ~、ご飯は?」囁くような声が近い。顔に触れる感触も続いていて、目を開けたいのに泥のように沈んだ意識がなかなか覚醒しない。ふわりと風を感じて心地よい香りにくるまれる。頬に柔らかい圧力...

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あなたが笑えば~愛慕~3

「おい、ジノいるか!」乱暴にオフィスのドアを開けたユンホへ何人かの従業員が体を強張らせた。「あ、あの社長?どうしました?」「ジノはどこだ!」ユンホは怒っていた。普段それほど感情を表にだすことのないユンホが怒るなんてめずらしいと誰もがユンホへ注目する。「1階のカフェにみえるかと。あの、…最近通ってらっしゃるから、…」つい発言してしまって従業員は後悔した。ユンホと目が合い、その鋭い視線にゾクリと鳥肌が立った。言...

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あなたが笑えば~愛慕~2

離れへ帰ったのは、日付もとうに変わった頃だった。ユンホはもうずっとこんな生活を続けている。昼前に起きて昼過ぎにはオフィスへ顔をだす。ビルの最上階にあるメンテナンス会社と輸入会社は別会社の為どちらにも顔を出さなければならない。ツインタワーはそれぞれにコンセプトがあり、世界各国の料理を出すカフェやレストランを集め、ワンフロアーを使ったギャラリーやちょっとしたパーティ用のホールもあるⅠ号館とダーツバーや...

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