HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

Say Hello ―秘密―2






































チャンミンside












都心から車で2時間ちょっとの温泉郷なのに、山里に入った途端の景色の変わりように驚いた。
僕は新幹線と在来線、バスを乗り継ぎ3時間ほど。
バスを降りる頃には軽装のままマンションを飛び出た自分の浅はかさを後悔していた。




はぁ、と吐いた息が白く霞んでいく。
今年は雪が少ないと駅員が言っていたのに、辺り一面の真っ白な世界は幻想的で数時間前のアスファルトに囲まれた世界が嘘のようだった。





渓谷の麓に佇む和風旅館はすぐに分かった。
そしてユノの車も。
フロントに尋ねたら散歩にでも出てるのか不在だという。
ったく、何やってんだよ!とイラつきながらユノの車へ戻った。
会いたかった、無性に会いたかった。
その毎年届くという宿泊券がきてからのユノは少しだけおかしくて。
そわそわと落ち着かないと思ったら深く考えこんだり。
眉間にシワを寄せて物憂げな表情。
隣にいる僕からしたら鬱陶しくてたまらないのに何ひとつ教えてはくれない。





『今日は一泊してくる。携帯は通じないけど心配するな。』




朝寝坊した僕の枕元に残されたメモ。
メールではなく手書きのメモというのが、返信しても届かないことを暗示していて。
一方的なそれに苛立ちは頂点に達した。







「はぁ、……寒い、…寒すぎる。」




薄手のコートはあまり意味を成さず、スニーカーは雪に埋もれてぐっしょりと濡れていた。
ヤツはスノーブーツでも履いてるのだろうか。
じゃなきゃ散歩に行こうなんて思わないだろう。




突き刺すような冷たい風がチラチラと舞う雪に変わって。


───ここで凍死したらただの笑い話だ。


感覚の無くなった手足を放りだしたい気分になった頃、サクサク、と。
戯れるように舞う雪の欠片。
その向こうに浮かぶ長身の男は、自分の足跡を確かめるように伏し目がちに歩いてくる。



暖かそうなダウンジャケットから細く長い脚が伸びて、くるぶしまでの合皮っぽいブーツはきっと防水加工されたスノーブーツに違いない。



なかなか気づかないヤツをこんな遠巻きに見つめるのは久しぶりだった。
何気なくポケットへ手を入れたり、微かに首を振る仕草さえ、真っ白な景色にただ一人だけ音のない世界で浮かび上がる美しさだった。




───もっと、見ていたい、………そんな願いも空しくふと顔をあげる。







「っ!!!」


ビックリして口が塞がらないのか、…ちょっと間抜け面。





「来ちゃった。」




「あ、……っチャ、……」




パクパクさせた口が面白い。
一瞬立ち止まったのを、今度は一気に距離をつめられた。





「おまえっ、…なに?どうやって?……って、くそ、イェジュンか!」




両腕を掴まれて真っ直ぐに立たされる。
完全に冷えきった体に驚いたのか、両手がすぐさま僕の頬を包んだ。



「こんなに冷えきってっ、…いつからいた?どうして旅館のロビーで待たない?…車なんて、俺が来るかどうかも分かんないのに。おいっ!」




そんなにべらべら喋られても答えられない。
凍えそうで歯が噛み合わないから、さっきのひとことがやっとだったのに。
安心感からか急に襲っためまいに意識が朦朧としていく。
崩れた膝、力の入らない体を力強い腕に支えられ、ユノの首筋に顔を埋めた。



ユノの微かな汗の匂いと慣れ親しんだいつもの匂い、───やっと、会えた、と、そう思った。












********






ふわりと意識が浮上して、……お香?ラベンダー系の香りが部屋を包んでいた。


「うっ、」
頭を振って起き上がる、鈍い痛みが続いていて喉がカラカラだ。


ここはユノの部屋だろうけど、ユノはいない。
障子の向こうから聞こえる話し声に何部屋かあるのだと分かった。



「───チャンミナ。」



スッと開いた障子。
明かりを背にして表情の読めないユノ。



「起きた?…こっち来れるか?紹介したい人がいるんだ。」




無言の僕に、
「怒ってないから、……来い。」と言った声色は、やはりちょっと怒ってるようだった。








「この旅館の女将。昔からの知り合いでお世話になってる。」



そう紹介された女性は。


たおやか、───という表現が一番しっくりくるような。
年の頃はその落ち着きから結構年上のようだけど、ぬけるような白い肌とすっきりとした目鼻立ちで実際よりもかなり若く見えるのだろう。


白藍色の小紋を上品に着こなす、しとやかでそれでいて艶かしさを隠しきれないような。




「はじめまして。…まだ顔色が優れませんね、お茶を淹れましょうか?それともお水のほうがよろしい?」



ニコリと花のように微笑む。



───この人が、ユノに宿泊券を送った人で、ユノの宿泊の目的だとすぐに分かった。




口をつぐんだままの僕に。


「チャンミナ!勝手に来て勝手に倒れたおまえを親切に介抱してくれたんだぞ?ちゃんとお礼しろよ。」


ユノの言葉が心臓を鷲掴みにされたように痛い。






「……ご迷惑、……おかけ、しました、……」



そのまま女将の脇を通り部屋をでた。
ラベンダーの香が焚かれた部屋で。
女将からはカモミールの香りがした、───。




















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Comment

point えりんぎです(#^.^#)

こんばんは!
tai***さんもsa***さんも、雪の中のユノへコメントありがとうございます(^w^)
私の脳内の2人が少しでも上手くみなさんに伝わるといいなぁ、って思ってます。
美しい奇跡の2人を思い浮かべてもらえたら嬉しいです!
Say Helloを最初に読まれるのはめずらしいですね。
でも私、この2人好きなんです。
シェキラかな?
前にラジオ番組で、自分はホとテンション高く喋ってんのに、チャンミンへキスシーンの話題を振られた途端むっつりと台本をペラペラしだして聞いてませんオーラ出してたユノがモデルです(^o^;)
tai***さんのイメージ小説、知らなかったので検索してみましたよ!
私のは10年以上前の小説で。
作家さんは柴○よ○きさんです(*^^*)
おすすめですよ♪

2015/08/11 (Tue) 21:24 | えりんぎです(#^.^#) #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

point 承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

2015/08/11 (Tue) 09:28 | # | | 編集 | 返信

point Say Hello 嬉しいです!

Say Helloの2人がホントに大好きだったので、続編が読めるなんて嬉しくて嬉しくて(≧∇≦)
初めて読んだえりんぎさんのお話がSay Helloだったせいもあるかもしれませんが(それでえりんぎさんのお話のトリコになりました)、ちょっと乱暴な言葉遣いをするチャンミンが新鮮で、でも清らかなイメージが逆に際立つ感じもあって。
凛々しいユノももちろん!

今日の回では、真っ白い雪景色の中を歩いてくるユノの美しい姿があまりにもリアルに浮かび上がってきてゾクッとしちゃいました。
その姿の残像だけで、今日の暑い一日も涼やかに乗り切れそうです。

いつも一話一話大切に読ませていただいています。えりんぎさんのお話を大好きな気持ちは増す一方です!

2015/08/11 (Tue) 09:01 | satos #- | URL | 編集 | 返信

point 管理人のみ閲覧できます

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2015/08/11 (Tue) 06:57 | # | | 編集 | 返信

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