HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

紅-クレナイ-の人《15の風景》14

































 
チャンミンside





「チャンミンさん、どうしよう。」


ユノさんが留守をして3日目の出来事だった。


「ジウがどこ探してもいないよ!」




ジウはつい最近入所してきたばかりの8歳の男の子で、いわゆる育児放棄の末に児童相談所を通してここへ来た。
母子家庭で母親はアル中で入院。
この母親のリハビリと更正しだいでは戻れるかもしれない子だった。



「学校から帰ってきて、明日歌のテストがあるからって一緒に歌ったのに。」
「私んとこへおやつをせがみに来たよ。」


友達と遊びに行ったにしては帰りが遅すぎる。
冬の夕暮れは短く、もうどっぷりと日は暮れていた。
職員や牧師さま、子供達も手分けして近所を探したけど見つからず。
そろそろ警察へ、という頃。




「チャンミナ、…ちょっと、」
声を掛けてきたのはユンホくん。


ユンホくんとは食堂の一件以来喋ってなくて。
というか、わざとらしいくらいに避けられていて。
進路相談どうしよう。と、頭を悩ませていたところだった。




「ジウがさ、仕事から帰ってくる母親を毎日待ち伏せしてた公園があるんだ。もしかしたら、そこかも。」


ユンホくんはこう見えて案外面倒見がいい。
ちょっと愛想なしだけどぶっきらぼうな優しさで、圧倒的に人気があった。
ユンホくんはこの施設のボスなんだ。
なんて本人に言ったら叱られそうだけど。
彼は照れ屋だから、きっと真っ赤な顔して否定しそう。


「そっか、…そこ分かる?行ってみよう。」
「う、うん、」


あ、…もしかして僕と行くのが嫌なのかも。
そう思ったけど、そんなこと言ってられないし。


牧師さまへその事を伝えユンホくんと2人ジウを探しに向かった。
途中、ミヨンが「私も行く!」と言ったのを光の速さで「お前は来るな。」と返したユンホくん。
お邪魔な僕のことは気にしなくていいのに、と思ったけど、そんなこと言ってられる時間もない。



「ほらチャンミナ行くぞ!」
かなり年上の僕の前をエラソーに歩いていく子に呆れながら、それでも間を開けず後を追った。







「ジウさぁ、来る日も来る日もその公園で母親を待っていたらしい。」
「そっか、いい思い出の公園なんだ。」


「っ、まさか!待ってたの早朝だぜ?朝帰りの酔っぱらいを雨の日も真冬でも待ってたんだ。」
「そう、…お母さんも嬉しかっただろうね。」


「は?いつも男連れで、子連れなのがバレたって殴られたこともあるらしいのに?」
「あ、…」
「チャンミナさぁ、ちゃんと調査表読んでる?」


なんて呆れたように言われ。
そう確かに読んだのに。
ジウのことが心配なのに。
それとは別に僕は浮かれてる。
この1年、ほとんどなかったユンホくんとの会話に浮かれてるんだ。



「チャンミナは相変わらずキレイだな、心が。本当に捨て子だったの?」
ふぅ、と。
ため息まじりに笑うユンホくん。
僕もつい笑ってしまう。
「ユンホくん、…言うことまでユノさんに似てきた。」
言ったあと、──しまった、と。
途端に無口になったユンホくんがいて、ピリピリした背中が僕を拒否している。


──ごめん、って謝ったら余計に怒らせる気がして。


とにかく公園までの道を言葉なく足早に急いだ。
そしてユンホくんの言ったとおり、ジウは公園にいた。
曖昧な記憶をたどり何とか来たものの帰れなくなったんだろう。
遊具のトンネルの中、涙の痕を残したまま眠る幼いジウ。



「…よかった、…ユンホくん、ありがとう。」
「……。」
「ジウは僕がおんぶしていくから。」


腰を屈めジウを抱きかかえようと腕を伸ばす。
その腕をつかみ、「俺が、」と言うユンホくん。


「え?や、…そんなの年上の僕が。」
「俺の方が力がある。」
「いや、さすがに僕は大人だし、ユンホくんより、…
「っ、俺の方が力がある。」


いくら僕がひょろっとしてても、その言い切り方はないんじゃないかとムッとして。


「まだユンホくんには負けない!」
などと子供相手にむきになってしまった。


「じゃあ腕相撲でもする?」
同じくむきになるユンホくん。
でも腕相撲するような場所がない。


「分かった、……指相撲しよう。」
「は?」
「腕相撲をできる場所ないし、代わりに指相撲しようよ。」
「はあ?指相撲でなにが分かるの?」


ブツブツ言ってるユンホくんの隙を見てサッと彼の手を握る。


「っ、チャ…、チャンミナ///」


跳ねるように引こうとした手をさらにぐっと。
強引に指相撲の形に握り直し、なぜか動揺してるユンホくんの親指を合図もなしにギュッと押しつける。


「1、2、3、4、──」
「あ、あ、っあーーっ!」


「やった、僕の勝ち!」
「ずりぃよ、チャンミナ!」


僕が笑ったら、困ったように眉を寄せてユンホくんも笑った。
それが嬉しくて。



10歳の頃から、いつも僕の後ろをついてきた子。
「ねえ、歌って?チャンミナ。」
歌ってあげる代わりにちゃんと学校へ行くよう約束したよね?




ユンホくんへ歌う歌は。
ユノさんへのそれとはまるで違うけど。
本物の天使を見るような純粋で信頼しきった眸を向けられ、僕もまた癒されて。


ずっとずっと、ね、───特別だったんだ。
















にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト

Comment

point Re: こんばんは(*^^*)

カプ**様

こんばんは。
うほっ♪ですか?(^w^)
指相撲というと『太陽』を思い出してニヤニヤしちゃいますよ。
最近、first memories復習したばかりなので。
チャンミン、ユンホくんに対しては家族のような親愛をもってますから、鈍くもなりますf(^^;)

2016/03/01 (Tue) 20:55 | えりんぎ★★ #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

point Re: タイトルなし

na*様。

こんばんは~
私ね、書いた話のなかでもこの紅は映像がとてもハッキリしてるんです。
教会も柘榴の木も、施設やその中庭、くぬぎの木。
ユノさんと初めて訪れた教会で、「見つけた!」と抱きついて離れなかった子供。
以前、偶然見かけた天使をずっと探し求めていた子供。
そりゃ特別にもなりますよねぇ。
紅は土日更新だったこともあり、ストーリーの良し悪しは別にしてとっても丁寧に書いた覚えがありますよ。
なのでよく覚えてます。
ユンホくんの10年後ですか。
いい男になってるでしょうねぇ~
ユノ、ヤバくないですか?(^o^;)

2016/03/01 (Tue) 20:46 | えりんぎ★★ #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

point 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2016/03/01 (Tue) 19:54 | # | | 編集 | 返信

point 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2016/03/01 (Tue) 17:43 | # | | 編集 | 返信

point Re: タイトルなし

チャミ****様


こんにちは。
ユンホくんがミヨンちゃんの口からチャンミンの名前が出るのが嫌だと言ってました。
ミヨンは自分とチャンミンの何も知らないくせに!って。
それくらいユンホくんにとってはチャンミンとの仲は特別で。
チャンミンにとっても特別。
ただ特別の種類が違うだけなんですよね。
そう思うとユノさんとチャンミンの特別がピッタリと一致するのは奇跡のようです(〃ω〃)

2016/03/01 (Tue) 16:53 | えりんぎ★★ #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

point Re: お久しぶりです☆(*^-^*)

yone****様。

こんにちは~
鈍感な天然天使ちゃんです(*^^*)
と言うか、BOA姉さんのぉ(;゜0゜)
まったく考えたこともなかったですよ~
そんな雰囲気とは無縁だと思ってました。
むしろホさんの方が心配なので。。。
宜しければぜひ考察教えてくださいませ♪

2016/03/01 (Tue) 16:48 | えりんぎ★★ #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

point Re: タイトルなし

Don**様。

こんにちは。
この指相撲は写真集『太陽』の2人です!←と言っても相手がユンホくんですが(^o^;)
チャンミンの頭のなかはユノさんで埋められてるのですぐ名前だしちゃってこれからもやらかしますよf(^^;)

2016/03/01 (Tue) 16:42 | えりんぎ★★ #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

point Re: タイトルなし

tai***さま。

こんにちは。
50人ほどの小規模な施設と仰ってましたよね。
もしかしてそちらに関わっていらっしゃった?
紅の設定が歌手とSPから流れ流れて児童養護施設が主体となってしまいました。
私はほとんどというか全く知識ないです。
ホミン小説が主なので設定は緩くなってます。
もし失礼なことやむちゃくちゃな事を書いてたらすみません~
とんずらなんて。
どこにいても気持ちがあれば何かできるかも。
私はホミン小説を通して(というのが恥ずかしいと言えば恥ずかしいのですが)自分の環境とは無関係な事柄を少しでも調べたりして新たに色々なことを知るのが楽しいですよ。
コレもユノとチャンミンのおかげ(^w^)
もう二度と日本の地を踏むことはない、ってこと。
。。。無いですよね?

2016/03/01 (Tue) 16:39 | えりんぎ★★ #eXqQAqFw | URL | 編集 | 返信

point 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2016/03/01 (Tue) 16:21 | # | | 編集 | 返信

point 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2016/03/01 (Tue) 13:01 | # | | 編集 | 返信

point 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2016/03/01 (Tue) 12:54 | # | | 編集 | 返信

point 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2016/03/01 (Tue) 06:09 | # | | 編集 | 返信

Post Comment

(設定しておくと後でPC版から編集できます)
非公開コメント