HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

U GET ME ~君のいない夜~(10)
































チャンミンが異動になって初めての金曜日。
こんなにモヤモヤした1週間はない。
朝からマッハのごとく仕事を片付けて、チャンミンへメールした。



『はやめに帰れるから今日は家でゆっくりしよう。』



部署での歓迎会は週なかに終わっていたし、個人的な予定なんて聞く気もなかった。
俺を最優先するのが当然と頭のどこかで思っていたし、実際そうしてきたチャンミン。
仕事や勉強以外の予定に俺との時間を譲る気なんてさらさらなくて。



『たまには夕飯作りますね。ヒョンはいつものアイスクリーム買ってきて。』



そんな返事も特に感慨なく受け取って、気持ちは頼まれたアイスクリームのことでいっぱいだった。







帰り道にあるアイスクリーム専門店でストロベリーアイスを2つ買う。
カップもあるけど、この店はコーンが美味しいからコーンで。
たった2つなのに丁寧にドライアイスを付け、テイクアウト用に袋に入れてくれた。



「ありがとう。」
ニッコリ笑ったら、嬉しそうに頬を染めたバイトの子。
結構な頻度で買うから、たぶん俺のことを覚えてるのかもしれない。


「あ、あの、…いつもストロベリーなんですね。
お好きなんですか?」
ああ、やっぱり覚えてる。
しかも注文する種類まで。
仕事熱心だなぁ、と感心しながらアイスを受け取って。


「うん、俺も、一緒に食べるやつも、ここのストロベリーが大好物なんだよね。」
そう言えば、さらに赤くなる女の子。
可愛いなぁ、と思いつつ、店を出て自転車に乗る。
別にチャンミンのことは聞かれてないのに、つい存在を仄めかしてしまう。
ただ俺が言いたいだけ。
できればスマホのチャンミン画像を見せてもいいくらい。


───コイツとね、いつもいつも一緒に食べてんだよ、って。



バイトの子は、別にそんなこと聞きたくねぇだろうけど。







自転車で帰り道を走りながら、またモヤモヤが脳内を占めてくる。



───っとに、…なんだよ、アイツ、…カラス!


そう、カラスとは、チャンミンの同級生でいて同僚という鬱陶しい存在、──チェ・ハク!




勝手にカラスって呼んでる。
「ヒョン、その呼び方はやめてくださいよ、」
困ったように訴えてくるチャンミンは知らんぷり。






「…で?カラスがなんだって?」



俺リクエストのチゲ鍋をつつきながら、チャンミンにチラっと視線をおくる。
食いしん坊のチャンミンがめずらしく箸を置いちゃって、口元を面白くなさそうに結んでる。



あーあ、その顔で大体何の話か分かるんだよな。



伸ばした箸を好物の豆腐へ。
肉と豆腐を交互に食べるのが俺流で、「野菜も食べて!」と叱られるのも心地いいから最近は意図的に。
少し持ち上げたところで、パカッと割れた豆腐。
鍋にぷかり浮いたのを再挑戦するも、細かく姿を変えただけ。
──ったく、なんだよ?と意地になって上下する箸もろとも、スッとレードルで掬われた。



「お、ありが…、」
「ユノヒョンは、……ちょっと考えなし、です。」


「あー、…それって、……豆腐?それともカラス?」




ほらな?
カラスの話なんて、良いことない。



「───両方、」と呟いたチャンミンの元気ないのが淋しくて、元は俺が原因の話なのに、余計なことを吹きこむカラスに、チッと舌打ちした。





「今日も何人かにユノヒョンのこと、聞かれて。
そのうちの2人はヒョンと付き合ってたって言ってました。」


細かく砕けた豆腐を丁寧に掬って俺の皿に取ってくれる仕草は優しいのに、口調だけはメチャメチャ冷たい。


「や、っ違う。付き合ってはない、絶対ない!」




だって顔と名前が一致しねぇし。
今さらだけど、余程好みじゃない限り食事くらいは適当に付き合っていた自分を恨むよ。


チャンミンと職場が近くなったのを喜んだのは一瞬で、結局知られたくない過去を暴かれ散々な目にあっていた。




───それも、あのカラスの野郎によって。















キョヒョンとも友達だと言ったカラス。
考えてみれば、下心みえみえのキュヒョンの方が断然ましだった気がする。







「俺とも仲良くしてくださいね、──チョンユンホさん。」



そう言って不敵に笑ったヤツは。
わざわざ毎朝のように待ち合わせする俺達の意味を勘ぐろうとせず。
さりげなく牽制したり、チャンミン好き好きオーラを隠そうとしない俺に気づきもせず。
チャンミンが俺の前だけで発する薫り立つようなはにかみ顔さえ、見ようとしない。








「で、またカラスに女の子紹介してやるって言われた?」


「…まぁ、……ユノヒョンに影響されて、恋愛にルーズなのは良くない、って説教されました。」


「ちっ、…アイツ、俺のなにを知ってんだよ?」








遡れば3年ほど前。
学生気分も抜け、社会人生活に慣れてきた頃だと思う。
やる気もやれる自信もたっぷりあったけど、巨大な組織のなかでは空回りするだけで。
まだ要領も悪く無知な俺は入社して初めての壁にぶち当たっていた。


「いつもランチ行くお店で、近くの会社の子にユノさんを紹介してって頼まれたの。」


そんなふうに言われて、──ただの気分転換。
グループで仲良くなった女の子達が代わる代わる告白してきて、お互い飽きるまで付き合ったような気がする。
というか、あまり覚えてない。
3日でフラれることもあったし、長くても3か月が限度だったから。





そのグループの一部の子達がチャンミンの異動先の会社の子達とは、俺も最近知ったばかりで。
噂だけ聞いてたカラスは、会ったこともない俺のことを最初から嫌っていたらしい。
……というのは、キュヒョンに聞いた話。



おまえも先輩立てて、もっと俺を褒めろよ?と言いたいところだが、チャンミンが絡んでくると途端に俺をこき下ろす。
───なんつーヤツだ。









友達関係から最近やっと彼氏に昇格したらしい浮かれたカラスは、結局のところ。



「自分が社内恋愛してるからってさ、お前にもそれ勧めて一緒に楽しもうぜ、って事なんだろ?」



困ったように眉を下げて曖昧に笑うチャンミン。
どうだ、大当たりだろ?



「ハクは、学生時代から不器用な僕のことが心配みたいで、何かとおせっかいというか世話を焼いてくれるんです。」
「いらねぇよ、って断れよ!……って、出来るわけないか、チャンミンが。」



思わず声を荒げてしまい、ハッとなる。
一瞬目をつぶって肩を竦めるチャンミンに胸が痛んだ。








───大っぴらに、恋人がいると言えたら、……




「チャンミナ、……ごめん、」




べつに必死に隠してるわけじゃないけど、誰にでも言いふらしてるわけでもない。
特にチャンミンは知られたくなさそうで、俺もそんなチャンミンに合わせていた。



「……ユノヒョン。」



男にしては可愛すぎるデッカイ眸が俺を見つめる。
それは微かに揺れてるようで、───。



「抱きしめて、……いいか?」




コクン、と小さく頷くのを確認してから、ふわり腕を回した。
確認してからなんて、最近の俺にはめずらしいことで。


いつだったか、───不用品をごみ袋に詰めこむチャンミンに間違って腕を取られたのを思いだした。






「チャンミナ、……好きなんだ。
こんな気持ち、初めてで、……何があっても、離したくない。」





整った端正な顔は、時に格好よく、時に美しく。
丁寧で優しい言い回し。
時々吐く暴言も、そんな照れ顔ではこちらにダメージなんてなく。
ただ愛おしくて。





こんなヤツに彼女がいないなんて勿体ないと、そう思うカラスの気持ちが分からなくもない。
それに、チャンミンを信用してないわけでもない。
むしろチャンミンは俺に夢中だって断言できるくらいだ。









名前も知らず、ドロドロに蕩けたあの夜から。
妖艶でいて清廉。
冷めてるようで熱く。
分かりにくいのに分かりやすい。
そんなチャンミンを、───これほど好きになってしまって。



あの日、俺の宝物をこっそりガラス瓶に入れて飾ってくれたように。
できるならチャンミンも、───なんて、あり得ない望み、………口にできるはずもないのに。
















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Comment

point Re: こんばんは☆

羽衣様。


こんばんは(^o^ゞ
例に漏れず私の話に悪人は登場しないので、(結構いい人か残念な人ですね)カラスも悪い人ではないです(^o^;)


そしてチャミソロ。
あれは本当に泣きそうでした。
まさかソロで聴けるなんて!という曲。
チャンミンのユノへの想いに胸アツでした(/_;)
歌詞を見てないのですが、あれは、『you know』『you No』どちら?
どちらにしても腰が砕けるほどドキッとしましたが?(〃∇〃)
それにこちらのお話と繋げてくれるなんて!そんなの私だけかと思ってましたぁ、嬉しいです(〃∇〃)
つくづくユノとチャンミンの色の違いを感じて、そんな2人が合わさった時、さらに違った色を醸し出してあれほどの魅力を生むのだなぁ、なんて思っちゃいました(^o^ゞ

2015/11/23 (Mon) 22:28 | えりんぎ★★ #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

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2015/11/23 (Mon) 21:51 | # | | 編集 | 返信

point Re: お久しぶりです

taitai様。

こんばんは(^o^ゞ
お久しぶりでーす!
お?開き直りのテンションですね?
いいと思います!51対49でもOKです(^^)d
私も常にそんな感じですよ~

ユノはブレス渡してないですよ。
このネタは今回使うつもりで出し惜しみしてましたもんf(^^;)
そうです、鈍感大魔王なんですよぅ、ザマーミロですか?←そこまで言ってない?


にらいさんとはLINEでいろいろと相談する仲なんです。
コメントも覗きに行っちゃいました(^w^)
これからもメッセと言わず、ぜひ公開コメントで私も楽しませてください♪
妹がいつも「私のは愛ある暴言だからいいの!」と言っておりますが、taitaiさんにも近いものを感じてます。
『愛ある突っ込み(^w^)』をにらいさんちでも見せてくださいね!

2015/11/23 (Mon) 20:00 | えりんぎ★★ #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

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2015/11/23 (Mon) 18:19 | # | | 編集 | 返信

point Re: タイトルなし

Don**様。

こんにちは!
『カラス』には一応ユノヒョンなりの意味があります。
それはまた次回かその次くらい?


整った端正な顔は~からのくだりは、私がリアルチャンミンに思ってることそのままなんです。
キツ~い事言っちゃっても、ほんの少し照れが見え隠れするじゃないですか?
そんなチャンミンが愛しいんですよ。

2015/11/23 (Mon) 14:04 | えりんぎ★★ #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

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2015/11/23 (Mon) 11:57 | # | | 編集 | 返信

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