HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

紅-クレナイ-の人《天使な君》18




































―ユノside―












ハイウェイ近くの河川敷まで来たのには意味があった。



───もし、……万が一にもチャンミンが、すべてを捨てると言ったら、












念のため、マンションの真ん前まで近づくのはやめた。
涙のあとが渇いて、なお道筋を残す頬。
伏せた睫毛が濡れたまま重そうに震えていた。



───抱きしめたくて、



嘘だよ、と、冗談混じりに言ってやりたかった。
それでまた、すべてが振りだしに戻る。



ハンドルに置いた手をギュッと握った。
───それは出来ない、と、何度も言い聞かせながら。



言葉なく車を降りた背中が何か言いたげで。
思わず伸びそうになる手にさらに力をこめた。






「……本音を言うとさ、おまえの歌声を独り占めしたかっただけ。……こんな我儘な男のことは、早く忘れな?」



───それがきっかけで、それがすべて。


ポツリと漏らした本音、それは少しでもおまえの心に届いただろうか。







業界最大手と言われる芸能事務所でチャンミンの事務所のスタッフに会った。
訝しげな表情の彼に、どのようにドンジュさんに伝わったか容易に想像できた。
そしてドンジュさんが、この事務所と俺とをチャンミンへ繋げることも。



実際、まったく関係のない用事で来たのだけど。
若い頃のやんちゃ仲間が社長を務める芸能事務所で、やはりチャンミンの名前は出た。





「ユノ、…おまえ、シムチャンミンと今だに親交があるんだって?」


「………。」


「そんな顔するなって。取って食やしねぇよ。たださ、いいよな、シムチャンミン。うちの事務所ならもっと大きくしてやれるのに。」


「……あいつは絶対に移籍しない。手、出すなよ?」




───そんな会話があった。

おまえには逆らえないからな、と、肩を竦め、おどけた口調のヤツの目は笑っていなかった。






天使の歌声とキレイな心を持ったチャンミンを。
蛇が狙いを定め喰らいつく前に、───。




そう願ったけどチャンミナ、……おまえが簡単に事務所を裏切れないことは、きっと誰よりも俺が知ってる。



だから、少し、……もう少し、
遠くから見守ろう、……時期がくるまで、あと少し。












儚げな後ろ姿がマンションにすいこまれる。
離れた瞬間に、もう抱きしめたい。


「な、歌って?」と、何度も乞うて優しい歌声のなか眠りにつきたい。





会うことも叶わず、
触れることも叶わず、
聴くことも叶わず、


狂いそうなほど、……辛いのはきっと俺だ。






チャンミンの姿が消えるのを確認して、スマホの電源を入れる。
勢いよく並ぶ不在着信、それはドンジュさんの。
そのまま再度電源を落とした。



徒歩でいくらかの隣り合うマンションへ帰る気にはなれなくて。
再びエンジンをかけ、もと来た道を走った。





ハイウェイに乗る、───マンションの窓から眺めるビル越しの紅黄色もいいけど、高台から望む壮大な尾根の切れ間、煌めく水面が美しい湖に広がるそれを、




観たかった、───チャンミンと一緒に。




結局ひとりで観た風景はなぜか色褪せていて、───ふいに一筋、涙が頬を伝った。

















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Comment

point Re: ユノが泣いた

ゆうこさん。

ですね。
U GET MEが萌え重視だったので余計にそう思われますよね。
こちらはストーリーと描写の美しさ(表現できてるかは微妙ですが)重視になってます。
チャンミンの儚さと潔さ、ユノへの愛。
ユノの男らしさ、そしてチャンミンへの執着。
私の話は辛い場面はそう続きませんので、大丈夫ですよ~

2016/11/29 (Tue) 23:10 | えりんぎ★★ #C49ncsqo | URL | 編集 | 返信

point ユノが泣いた

ユノが泣いたのって
えりんぎさんのお話では初めてじゃないですかね。

ユノが泣いたとき、
私も泣きました。

なんでこのお話の2人は
苦しい思いばかりしてるの?
楽しかった時の方が少なくて、
可哀想すぎる。

2016/11/29 (Tue) 21:57 | ゆうこ #EACDacMQ | URL | 編集 | 返信

point Re: こんばんは☆

羽衣様。

おはようございます!
ユノ目線で切ないのって私もなんだかとっても切ないです(/_;)
あー、早く、幸せにしたいっ!


羽衣さんの遊園地妄想は私の頭の中で動き回ってますよ~
そうそう、兄弟のような。
最大のライバル!
羽衣さんとmomokoさんのおかげでユンホくんのキャラがしっかり出来てきましたね(^w^)
妄想って、こういうのも楽しいっ(〃∇〃)

2015/09/23 (Wed) 08:36 | えりんぎ★★ #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

point こんばんは☆

えりんぎさん~こんばんは☆

『おまえの歌声を独り占めしたかっただけ。』ユノの本音にして一番守りたかったもの。。。
事務所を裏切れないチャンミン、ユノの気持ちに応えられないチャンミンにこの告白は切なすぎますね(T_T)

天使の歌声を手離すユノはどんなに辛く苦しいのでしょう、毎晩チャンミンの歌声を狂おしいほど求め正気でなんていられるでしょうか(ノД`)・゜

切ない切ないですよぉ~えりんぎさん(>_<)



momoko様

《俺の天使》後編すごく読み応えありました(=゚ω゚)ノ
『ユノは、チャンミナを独り占めしようとするから、……嫌いだ』その言葉がユンホ君の今の気持ちの全てなんだなぁと、弱弱しい姿の天使をただ見つめることしかできないユンホ君、涙を流すチャンミナを幼い自分はどうすることもできなくて…ジレンマですね、どんなに頑張っても今の自分はユノにはかなわないんですもん。。。(´・ω・)

それでもユンホ君にとっても《特別》な存在のチャンミナ、成長とともにこれから色々な感情がまき起こっていきそうな予感です♡


そして遊園地妄想にコメントいただきありがとうございます(*'ω'*)、兄弟のような二人の掛け合いは妄想していても楽しいです!。momokoさんのリベンジ話も是非是非お願いします、どんなかな~楽しみにしています( *´艸`)


えりんぎさんのユンホ君話もだいぶ膨らんできてますね、チャンミンと柘榴一つ分まで成長したユンホ君、うゎ~ずいぶん成長しましたね←オンマ目線w、こちらも番外編期待しちゃいますね(*^^)

では、明日も《紅》ですね!

それでは、オヤスミンです☆

2015/09/23 (Wed) 00:53 | 羽衣 #- | URL | 編集 | 返信

point Re: こんばんは。

カプ**様。
こんばんは。
ここらへんは書いてる私も切なかったです(/_;)
浮上するのをもうしばらくお待ちを!

2015/09/22 (Tue) 23:47 | えりんぎです(#^.^#) #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

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2015/09/22 (Tue) 17:11 | # | | 編集 | 返信

point Re: 《紅-クレナイ-の人≪俺の天使≫後編》

momoko様。


おなかの底から湧き上がってくる、熱い塊、───ユンホくん、大人の階段昇るwww


あ、すみません(^o^;
いきなりソコに反応しちゃって。


もうね、この前後編でユンホくん株上昇しちゃって、ヘンテコな妄想しちゃいますよ。
もちろん、ユノさん放置で。
16歳、高校生になったユンホくん。
天使チャンミナは26歳。
でも天使だから透明感はそのままで。
16歳ともなれば身長もぐんぐん伸びてきて、もうチャンミンにぶら下がる、なんてことないよね。
とにかく大きくなりたくて、牛乳がぶ飲みのユンホくん。
チャンミナまではあと柘榴1個分。
涙が上から降ってくることもなく、目尻に溜まったそれを、そっと指の腹で拭ってあげることだって。

───大丈夫、…落ち着いて、……ゆっくりでいいから、……


呟くだけじゃない、もう背中に回した腕はギュッとひと巻き、包んであげられる。


もう、───ユノさん、なんて言わせない。





ああ、失礼しました(>o<")
ついつい、…なんてったってビジュアルがユノとソックリですからねぇ



momokoさんは柘榴にこだわるなぁ、と思っていましたが、こんなところでソレが活きるとは!
前に、ユノさんが言ってくれた、もし俺が、って話。
思わず思いだしちゃいますよねぇ(T-T)
切ない。


でも、それでも、出会わなければよかった、なんて、思わない2人なんです。



以前swanさんにPCで記事を見ながらスマホでコメントうってます!って聞いて、
おおっ~(;゜0゜)と。←それ、普通ですか?
公開コメに関してはそれができるんですねぇ。
嬉しい!


明日もユンホくん、かしら?←番外編とか(^w^)
では!

2015/09/22 (Tue) 16:26 | えりんぎです(#^.^#) #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

point Re:

Don**様。
教えていただいてありがとうございます!
昨日はコメントも多く、紛れてしまったようで未読になってました!
ごめんなさい(T-T)
昨日のコメント欄にも返信してます。
ご確認くださいね。

昨日今日と頂いたユノさんの台詞。
切ないですよね。
でもこの台詞がキーポイントというか、ユノの目的はコレに尽きます!
それほど深くチャンミンを愛してます(^w^)
これからも見守ってくださいね!

2015/09/22 (Tue) 15:51 | えりんぎです(#^.^#) #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

point Re:

taitai様。
taitaiさんにはいつも驚かされます~(;゜0゜)
もしかしてリアルにご近所さんだったら私なんかが声も掛けれないほど凄いお方なのでは?と想像してました。
私の問いかけに、丁寧なお返事ありがとうございます!
すっごく考えさせられました。
実はもうラストというかチャンミンの選ぶ道は決まってて、どうなっていくかも決まってます。
それがtaitaiさんの言われるところの大団円に繋がるといいのですが。
《Strawberry candle》の時は、いただくコメントもほとんどなく、読者様も少ないなかで書いた話なので。
迷うことなく、ボストンなんか行っちゃって、仕事で忠誠と成果を誓う代わりに、同姓婚なんて言い出しちゃったユノ坊っちゃん。
書いたもの勝ち的なラストで、アレはアレでいいんですけどね。
今回はきもーち、迷いますねぇ。
どんなラストになっても暖かく見守ってください。
神様には調子よく都合を合わせますので(^o^;

2015/09/22 (Tue) 15:34 | えりんぎです(#^.^#) #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

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2015/09/22 (Tue) 10:54 | # | | 編集 | 返信

point 《紅-クレナイ-の人≪俺の天使≫後編》















―ユンホside ―















「……チャンミナ、……チャンミナっ!」




苦しそうに涙を流す俺の天使を、揺すぶり起こす。
至る所に貼られた絆創膏。
蒼い顔色。腕に繋がれた点滴の管。


でも、何より心配だったのは、止まらない涙。






「ユン、ホくん、……どうして、…ここに?」
「チャンミナ!良かった、…泣かないで。」



ここに、繋ぎ止めるかのように、ぎゅっとその身体を抱きしめた。
俺よりずっとずっと大人のはずの天使は。
まるで迷子になった子供みたいで。
なんだかとても儚げに見えて。

どうしても、その場から離れることができなかった、──────。















「チャンミナが無事で良かった。」




こてんとベットに頭を預けて、天使の貌を覗き込む。こうすると、目線が同じ高さになってチャンミナの大きな眸に俺が映りこむのが、はっきりと見える。

綺麗な綺麗な眸。








「僕は大丈夫、…だからユンホくんは無茶しないで。」
「無茶じゃない!俺、…俺は、チャンミナがいなくなったら生きていけない!」




強がるチャンミナの言葉に。
思わず弾けるように反応して、ずっと想っていた言葉を口にしてしまった。




嘘じゃない。
どこにも居場所がなくって。
誰にも必要とされてなくって。
親にすら「生まれてこなけりゃ、よかった。」って言われて。




真っ暗な中。
光を灯してくれたのは、チャンミナだった。

天使を見つけ出すまでの2年間。
生きることを諦めずにいたのは。


あの、歌声があったからだ。
あの、天使の姿が、あったからだ。





そっと俺の髪を撫でるチャンミナ。
じっと眸を合わせて、懸命に伝える。





教会で再会してからの時間。

待ち遠しくて。
待ち遠しくて。


チャンミナに逢えると思っただけで、自分がなんでもできる気になるんだ。

俺の、パワーの源、なんだよ?










「 ────駄目だよ、……ユンホくん。」
「……僕はね、…ユノさんがいなくちゃ生きていけないんだ。」




真剣な眼差しに。
その、真摯な口調に。
チャンミナの本気が、伝わってくる。




ドン、と。
心臓に杭が打ちこまれたみたいな、衝撃。








ソンナノ、ワカッテタ。







「ユノさん」と。その名を呼ぶ度に。
チャンミナの全部の細胞が。
あいつに持っていかれる雰囲気。


「ちぇっ!」わざとふざけたように言ってみる。
簡単に認めちゃうのは、悔しすぎるから。


ユノなんて、全部もってるくせに。
力も。大きな体も。恵まれた生活も。やりたい仕事も。自由、も。
俺が持ってないもの、全部 ────── 。



かないっこない、
そんなの、わかってるけど。


つらつらと暴言を並べながら。
最後に、本音をポロリと言ってしまった。




「 ───ユノは、チャンミナを独り占めしようとするから、……嫌いだ。」












知ってる。
ユノにとって、チャンミナが《特別》で。
チャンミナにとって、ユノが《特別》な、こと。



でも。
俺にとっても。
チャンミナは、《俺の天使》なんだ。













  *  *  *  *  *










「───どうしたの?チャンミナ。」






仕事終わりにドンジュさんと立ち寄ってくれた俺の天使は、なんだか元気がなくて。
いつもならキラキラと中から湧き出る光みたいなものが、灯ってない気がした。

逢えなかった数日のうちに頬の線が細くなった気がして、そっと触れてみる。その頬は、真っ白でつるりとした肌はマシュマロみたいに柔らかだった。自分とは違う肌の感触が不思議で、親指を左右に何度も何度も移動させる。


そのうち、気持ちよさそうに眸を伏せたチャンミナの長い睫毛を見ていたら、なんだかドキドキしてきた。







「……っ、チャンミナ!こっちに来て!」
おなかの底から湧き上がってくる、熱い塊を蹴散らしたくて、わざと大きな声を出してチャンミナを外に連れ出した。






「ほら、ここで待ってて?」
そう声をかけて、木の枝をかき分けするすると上まで登っていく。


熟れて弾けた実からは、甘酸っぱい匂い。
太陽をその中に閉じ込めたような、紅いあかい実。
前に好きだって言っていた、柘榴。


ほろほろと零れそうな実を丁寧にもいで、眼下にみえるチャンミナに声をかける。






「いくよ!チャンミナ。落とさないで!」
そう言って姿を確かめた先には、目にうっすらと涙の膜。

慌てて木から降りて、貌を覗き込む。
ぽたん──────。と、上から落ちてくる大粒の雫。
とめどなく流れるその涙を拭ってあげたくて伸ばした手を、きゅっと絡めとられた。







「……ユノ、さん……。」






チャンミナの口から出たのは、奴の名前で。
絡めとられた俺の手にあてられた頬が、あまりに熱くて。
しゃくり上げて泣くチャンミナに。
ぶら下がるようにしか抱きしめられない自分に、苛立ちすら感じていた。





───大丈夫、…落ち着いて、ね、……ゆっくりでいいから、……






そう呟くしかない、幼い俺と。
子供のような俺の天使の周りを。
優しい金木犀の薫りがそっと包んでいた。





















おはようございます。
momokoです。





>会うことも叶わず、
>触れることも叶わず、
>聴くことも叶わず、

>狂いそうなほど、……辛いのはきっと俺だ。



──────切ない、ですね。
チャンミンが、今の生活を続けることを選択することはわかっていたとはいえ。
万が一の確率でも。
すべてを捨てるかも……と、思ってハイウェイ近くまで連れてきていたユノ。




チャンミンを知る事がなければ、こんなに苦しく辛い思いをすることもなかったはずなのに。
でも、知ったからこそ。
自分の中に。
こんなにも狂おしいほど愛おしく思う感情があることに気づいた──────。





はっ!
まるで、ユノとチャンミンのことを知ったファンのようですね~。

彼らの事を。
まるで家族のように心配したり、喜んだり。
こんなに日常の中で彼らが時間を占領するなんて、2年前には想像すらしていませんでした。



えりんぎさんの小説にも、同じことが言えますねぇ~。
昨日のコメント欄の長さ!驚きでしたね。
みんなが、《紅-クレナイ-》のユノとチャンミンの心配をしてるの。すっかり彼らは、私たちの中に息づいてるんだなぁ……と、思ったりしたのでした。







  *  *  *  *  *




たこさん様
公開コメントありがとうございました♪
ユンホ君、絶対にいい男に育つと思いません?
だって10歳で大切な存在を見つけてるんですよ~♡
痛みを知ってるからこそ、大切なものを守る尊さもわかってるんですよね。きっと。





羽衣様
昨日、一昨日のユンホ君とチャンミンの「遊園地妄想」!めっちゃ、かわいい~。
そうそう。もともと《紅-クレナイ-》のリクエストは、ユンホ君とユノさんとの面白可笑しい兄弟喧嘩みたいな会話から生まれたんですよ~。だから、こんな楽しいやり取り読んじゃうと、わくわくします(*´˘`*)♡
ホントに、羽衣さん、書けちゃいますよ。小話。

隠れユンホ君ファンの羽衣さんのために!と、活き込んだのはいいのですが、結局ユノさんのほうに軍配があがってしまうようなお話になっちゃいました(^_^;)←あれ?

また……、リベンジしてもいいでしょうか?
ユンホ君とチャンミンとのお話。






では、また。
良い《紅-クレナイ-》の祝日を!




2015/09/22 (Tue) 09:37 | momoko #PJAgrufQ | URL | 編集 | 返信

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2015/09/22 (Tue) 06:32 | # | | 編集 | 返信

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