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Baby don't cry52完

ユノsideバイブの振動が数回。ふっと意識が浮上して、うつ伏せたままモゾモゾ這う指の動きをぼんやりと眺めていた。ああ、そう言えば昨夜はすっかり寝入ったヤツの隣に潜り込んだから、俺が隣にいるなんて思ってないんだろうな。しかもお前の携帯は俺の背中に巻き込まれてるらしい。どおりで背中が痛いと思った。「ユノさ、…?っ、なにしてんの?」寝起きからくりっとデカイ目ん玉が俺を見据える。見て分かんない?寝てんだよ。と...

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Baby don't cry51

神父さまを父親のように慕っていた。母をひとりで逝かせた実の父なんかより、神父さまの方が余程親身になって幼い僕や病に伏した母へ尽くしてくれたのだ。幼子を抱え苦労したであろう母の安らかに眠る姿は今でも僕のなかにある。ああ、──そういうことか。母が何より守ろうとしたもの、それを僕も守らなきゃならない。「ユノさん、帰りましょう。」中途半端に出入口を塞ぐ人へ声をかけ、コートに袖をとおす。軽くうなずくだけの返事...

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Baby don't cry50

──ああ、君がチャンミンか。その人は、まるで愛しい人を見るように僕を見つめた。ユノさんはどうやら母親に似たらしい。神父さまの自宅の簡素なリビングで面と向かって気づいたのは、この人からユノさんの面影をなかなか探せないということだった。細面の涼しげな顔立ちは似ていてもそれを型どるパーツがどこかボンヤリと散らばって、そのマイペースさを現してるような風貌だなぁなんて思う。そのデハンさんは僕を見て母にそっくり...

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Baby don't cry49

腰が立たないなんて経験を、まさかこの若さでするとは思わなかった。どれくらいの時間寝てしまったんだろう。ふと気づけばユノさんがいなくて。“このまま泊まればいい”と簡単なメモ書きだけ残して、どうやら会社へもどったらしい。そう言えば女性秘書へ先に戻るよう車のキーを渡していた。それにあの荷物だ。誰か寄越すように連絡したのかユノさんひとりで運んだのか。どちらにしても僕は手伝えそうになかった。大きく手を広げベッ...

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Baby don't cry48

Baby don't cry47

“情け深い所業”の説明なのか、マンションへ来るなと言った理由の説明なのか、僕はユノさんに手を引かれ、誰も入れないと頑なに拒否していたユノさんの主寝室に来ていた。「ここが俺の寝室。入りな。」そう促されてドアノブへ指を掛ける。ゴクリと喉が鳴った。あれほど近づけるのを嫌がった寝室にどんな秘密があるんだろう。例え何を見せられようがユノさんを好きなことに変わりはないと何度も自分へ言い聞かせ、もう癖になってる“...

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Baby don't cry46

普段はなんてことないのに、人って疚しい気持ちがあると妙に挙動不審になるものなのか。「シムさま。」「っ、は、はいっ!」コンシェルジュさんに声を掛けられ、飛び上がらんばかりに跳ねる僕は怪しいことこの上無い。「体調が悪いのですか?顔色が優れませんが。」「い、いえ。大丈夫です。」「それならよろしいのですが。本日はチョンさまのお宅から荷物の搬出があるようですが、お手伝いですか?」「あー、まぁ、…そんな感じで...

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Baby don't cry45

しばらくマンションに来るな。と勝手なことを言っておいて、自分はたびたびショップへ顔を出すから腹が立つ。「クリスマス商品の売れ行きが好調らしいな。」「あ、ユノさん、…」と、その後ろにソンミさん。まるで自分ちのように、…って本当に自分の店だからいいんだけど、それにしても気安く厨房まで来すぎだ。こっちはユノさんの顔を見ただけで動揺しまくって仕事への集中力が半端なく落ちるんだから連絡くらいしてくれよと思う。ち...

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Baby don't cry44

なかなか出来ない朝寝坊をたっぷり満喫する予定のはずが、なぜか僕はユノさんが運転する車の助手席にこんな早朝から収まっている。「悪いな。午前中の会議がどうしても外せなくて。」「はあ、…じゃあ別に送ってくれなくても、…」「送るんじゃなくて挨拶したいって言ったろ?」「はぁ、…」僕のため息は深い。挨拶ってなんだよ。昨夜ユノさんが何を思ったのか突然教会の神父様へ挨拶がしたいと言い出した。僕の育ての親でもある神父様へ挨...

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Baby don't cry43