あなたが笑えば~最愛~22

「チャンミンさんですね。」「え?」庭で枯れ葉を掃いていたチャンミンは寒椿の生け垣越しに掛けられた声を一瞬デイルかと勘違いした。ちょうどデイルが散歩と言っては顔をだす時間だったし、そこに立っていた男性が見た目はまったく違うのに雰囲気がどこかデイルと似ていたのだ。それも丁寧に自己紹介され合点がいく。「兄さまの秘書の方なんですね。どおりで似てると思いました。」「デイルさんと私は、…似てますか?」「似てると言うか、...

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あなたが笑えば~最愛~21

あなたが笑えば~最愛~20

あなたが笑えば~最愛~19

ユンホとチャンミンはエナが用意した遅めの夕食を摂っていた。静かな食卓に食器の音だけが響く。チャンミンは黙々と手と口を動かし心ここにあらずといった様子で、ユンホもそんなチャンミンを目の端で気にしつつそっとしてやる。あれからすぐサン太は逝ってしまった。 チャンミンのショックは大きく、ぷかりと浮いたサン太をじっと見つめたまま無意識にユンホの手を握った。ユンホはただ静かに隣に居て、チャンミンが顔をあげるの...

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あなたが笑えば~最愛~18

「あのさ、親父に言われたからってだけじゃないけど、…ちょっと忠告、いいか?」車の後部座席で軽く目を閉じていたユンホへジノが話しかける。ユンホはこのところ新しく子飼いになった組の統率に忙しく、ほとんど寝に帰るだけの毎日を送っていた。カルタ取りをした日から1週間ほどチャンミンとはまともに会っていない。「…なに?」だからなのか少し不機嫌なユンホへ忠告するのを躊躇うジノだが致し方ない。「デイルさんの秘書がユノの周...

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あなたが笑えば~最愛~17

 その日ユンホは泣きそうに切羽詰まったチャンミンからの電話を受け、何事かと手に汗を握るほど焦ったのだが。「……サン太が、っ、…」「え?サン太?」どうやら錦鯉のサン太の元気がないと言うのだ。この時期、冬眠のようにほぼ動かない鯉がサン太だけ水面でふらふらしているらしい。業者へ連絡して専門家を呼ぶからとチャンミンを宥め、それでも心配なのかおろおろするチャンミンへ今夜は早く帰るとユンホは約束した。ジノ、とユンホ...

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あなたが笑えば~最愛~16

ユンホはアクアリウムバーのカウンター席でひとり琥珀色のグラスを傾けていた。シドから会って話したいことがあると連絡が入り、ユンホがここを指定した。今日は日曜日で、週に一度チャンミンがバイトに入る日なのだ。カウンター席からは厨房にいるチャンミンの姿は見えない。代わりにチラチラとあちこちから視線が集中しているのが分かる。それをユンホは軽くいなす。見られるのは慣れっこだったし、最近では絶対に誘いにのらない...

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あなたが笑えば~最愛~15

エナを交えた同居生活は、不在がちなユンホの代わりにチャンミンにとって寂しさを埋めるものになっていた。エナの予想通りハイルが勉強を理由に離れを訪ねる。エスカレーター式で大学進学を決めていたハイルだったが、成績が芳しくなく追試があるというのだ。数Ⅰを教えてくれとチャンミンに泣きつくハイルをエナはどちらが年上だか分からないねと呆れたように笑った。そんなハイルにチャンミンは優しい。「僕も復習になるから嬉しい...

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あなたが笑えば~最愛~14

結局エナが離れにやってきたのは夜も更けてからで、取りあえずと言った感じで簡単な荷物だけを持ち不満そうな顔をして玄関のインターフォンを鳴らした。「用事を済ませて帰ったら急にユンホ坊っちゃんの離れに移り住めなんて、しかも今夜中になんて横暴すぎやしません?」ぶちぶち言うエナをチャンミンがなだめ、荷物を持ってやってエナを部屋へ案内する。「あのね、あまり丁寧に掃除できなかったんだ。ゴメンね、エナさん。」こっそり...

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あなたが笑えば~最愛~13