HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

紅-クレナイ-の人《15の風景》22





































チャンミンside




『───で、何かあった?』



その日の日付も変わろうという頃、電話してきたのはカン社長だった。


カン・イソク社長は業界最大手の芸能事務所社長であり、ユノさんの若い頃からの親友。
度々ここへも顔をだすこの人は、社会的地位という点では遥かに上なのに今でもユノさんをリーダー扱いしユノさんもエラソーなんだ。



「ユノさんは、…カン社長のところに?」


多分そうだろうと思っていたけど、やはりユノさんは帰ってこなかった。


「ん、まあね。ちょっと仕事でもトラブルがあってね。」


喧嘩して部屋を飛び出すのはいつも僕で。
そんな僕を潔いくらい放っておくのはいつもユノさんなのに。


「あの、…ユノさん、は?」
「んー、…荒れてる。」
「え、…?」


「荒れまくってる、チャンミンに会う前のヤツみたい。何したんだい?」


そんなこと言われても僕の口からは言いにくくて、「ちょっと、…」と言葉を濁すことしかできない。


「飲めない酒を浴びるように飲んでぶっ倒れてるよ。」
「……。」
「自分が帰ったらチャンミンがそこを出てってしまうとかなんとか、…ワケわかんないこと呟いてた。」
「…そうですか。」



まさか本当に僕がユンホくんを誘惑したなんて思ってないだろうけど。
あの時はユノさんに従うよりユンホくんを庇うことを優先した。
プライドの高いユノさんがそれを許す筈がない。



「…ユノさんは、酔って吐いたりしてませんか?」
「ん?チャンミンはユノが酔うとすぐ吐くって知ってんだ?」
ちょっと可笑しそうに、
「アイツのことだからチャンミンの前ではムチャクチャ格好つけてると思ってた。」と笑う。



「ふふ、…あのね、たまに飲みたいからってワインを買ってくるんですよ。」
「へぇ、…」
「それで1杯飲んで、…お前も飲めよ?ってそれは格好よく言うんです。」
「くっ、」
「ユノさん、1杯が限界なんですよ。」
「アハハ、それ目に浮かぶなぁ。」


「でしょ?…そんなところもね、すっごく格好いいんです。それ、僕が好きなワインなんだ、いつも。」
「ふ~ん、それはご馳走さまって言えばいいのかな?」
なんて言われ、…しまった!と口をつぐむ。
僕はダメだ、ユノさんのことになるといつもこうで。
散々ドンジュさんや食堂のおばちゃんにからかわれてるのに。



電話口では優しげな笑いが続いていて。
「まあ、そんなに大した喧嘩じゃなさそうだから安心したよ。」と。


大した喧嘩かもしれない、とは言えず曖昧に笑う僕へ。


「あまりに不機嫌だからさ、女でも買いにいく?って言ってやったんだ。」
「え?」
「ふざけるな、って怒鳴られたよ。じゃあ男でもいいぞ?って言ったら。」
「っ、ええっ?」


「大丈夫!思いきり殴られたから。」


アハハと笑うカン社長は最初から僕をからかうつもりだったのか、焦って変な声を出しちゃった僕は恥ずかしくて堪らないのに。


「チャンミンはいくつになっても変わんないな。
ユノばっかり変わって、それで面白くないんだぞ、アイツ。」
しつこく笑いをこらえてる姿が電話口の向こうに見えるようで。


「っ、え?ユノさん?」

最初何のことだか。
だってユノさんは変わらない。
飄々とした立ち振舞い。
広い背中は力強く頼りがいはあるけど、こちらへ寄りかかることは一切なく。
ユノさんさえ背を向けてしまえばそれで終わりで。
僕はただ途方にくれてそれを見つめることしか出来ないでいるのに。



「だってアイツ、酒に弱いのカッコ悪いってさ隠してるもん。ここまで隠し通せるのも凄いけどさ、痩せ我慢の王様だな、ありゃ。」
「ぷっ、」
カン社長の言い方が面白くて笑えてしまう。


「俺はたまたま出逢った頃に気づいちゃったんだけどね。そういやあの頃は常に大勢の男女に囲まれてたけど、…いつもひとりでいるみたいだったなぁ。」
「…カン社長?」
「ん、チャンミンには隠してないって知って安心した。もうひとりじゃないもんな。」
「……。」


たかだかお酒に弱いってくらいのこと。
一緒に住んでたら知ってて当然で、それなのにカン社長の言葉が嬉しくて思わず頬が緩んでしまう。


「チャンミン。…ユノに頼られるのは重いかもしれないけど、アイツのこと頼むね。」
「っ、え?///ユノさんが僕を頼るなんて有り得ませんよ!」

いくらユノさんの親友の頼みとはいえ、さすがにそれはないよって見えない相手に首を振った。


「あ、気づいてないんだ。アイツ、チャンミンの存在に寄っ掛かってるじゃん。チャンミンがいなくちゃ生きていけねぇよ、多分。」
そう言ってまたアハハと笑う。


「……///」


僕はもう、電話で良かったと心底思えるくらい茹で蛸になってて。
嬉しさと恥ずかしさで何を言っても声が上擦りそうだ。




「ユノはさ、勘が抜群にいいし勝負運も強い。よほど神様に愛されてんだなぁと思ってたけど、…



───天使にまで愛されたんじゃあ無敵だな。」






こちら側の僕の反応が手に取るように分かるのか愉快そうに笑い、「今夜はユノを預かるね。」と言って電話が切れた。
さっきまで寂しくて眠れない夜になると覚悟していたのに、体中がポカポカと温かくて。




会いたい。
会いたい。
ユノさんに、───会いたい。











 



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