HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

紅-クレナイ-の人《15の風景》21



































チャンミンside





病院へ行こうというのに頑なに拒否するユンホくんを簡単に応急手当した。
血がべっとりついたジャージを着せたまま帰すわけにはいかない。
僕には小さくなった紺色のトレーナーを「返さなくていいよ。」と言って渡す。


「ん、…」
そっと受け取ったユンホくんの口元がほんの少し綻ぶのにさえ悲しくなった。


僕は馬鹿だ、…ユンホくんのこれほどの想いに気づいてあげられなかった。
僕を慕う幼いユンホくんの面影を追い、都合よく彼に接し何度も特別だと囁いた。
時には突き放すことが優しさでもあるのに。







何度話しかけても上の空の僕に諦めたのか、もう何も言わなくなったユンホくん。
帰りがけの玄関先で。
「何日か経っても痛みが引かなかったら僕へ言って。その時は病院へ行かなくちゃ。」
それだけ言った。


今は、
ユンホくんを叱る言葉も。
ユンホくんを慰める言葉も。
ユンホくんを拒む言葉も、みつからなくて。





「チャンミナ、…ごめん。嘘をつかせてごめん。」


それは、初めてユンホくんが口にした謝罪で。


「でも俺は悪いことしたなんて思ってない。全部本当の気持ち。今だって、このままユノとチャンミナが別れてしまえばいいと思ってる。」

「…ユンホくん、…」


そういえば彼は10歳の頃から正直すぎるくらい真っ直ぐで正直だったと思いだす。



「施設を変わるのが進学に不利だというなら、どんなことしてもすがりつくよ。ユノへ土下座だってする。俺はこんなところで躓いてる場合じゃないんだ。」



「…数年後、チャンミナを守れる男になる為に。」



僕へ向かって伸びる腕を避けるように数歩後ずさる。
空をきった手を握り、それでもニッと笑った。



「俺は、諦めない。」


「ユンホくん、…ユンホくんの気持ちはよく分かった。でも僕がユンホくんへ弟以上の感情を持つことはないよ?」


「僕にとってはユノさんが全てで、…あ、」


僕の話途中で背を向け走りだそうとする。
いくらか進んだところで顔だけこちらへ向け。


「っ、チャンミナぁ!」


「絶対に諦めないから!それと、アルバムから1枚だけ勝手に写真抜いちゃった。じゃあね。」
「え?…っ、ちょ、…ユンホくん?」


呆然とする僕を置き去りに走り去ってしまった背中を眺めながら。
そういえば昔からユノさんに何を言われてもアッケラカンと僕の側を離れなかったよな、なんてことまで思いだして。
そんなところがユノさんの一番警戒していたことなんだと、今になって初めて理解したんだ。










しんと静まり返った家の中へ足を踏み入れた途端、憂鬱さに押し潰されそうになる。
リビングには開きっぱなしの高校の卒業アルバム。
これを見せようと思わなければ、こんなことにはならなかったのに。





写真自体を好ましく思っていないユノさんは、僕のアルバムを見ることもない。
僕は時々芸能界にいた頃のアルバムを引っ張り出す。
未練があるとかじゃなく、こんな時もあったのだと今の幸せを噛みしめる為に。


「ユノさん、ほら見て?メイクってすごいですよねぇ、僕が僕じゃないみたい。」
クスクス笑ってページをめくる僕の手を取り。
「切り取った過去は、好きじゃない。」
そのままパタンと閉じる。
「あ、何するんですかぁ!」
なんて文句もクルッと抱きこまれたら口の中でモゴモゴするだけで。


それさえユノさんに吸いとられ、一瞬のキスに不満げな僕。
「メイクして綺麗なチャンミンも、不本意な仕事でむくれてるチャンミンも、全部覚えてるから。」
そう微笑むユノさんへ、僕からの口づけ。



「今のお前を見てたいから、過去を覗くなんて時間の無駄だよ?」


そんな殺し文句も様になるから悔しい。
それなのにまんまとやられちゃう僕が情けないけど、───そんな自分を気に入ってたんだ、本当は。












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