HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

もうひとつのStrawberry Candle









*StrawberryCandleのプロローグ的なお話です。
ユノとチャンミンではありませんが、ビジュアルは↓のイメージです^^;






































息をのむ、────────






───まるで生きうつしのような彼に。













小さな通夜だった。
ロールス・ロイスで乗りつけ、屈強なSPを伴った自分のあまりの場違いな空気に怯んでしまうほど。





「あの、・・父の、学生時代のご友人でしょうか?」





遠慮がちに尋ねてきた彼は、周りの訝しげな視線とは違い、純粋そうな大きな瞳を真っ直ぐこちらに向けて。


少し俯いてからスッと上目遣い。
そんなところもそっくりで、・・小さくため息をついた。







「────きみが、・・チャンミンくん?」




「はい。・・あなたの写真を父に見せてもらったことがあります。大学時代の、・・親友だと。」



「でも、・・あの、名前とかは教えてくれなくて、・・もっと普通の方かと。」





恐縮そうに竦めているその細い肩まで、・・本当に似ている。




「・・・なぜ?普通だよ?」



「・・でも、・・あの。」




チラッと脇を固める3人のSPに視線をなげて、話しづらそうに俯いてしまった。




「─────普通だよ?・・チャンミン。」







年を重ねてもなお凛とした面差し。
口端だけで照れくさそうに笑った遺影にくぎづけになって。




─────変わっていない、そう、・・あの頃のまま。

















~25年前~









「あなただったんですね!最近ここで煙草吸ってるのは。」




「あ?」





大学の中庭の外れの外れ。
農学部や理学部の奴らが実習で使っている畑から細い悪路を過ぎるとぽっかりとひらかれた草むらを見つけて。


ひとりになりたい時、数多の取り巻き連中から逃げるために利用していた秘密の場所だったのに。





「ここ、僕の場所ですよ?吸い殻のポイ捨てはやめてください!」



寝ころんで煙草を吸う俺をのぞき込むように太陽を遮ってきたそいつ。





─────「チャンミニ。」





「は?」



「ひ、人違いですよ?僕はそんな名前じゃないです。」



焦ったように大きな瞳がさらに大きくなって。
なに?コイツ、人がよさそうだな。




「知ってる。」
言いながら、よっと身体を起こした。




「チャンミニ、って先月死んじゃった俺の愛犬の名前。」




「なっ////、・・い、いぬ?」



真っ赤になって文句言いたげ。
ふ、───可愛いな。


それがコイツとの出逢い。












理学部のヤツと経済学部の俺との接点はほとんどなく、それでも毎日のようにここへ来れば照れくさそうに笑うヤツがいて。




タイプも性格もまるで正反対、───なのにどうしようもなく惹かれた。







最初は愛してやまなかった愛犬が人の形をして戻ってきたのかと、


──────チャンミニ、とその名を呼んだ。



「ひどい、・・いつまで犬扱いですか?」


なんて、濡れたように深い黒の瞳にプクッと膨らんだつやつやの頬がアンバランスで。



微かに色づく耳から首筋が可愛くて。



それを見たいがために、何度もしつこいくらい呼ぶようになった。








「ヒョン、ここだけ太陽を遮る木もなくて、草花が元気に咲いて、風も気持ちいいし、・・天国みたいですねぇ。」



毎日の習慣になりつつあった昼飯後の一服。
隣には気持ちよさそうに目を閉じて空を仰ぐ美しい横顔。




────天国だとしたら、・・それは。








大学2年のヤツと4年の俺、・・穏やかな春が過ぎていった。


華美な花よりも雑草のカテゴリに入るであろう小さな草花を好み、男のくせに花言葉に詳しいヤツの植物講座は日常で。


そんなものにまったく興味がないはずの俺なのに、なぜか飽きさせない話の内容や、高めの小さいのによく通る声や、伏し目がちに話すその表情に釘づけになった。






「ね、ヒョン。この茶色くなってる鞘を触ってみて?」




春頃は白い花が可愛くて印象に残っていた草。
今は茶色い鞘が棒状に上を向いていた。


そっと腕を伸ばして、・・ツンと触れる。


────パラパラッ、・・


勢いよく飛んだ、・・これは種?




「ふふ、びっくりしました?これはミチタネツケバナ。鞘に触ると種が弾け飛ぶでしょ?」



「ポンポンって潔くて、楽しい。・・僕もこんな風に思ってること、口に出せたら楽なのにな。」



立てた片膝に顎をのせて、しんみりと言う。



「なぁ?それって、・・どういう意味?」



ふっと俺を見た視線に艶が含まれていて、────ドキッと心臓が音をたてた。





「────チャンミニ?」



「・・・・・。」



「・・って呼んでも怒んねーの?」



スッと、ヤツの首筋に伸びた手。



「・・もう、慣れました///。」



伏せた睫毛が影をつくり、嬉しそうに頬が緩む。



後頭部へ移動した手を、ぐっと引き寄せて。



なぜだろう、・・それはごく自然に、・・吸い込まれるように無言のまま。





──────軽く触れただけの、・・。





はっ、と俺を見つめて真っ赤に染まる頬。
その熱を両手で包んで、


「かわいい、・・チャンミニ。」


もう一度、今度はもう少し長くその唇を味わった。









そのはがゆい感情をお互いどうしたらいいのか、・・でも気持ちだけは温かくて、なにも話さなくても通じ合えてるような安堵感。



夏が過ぎ、秋をむかえて。
少し寂しげに色を無くした景色のなか、ついた手の小指同士が触れている、・・それだけで胸がいっぱいになる感情を初めて知った。



そんな小さな幸せに、俺は自分の置かれた立場や抗えないと分かっている近い将来を見て見ぬ振りしていたのだと。





────年明け早々に婚約発表後、大学卒業と同時に結婚。



早すぎる、死にも似た宣告。
体調が優れない父親によって予定よりもかなり急いで進められる、いわゆる政略結婚を。





どうして俺はすんなり受けいれてしまったのだろう。




頭では理解しているのに、───心が、身体が、・・こんなにも拒絶していたというのに。









「ヒョン。・・僕たちは、もう会わない方がいいです。」



コートを着込んでいても吹きさらしの風が頬に痛いくらいのこの場所で。



「嫌だ。・・俺の結婚が決まったことと、おまえとこうして会うことは関係ないだろ?」



ぽつりと囁いたヤツの顔が辛そうに歪んだ。
ふるふると頭を振って、小さくため息をもらす。





「───本気で、・・そう思ってますか?ヒョン。」



ぽろ、と一筋、・・頬を濡らす雫。





分かっている、分かっているんだ。
俺とヤツの間にあるのは男同士の友情なんかじゃない。




触れたい、感じたい、・・・側にいたい。


────この感情は、恋だ。






幼い頃から擦りつけられた義務感は、それを拒否するという選択を与えなかった。



何も言わない俺に。
寂しそうに笑ったヤツが。



「これ、・・僕の一番好きな花なんです。・・かわいい、イチゴみたいな花をつけるんですよ。」



小さな小袋に入った種をそっと渡してきて。



「花言葉は《幸運を呼ぶ》。・・ヒョンの結婚が幸せなものでありますように。・・そう祈ってますね。」



「育てやすい花なので、庭にでも埋めてください。」



にっこり笑い、ぽとんと俺の手のひらに種をおとした。












その花言葉に誤りはないけれど。



────《人知れぬ恋》《私を思いだして》



後から知った別の花言葉に。
無性に泣けて、・・ただ胸が痛くて。





理解していたのは頭のほんの片隅だけだったと痛感しても、もう手遅れで。



思っていたよりヤツに夢中だったことに驚く。
忘れたくて、忘れたくて。
意識がなくなるまで飲んだくれては少しだけ息ができたような気がした。




誰よりも自分のことしか見えていなかった最低の俺。



世界一辛いのは自分だと、・・言い訳しては遊び歩いて。



大人しいだけの妻と、母親にべったりの息子。
愛してやることが出来ずに逝かせてしまった妻。
氷のように冷たい視線を向ける感情をなくした息子。








思ったより早く社長就任を余儀なくされた仕事への重圧に、自ら招いた家庭での不和。
安まることを忘れた不安定な心はいつしか荒みきってしまった。





────それでも。


いつか、どこかで、・・実現するはずのない再会を夢見ては、


あの木漏れ日のような小さな幸せの日々に想いを馳せて、出せるはずなどないヤツへの手紙をしたためてみたり。







「父さん、・・あなたは自己犠牲をすべて人のせいにして生きている。
───俺は、あなたのような生き方はしません。」



それは、明日マサチューセッツ工科大への留学の為渡米するという、息子ユンホからの言葉。



その能面のような表情から尊敬の念は一片たりとも探すことは出来ない。



「───ユンホ。人には生まれながら決まっている運命があるんだ。どんな感情をもってしても、それには逆らえない。」



あの頃の自分に重なるような容貌の息子に、ゆっくりと諭すように言葉を噤む。



はっ、と片方の口角が皮肉な笑いに歪んで。


────「そんなの、・・糞くらえだ。」



拒絶したままの背中が小さくなっていった。







その吐き捨てたような言葉になぜか勇気をもらって。
一本の電話であまりにも簡単に調べられたヤツの消息。





────ひとり息子に『チャンミン』と名付けていた。


もう、────それだけで。



抑えても抑えても喉元からせり上がる感情。
とめどなく流れる涙。


──────こんなにも愛していた。




温室脇にはあの日のストロベリーキャンドルが競い合うように赤い花をつけ風に靡いているというのに、─────。















─────「チャンミンくん。良かったら、うちへ来ないか?」




「え?」




「生活に不自由はさせないよ?経済学を専攻しているんだってね。優秀だって聞いてる。ぜひうちの会社も将来の視野に入れてほしい。」



突然の申し出にキョトンと言葉も出ないな、・・・無理もない。
でも手元におきたいんだ。

─────チャンミニ?

これは譲れないよ。




「庭に温室があって、その脇にはきみのお父さんが愛した草花たちが咲き誇ってるよ。」



「それにね、きみより2歳年上の息子がいる。仲良くしてくれないか?」




「─────ユンホというんだ。」











fin.


















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point Re: タイトルなし

mamさん。

お久しぶりです(〃∇〃)
Strawberry candleからきましたか。
パパ達の淡い恋心を書いた番外編、私、好きなんです。  
自分で書いといて自分で褒めてますがσ( ̄∇ ̄;)
読み返し、ありがとうございます♪

2017/04/10 (Mon) 18:32 | えりんぎ★★ #C49ncsqo | URL | 編集 | 返信

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2017/04/09 (Sun) 17:04 | # | | 編集 | 返信

point Re:

おはようございます!
随分まえのお話のタイトルを覚えてくださっていてありがとうございます、嬉しいです(#^.^#)
strawberry candleは今のところ、前とほぼ同じ流れのなか、あまりの文章の下手っぴさに書き直してる感じです(^_^;)
もう少ししたら新たな展開にして私が書きたかったstrawberry candleを完成させたいです。
よろしくお願いします(^w^)

2015/04/29 (Wed) 07:56 | す*様 #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

point Re:

ありがとうございます~(/_;)
プリントアウトまでしてくださってたんですか?(゜ロ゜;
ビックリと感動ですよ~
あの頃はホミンに萌え転がるまま慣れないことに夢中になってしまいましたからね^^;
相変わらず2人が好きで、なんとも言えないあの雰囲気に萌えてます(〃∇〃)
そして少し強くなったチャンミンと甘えることを知ったユノ。
2人の絆はさらに強くなってますよね?(^w^)
あの《銀行員な2人》。
私の原点ですけど、文章が稚拙すぎて読み直せない(*_*)
でもあれはあのままがいいんです。
当時はあの2人が頭ん中、ぐるぐるしてました。
また遊びにきてくださいね!

2015/04/29 (Wed) 07:36 | S***様 #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

point Re: No title

おはようございます!
はじめまして、…じゃないですね(^w^)
覚えてますよ!
よくコメントくださいましたよね(#^.^#)
また見つけてくださって嬉しいです!
あれから1年半たちましたが、変わらずホミンちゃん大好きです(〃∇〃)
でもHNが変わりましたよ^^;
許されたわけではありませんが、いつまでもトンに夢中の私に慣れたと申しましょうか。
私もいろいろと折り合いをつけることに慣れました。
これからもよろしくお願いします♪

2015/04/29 (Wed) 07:19 | ゴ****様 #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

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2015/04/29 (Wed) 03:27 | # | | 編集 | 返信

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2015/04/29 (Wed) 01:31 | # | | 編集 | 返信

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2015/04/29 (Wed) 00:00 | # | | 編集 | 返信

point Re: はじめましてとご質問

はじめまして(#^.^#)
全然失礼じゃないですよぅ!
そちらのブログさま名は私も記憶にあるようなないような?
私も2013年の夏から秋にFC2でお話書いてました。
ブログ名は《ホとミンの奇跡》です(^w^)
このstrawberry candleはそこで書いていたのですが、ブログ閉鎖することになり慌てて完結してしまったのを書き直してます。
2人の想いが通じてすぐ完結してしまったのですが、あれもこれも書きたかった!とか、今日のユノパパのお話も書きたかった!とか。
そんなお話ですが、これからもよろしくお願いします(〃∇〃)

2015/04/28 (Tue) 17:59 | ch********様 #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

point Re: はじめまして。

はじめまして!
深く読み解いていただいてありがとうございます(*^^*)
私もね、そう思います。
過去に戻れたとしてもユノパパは同じ選択をしますよ、きっと。
ミンパパも。
「そんなの糞喰らえだ。」と言えるユノだから、もしかしたら抗えない運命に抗ってみるかもしれないですね。←他人事(^_^;)
愛に飢えてるからこそ、誰よりも求めるみたいな?
そんな感じがうまく書けてるといいんですけど。
これからもよろしくお願いします!

2015/04/28 (Tue) 17:41 | ミ****様 #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

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2015/04/28 (Tue) 13:14 | # | | 編集 | 返信

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2015/04/28 (Tue) 12:47 | # | | 編集 | 返信

point Re:

はじめまして(*^^*)
コメントありがとうございます!

ユノパパにはこんな過去があったんですけど、実際にチャンミンをどうにかしようなんて思っていないと思うんですよ、…たぶん^^;
というか、まさか自分の息子までがぁ、(>_<)とは思うでしょうね。
ユノパパ、まだ40代後半の設定。
格好いいはず!
んふふ、ヨロシクです(^w^)

2015/04/28 (Tue) 09:19 | n*様 #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

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2015/04/28 (Tue) 08:53 | # | | 編集 | 返信

point Re: おはようございます!

おはようございます!
はじめまして♪
コメントありがとうございます(#^.^#)

ユノの頑なに固まった心。
その反面、ユノパパにもこんな事情がありました^^;
チャンミンとユノが出会ったのは必然で、お互い惹かれ合うのも。
素直で純粋なチャンミンがユノの気持ちを少しずつ溶かしていくのも、ユノにとってチャンミンの存在がかけがえのないものになっていくのも、あともう少しです(^w^)
まったりのんびりしていた展開もそろそろ動きだしますからね。
これからもぜひ読んでやってくださいね!

2015/04/28 (Tue) 08:23 | け**様 #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

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2015/04/28 (Tue) 07:32 | # | | 編集 | 返信

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