HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

紅-クレナイ-の人《天使な君》20




































―ドンジュside―












どうしてもっと、…しっかりガードしてやれなかったのか、




───後悔しても、もう遅い。








列車事故のニュースは聞いていた。
死傷者が出るほどの事故で撮影が遅れているとも。
混乱した現場で連絡は取りにくいが撮影隊に被害はないと知っていたのに。
それすらチャンミンの耳に入れるのは良くないと判断した。
それが、こんな中途半端な形で聞いてしまうとは。







CM起用が決まった企業が筆頭スポンサーの音楽祭。
ここで更なるアピールが必要なのはチャンミン本人が一番理解していたと思う。
神経質なほど集中しようとしていたから。








最近チャンミンに何があったかなんて、───言われなくても分かる。



一目見て気づく泣き腫らした眸。
一睡もしていないであろう目の下のクマ。
何を言っても、うわの空で。
届かない言葉、心のない歌声。






────正直、……まいった、


これほどとは、と、甘く見ていた自分を後悔した。



チャンミナ、……おまえは、ユノがいないというだけで、そんなに空っぽになってしまうのか?







おまえは俺を恨むだろうか。
───別れてくれと、ユノに懇願した俺を。



おまえの憧れだけならまだよかった。
ユノの本気を垣間見て怖くなった。
コイツはいずれチャンミンを攫っていく。
そう思ったらいてもたってもいられなかった。


事務所に届く嫌がらせの写真。
ゴシップ誌に売る気はないようだ。
そこまで決定的なものではない。
ただ俺には充分伝わった。


緊張からかいつも張りつめた肩のラインがなだらかに力を抜いて、それを軽く触れただけなのにすべての侵入者を許さないかのように包みこむ腕。
画質の良くないそれでも分かる、浮き足立つようなチャンミンの高揚と穏やかなユノの笑み。




────この2人は愛し合っている。


そう理解せずにはいられなかった。





まだチャンミンは若い。
端々に隠しきれない気持ちが態度にでるから。
この関係は危険だと、
埋もれさせるには勿体ないチャンミンの実力を誰よりも知っている俺だからこその結論だったのに。
















騒然としたホール。
小さなざわめきは、やがてチャンミンのすべてをのみこんだ。





生放送の歌の祭典で。
突如声の出なくなった歌手を、温かい目で見守るほど芸能界は生易しい世界ではなかった。








結局チャンミンは歌えず、絞りだそうとした声はひきつるばかりで。
焦った司会進行のタレントが舞台袖へチャンミンを誘導するまでいくらか空白の時間。
生放送でのそれは致命的だった。


















「─────ユノか。」



関係者への謝罪に翻弄され、くたくたになって帰ってきた夜半過ぎ。
とにかくシャワーを浴びようとスマホを置いた瞬間にかかってきた電話は、今一番聞きたくない声でもあった。




「こんな夜中に、…って、ああ、時差があるか。そっちは今何時だ?」




「……ちょうど正午。」


ポツリと言った言葉が重く響く。
───ああ、今夜のことはもう耳に入ったんだな、と分かった。





「チャンミンの様子は?」



低く掠れるような声。
なぜチャンミンひとり守れないんだと、責めているような。



「……かなり沈んでる、しょうがない、……生放送では誤魔化しようがなかったんだ。」



おまえに責められる筋合いはないと。
至るところで責任を追及され、ぶつけようのない憤りに苛立ちは最高潮だった。



「ユノ、おまえも下手に手を出してくれたな。チャンミンはぼろぼろだ。恐らくCMの話も流れるだろう。……半年前、男だから問題ないと、おまえにオファーしたのがそもそもの間違いだったよ。」




暫くの無言。
言い過ぎたかと思ったが、訂正する気もなかった。




「───それでも、……感謝してる。」



ゆっくりと聞こえてきたユノの言葉。



「チャンミンに出逢えたことは、俺の人生で唯一の光だ。……だから、感謝してる。」






……そんなこと言われて、何を返せと言うのか。
言葉なくスマホを握る俺たちの間に言い様のない静寂が流れた。
それを破ったのはユノ。




「今度の歌謡祭のスペシャルゲストが世界の歌姫に決まったって知ってる?」


突然の話題に一瞬たじろぐ。
一年を通して最大の歌謡祭のそれには勿論チャンミンも出演予定だった。
それも今となってはかなり危うくなってしまったが。




「あ、ああ、…出演交渉が難航してるとは聞いていたけど、……決まったんだ。」


「まあね、歌姫が俺をSPに指名してきたらしいから、チャンミンの出演を交換条件に引き受けるとテレビ局には打診した。」


「え?」





「───一度くらいの失敗で腐るな、と伝えてくれ。世界の歌姫が初出演するんだ、視聴率を考えても最高の挽回のチャンスだと。」


「───ああ、でも……俺からなんて言わない方がいいか。やっぱり内緒にしてくれていいよ。」



最後の言葉が力なく響いて胸が痛んだ。
先程までの憤りはなりをひそめ、
「……悪かった、……言いすぎた。」と、つい言ってしまう程。









───そんな会話があってから一週間後。



生放送で歌えなかったという不祥事と体調不良を理由にちょうど一週間謹慎することになり、予想はしていたがCM起用の話もながれた。


歌謡祭についてのユノの話は本当だった。
「あんなことがあったばかりで、今回も生放送だし、シムチャンミンは見送ろうという話にほぼ決定していたんだ。それが急に出演決定だろ?どうも上の方で何かしらの交渉があったみたいだけど、…結局どうなの?」
知り合いの番組スタッフに聞かれ、苦笑いしか返せない俺。




謹慎後、歌謡祭で復帰。
ユノが言うところの、──最高の挽回のチャンス。
それも、最初で最後の、が付くチャンスだ。







「チャンミナ?……大丈夫か?」


「は、はい、大丈夫、です。」





────大丈夫に見えないんだよ?チャンミナ。


血色のない顔色、深く沈んだ眸。
奮い立たせようと努力してるのは分かる。
その先から脆く崩れていく様も。




歌姫のSP兼通訳までやると言っていたユノ。
盛り場の外人に習ったスラングだらけの英語でもいいらしい、と笑っていたユノがこの会場のどこかにいるはず。



チャンミンをユノに会わせるべきか、──絶対に避けるべきか。
吉と出るか凶と出るか、まるで予想もつかない駆け引きに、俺は頭を悩ませていた。



















にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村

関連記事
スポンサーサイト

Comment

point Re: God bless you. Ⅱ

momoko様。




おはようございます!


『さらっと読んじゃうと何を言ってるのかまったく分からないんだけど。』と言われました(--;)
これ、先日のユノsideに対してですけどね。
しかも、そんなこと言ってくるのはmomokoさんもよくご存じのヤツですけどねf(^^;)


そして、この《God bless you Ⅱ》。


私はどうも不親切のようです。


──神様、どうか僕からあの人を奪わないで。

ユノさんが僕に送ってくれていた息吹を、
僕は改めて気づかされた。
もう、ひとりでは、歌えない。



私の頭にはあるのに、書き飛ばしちゃってること。
momokoさんは丁寧に埋めてくれる、って感じました。
これこそ、Duet ですね。


ユノは遠くから、そして必要とあれば歩み寄ってチャンミンを助けます。
それが、ユノの望み。
そしてチャンミンは気づくんです。
自分にとって、《息吹》の意味を。



ありがとうございました。

2015/09/27 (Sun) 06:45 | えりんぎ★★ #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

point God bless you. Ⅱ









「すべてを捨てて、俺についてこれるか?」





モウイチド タズネテ ホシカッタ……。






貴方に出会う前。
歌うこと自体が、楽しかった。
歌うこと自体で、救われた。

そこに、たったひとりでも。
聴いてくれる人がいれば、幸せになった。






そんな、単純なことだったのに。
僕は、全てを捨てて僕だけを選んでくれようとしたユノさんを、選べなかったんだ。







そう思うと。
自分が酷く薄情で。
自分が酷く強欲で。
自分が酷く我儘な人間のような気がする。


















「もしかしてユノから連絡とか、……あった?」
そう始まった、会話。


ピンクのシフォンワンピースからすらりと伸びた足が小走りで遠ざかる。





────気にしないで、……なんて、できっこない。














「な、……歌って?」
貴方の甘い声に誘われるように、毎日毎日、吹き込んできた《息》。



貴方の無事を。
貴方の幸せを。
祈りながら歌って来た──────。



……神様。
お願いですから、ユノさんから《息》と《息吹》を取り去らないで。













『チャンミン、どうした?』

遠くでドンジュさんの心配そうな顔が見える。
声に出さない唇の動きが、──歌うんだ!と言っているのも。














──────そして。
僕は、気付くんだ……。





ユノさんが、僕に。
どれだけ大きな《息》を送ってくれていたのか。


「な、……歌って?」

その一言で。
どれだけ僕の奥が潤っていたのか……。








──────もしも神がその《息》と《息吹》を取り去れば、人間は造られる前の塵に返るんだよ。













神様──────。
僕からあの人を、奪わないでください。




───今なら、ちゃんと伝えられる。
ユンホくんが、僕にくれたみたいな、素直な言葉。







「僕は、───ユノさんだけの、天使でいたい。」


……ネェ、モウイチド タズネテ。























こんばんは。
momokoです。




とりあえず。
ユノさんが無事でよかったです。
ユノさんに、なにかあったら、カナリアチャンミンは塵に戻っちゃうからね。(*p´д`q)゚。


そして。
前回、10話のコメント欄に《God bless you.》を書かせて貰った時に。
えりんぎさん、こう返信くださったんです。



 >チャンミンの天使の歌声が『息吹』となりユノを癒す。
 >ユノはその存在自体がチャンミンの癒しとなっています。
 >そして、チャンミンの知らないところでチャンミンを
 >守ろうとしてますよ、ユノは。




このコメント返信をいただいた時から。
いつかのタイミングで、《God bless you.Ⅱ》を書きたいな~と、思っていました。







常にね。
このユノは、自分がどう動けばいいのか。
が、みえてるんですね。
今回の交換条件の提示も、見事!でした。(*゜∀゜)=3





明日は。
チャンミンにも。
ユノにも。


《息》が、吹きこまれるかしら?
また、明日の5時。
楽しみにしています。






momoko




羽衣様
前回のコメント欄に、めっちゃうれしい感想をありがとうございました♡

娘さんにからかわれるくらい、喜んでいただけたのなら、遊園地妄想、書いてよかったなぁ~♡

2015/09/27 (Sun) 00:21 | momoko #PJAgrufQ | URL | 編集 | 返信

point Re: こんばんは♪♪

カプ**様。


こんばんは!
ユノは大人ですねぇ。
『格好いいユノが書きたい!』というのが、当初話を書き始めた私の目的なのですが、久々にそんな気持ちで書いてます(^o^ゞ

2015/09/26 (Sat) 22:21 | えりんぎ★★ #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

point Re: タイトルなし

Don**様。


こんばんは!
ドンジュさんも憎まれ役で大変です~(^o^;
ユノの引き立て役というかね。
明日から浮上していきますよ(^w^)


いつも、お好きな文章を抜き出してくださって嬉しいです。
みなさん、少しずつ印象に残る箇所が違うんだなぁ、と思いながら読ませていただくのは楽しいです。
ありがとうございます(^o^ゞ

2015/09/26 (Sat) 22:17 | えりんぎ★★ #cbCM5e9. | URL | 編集 | 返信

point Re: タイトルなし

ちゃい**様。

こんばんは!
会わせる会わせない、より前に、勝手に動く人ですよ、ユノは(^o^;
ドンジュさんも苦労します~f(^^;)

2015/09/26 (Sat) 22:09 | えりんぎ★★ #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

point Re: 会わせてあげて~

yunoyu**様。

コメントありがとうございます!
U GET MEは気楽に書いてるので、気楽に読んでいただけるといいかもデス。
ただイチャコラした甘い2人を書きたいだけという話になります(〃∇〃)
紅はもう少し考えて書いてますf(^^;)
妹に言わせると、さらっと読んだだけでは全く意味が分からないんだけど?(クレーム?)とのことでした。
言い回しがクドイ?らしいです。
すみませんf(^^;)
自分の中だけで色々な事柄が繋がったり、絡んだりしてるんですよ。
何度か読んでいただけてるなんて嬉しいです。
ありがとうございます(^o^ゞ

2015/09/26 (Sat) 22:07 | えりんぎ★★ #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

point Re: 大好きです

さー**様。

はじめまして。
ありがとうございます、とても嬉しいです(〃∇〃)
結局は同じ妄想を、いろいろな設定で書いてるだけの話ですが(^o^;
気持ちよく読んでいただけたらいいなぁ、と思っています。
これからもヨロシクです(#^.^#)

2015/09/26 (Sat) 21:54 | えりんぎ★★ #cbCM5e9. | URL | 編集 | 返信

point Re: タイトルなし

taitai様。

こんばんは!
暗い紅もそろそろ光が射してきますよ(^w^)
紅ユノはどうも私が書くユノの中で一番人気のようなので、私も必死です~f(^^;)
U GET MEのユノは気楽にちゃちゃっと書けるんですけどね(^o^;

2015/09/26 (Sat) 21:49 | えりんぎ★★ #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

point 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2015/09/26 (Sat) 21:35 | # | | 編集 | 返信

point Re: ユノヤㅠㅠㅠ

マゼ****様。

こんばんは!
ここ、私もジーン(/_;)としました。←自分で書いといてなんですが。

2015/09/26 (Sat) 21:26 | えりんぎ★★ #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

point 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2015/09/26 (Sat) 15:19 | # | | 編集 | 返信

point 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2015/09/26 (Sat) 09:58 | # | | 編集 | 返信

point 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2015/09/26 (Sat) 07:59 | # | | 編集 | 返信

point 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2015/09/26 (Sat) 06:36 | # | | 編集 | 返信

point

おはようございます (^.^)

こういう酸いも甘いも噛み分けたユノ、いいですね(^_^)
交換条件にチャミの出演を出して、愛するチャミを守り支えるなんて!
カッコイイーっ(≧∇≦)!!!
キャーッ☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

マネさん、チャミをユノに会わせてあげて下さいm(__)m




2015/09/26 (Sat) 05:43 | taitai #- | URL | 編集 | 返信

point 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2015/09/26 (Sat) 05:18 | # | | 編集 | 返信

Post Comment

(設定しておくと後でPC版から編集できます)
非公開コメント