HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

APPLAUSE-告白-7

































「でさ、いいかげん教えてくんない?」


でさ、も何も。
いきなり言われて驚いた。


「ハヌルさん?急に何ですか。」




事務所近くのいきつけのカフェ。
花屋と併設したカフェは季節ごとの色や香りに満ち僕のお気に入りの場所だった。


ハヌルさんはいい先輩だ。
ゲイだけどそれは性癖であって人格を疑うものではないし、僕だって今まさに男に夢中なんだから。


身長は同じくらいなのに線の細い僕と違ってがっしりとした男らしい体格、くっきり顔で男っぽいのに笑うと目尻が下がって愛嬌が漏れる。
そんなハヌルさんとペアになることが多く最近は常に行動を共にしていた。


「チャンミナさぁ、恋人できたんだろ?」
「はぁ?///」
「とぼけるなよ、見てれば分かるんだって。」
「な、なにを根拠に、…!」
「いやぁ、幸せオーラが漂ってくんだよねぇ。」


からかうように言われ、
「や、別に幸せじゃないし、…」
ボソッとつぶやいたら、
「あ、ほらやっぱ恋人いた!」とか。


ハヌルさんは基本特定の恋人を作らない。
男同士というのは女性相手とは違うと言う。


「貞操観念は低いよ、快楽主義っての?責任を負わないからね、気楽なんだ。どう、試してみる?」
そう誘ってくるのはいつものこと。
軽くあしらうのも慣れたもんだ。



「それにしてもさ、チャンミナの色気が半端ないんだよなぁ、…もしかして、相手は男とか?」
「は?か、関係ないでしょ?///」


ズバッと鋭いところをつかれ焦る。
同姓愛者は繊細だと言うけど、この人も見た目に似合わず繊細なのかもしれない。
そういえば調子の悪いとき、気づいてくれるのはいつもハヌルさんだった。





「あらあら、楽しい話かしら?」
いい香りと一緒に珈琲が運ばれ、にっこり笑うこの店の店長ユリさんが好奇心を隠さず覗きこんできた。


「えっと、」
「チャンミナに恋人ができたとか?」
「ハヌルさんの勘違いです!///」
「ふふ、そういうことにしておきましょうか。」


そう言いながらニタニタと気持ち悪いくらいの笑顔。
ユリさんは僕より4歳年上ながらこの店をひとりで切り盛りしてるだけあって男勝りの姉御肌だ。
毎日のように通う僕をチャンミナと呼び何かと気にかけてくれる。



「ユリさん、今日も綺麗だねぇ。」
「ふふ、あなたも素敵よ、ハヌル。」
そして毎日の挨拶。
ユリさんとハヌルさんは仲がいい。
2人が並べばこれほど美男美女のカップルはないと思う。


「昨日は棚の修理なんてさせて悪かったわね。おかげで助かったわ。」
「ああ、いつでも言って。ユリさんの為なら何でもするさ。」
「ホント、口だけはうまいのよねぇ。」
「あ、だけって何だよ?」
「いつも助かってるけど、口の達者な男は信用ならないってこと!ね、チャンミナ?」


「え?」
2人のいつもの掛け合いを急に振られて焦る。
こういう軽口は苦手で、つい口ごもってしまうんだ。
「チャンミナはね、そのスレてない感じがいいのよ。前につき合ってたモデルの彼女、あの子にチャンミナは勿体ないわ。」
にっこり言われて、そんなこともあったなと思う。
それほど昔のことでもないのにすっかり忘れていた。
もう僕の頭のなかはユノのことでいっぱいで、それが時々溢れてハヌルさんにでさえ気づかれてしまうくらい。



「私はいつでもウェルカムだからね、チャンミナ!」
「ユ、ユリさん///」


冗談っぽく笑う彼女。
でも僕は気づいてるんだ。
たぶん、ユリさんはハヌルさんを好きだってこと。


目は口ほどにものを言う、と言うけど。
彼女の優しげな視線、それでいてどこか切ないそれの意味することを気づいてしまった。


「あ、っずりぃーな、チャンミン。」


ハヌルさんも気づいてると思う。
軽口をたたきながらしっかりゲイだと公言してるし、どれだけ仲良くなっても一線を引いてるのが分かるから。




そう、ユリさんがいくら素敵でどれほどハヌルさんを好きでも、ゲイのハヌルさんにそれが届くことはない。
いつまでも平行線の想い。
それは僕とユノにも言えることで。
お互いノーマルな僕ら。




ね、ユノ。
その平行に走るはずの境界線が歪に曲がるのを、見て見ぬふりしてるよね。
そして無意識に引いてる。
ハヌルさんがユリさんへ引く一線を。
僕もユノに引かれてるのを感じるんだ。


初めて会った日以来、一度も泊めてはくれないし。
約束をして外で会うこともない。
そしてユノが僕んちを訪ねることもない。
ふらりと僕が遊びに行って友達のようにふざけあい体を重ねる、そんな関係。




ねえ、僕が贈った帯紅色の薔薇。
花言葉は『私を射止めて』。
さっぱり塩味のユノが、心から僕を求めてくれるなんてそんなこと、この先あるかな?



────あるといい。



そう願いながら。
子供っぽくてお人好しな優しい人が、一刻も早くまっとうな道に気づくのを願う僕もいる。
あなたを諦めると誓った僕も決して嘘じゃなくて。
つい流されて甘えてしまう僕も僕で。


この友達のような恋人のような関係を不満に思いながら、そのうちきれいさっぱり浄化されちゃえばいい。


そう思ってるのも、──本当なんだ。









「あ、そう言えば今日から新しい子が入ったの。可愛くてとってもいい子。」
「へぇ、」


先月辞めた人の代わりが見つかったらしい。
しばらく人手が足りなくて忙しくしてるユリさんを見てたから僕も嬉しい。
ハヌルさんも何かと気遣って雑用を引き受けてたからひと安心だろう。




「来た来た、…サランちゃん、こっちこっち!」
「おぉ、可愛いじゃん!」


男しか受けつけないハヌルさんでも可愛い子は好きらしい。
おそらく僕より少し年下。
小柄で華奢、くりっとした目元とふっくらとした唇が可愛い。


でも僕は彼女の容姿を何度も確認して、そして言葉なく気持ちだけがどんどん沈んでいくのを感じていた。


「よろしくお願いします。///」



花が綻ぶように可憐な、
ユノの元カノの笑顔を見つめながら、───。















※タイトル画、バナー画像をAliさんよりいただいてます『ホミンを愛でるAli の小部屋』








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