HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

APPLAUSE-告白-30


































ハヌルside







学生アルバイトだと聞かされ、正直めんどくせぇなと思った。
往々にしてプロ意識に欠けるそいつらにとって、モデルはちょっと自慢できるくらいの遊び半分でしかないからだ。


軽いノリでやってきては愛想を振りまいて帰っていく。
遊び慣れてるヤツなら食うのもいい。
意外に好奇心旺盛な奴らは面白いほど俺の誘いに乗ってくるし。
それくらいの楽しみがなきゃ、やってらんない。




「はじめまして、シムチャンミンです。今日はよろしくお願いします。」



型通りの挨拶。
同じように返せばいいのに、言葉を失った。


「ここ、第2スタジオだけど?」
「はい。勿論知ってます。」


愛想もくそもない。
ニコリともしない。
でも、見惚れた。
学生で、どこか垢抜けない格好。
邪魔な布切れをすべて引っ剥がして素のソイツを見たい衝動に駆られる。


───きっと、綺麗だ。





撮影用に着替えメイクした姿はさらに薫り立つようで、モデルを本業に数年、事務所でも売れっ子の俺が危機感を覚えるほど。
ただビジュアルだけでやっていけるほどモデルという職業は甘くない。


ポージングがなってない。
表現力がない。
しかもちょっと猫背。


メインの俺の後ろで立ってるだけの仕事だったせいか、特にダメ出しされることなく撮影を終えた。




「あのさ、」
帰ろうとする背中に声を掛ける。
ふっと振り向いた顔はやっぱり愛想なし。


「次に一緒の仕事をするまでにポージングを勉強してこい。それに余裕ができたらもっといい顔を作れるはずだ。」
「……。」
「あと、昨日酒飲んで何のケアもせず寝たろ?浮腫んでんだよ。仕事を甘く見るな。」



なに説教してんだか。
事なかれ主義の俺が、しかも学生相手に。


「あ、…ありがとうございます、///」


コイツも変なヤツだ。
説教されて、初めて笑った。
花が綻ぶように、とは、まさにコレだと思った。



さらに驚くことに本当にポージングの勉強をしてきたらしい。
見違えるほど洗練された身のこなし。
細かいことを俺に聞いてくる。


一生懸命で、可愛かった。
人見知りなヤツが目に見えて懐く。
可愛くて甘やかしたくて堪らなくなった。



俺は、持て余していた。
この行き場のない思いをどう処理すればいいのか、───苦しくなるほどに。
















思えば最初から感じていた違和感。
行きつけのカフェから突然飛び出したチャンミン。
心配で、勿論追った。
少し先に見える雑踏のなかでさえ目立つ2人の男。
チャンミンと並んでまったく見劣りしないビジュアル。
近づけば顔の造作も驚くほど整っていた。



ゲイを公言する俺がその男に持ったのは。
抱きたいとか、そういった類いのものではなく、紛れもないただの嫉妬だった。



それはその男の容姿に劣等感を持ったとかそういうことではなく、シンプルに言えばチャンミンを奪われそうな危機感で。
…馬鹿だな、チャンミナは俺のものではないのに。




「チャンミナ、たまには俺とどう?」
そんな俺の冗談を躱すのがうまくなった。
ゲイの俺を拒絶しないかわりに、意識もしない。



───それでいいと、思ってた。



どこまでも良い先輩のままでいようと。
ノーマルなチャンミンが彼女を作っては惚気話をからかい別れては酒に誘った。
彼女と仲睦まじく幸せそうな姿を自分の幸せと重ねていたんだ。





それがあの日。
いつものカフェで確かチャンミンは事務所で雑用があって俺だけひとり、ふらりと来たあの男と会話した。
共通の話題はチャンミンだけでどうしたってチャンミンの話になってしまう。
お互い無意識だけど、さも自分の方がチャンミンと親しいと言いたげに。



「初対面のときは何て無愛想なヤツだと思ったけどさ、結局人見知りなだけで一生懸命だし案外負けず嫌いで、…それに笑うと可愛いよな。」


一緒の職場だから言えることを意気揚々と話す俺へ。


「へえ、案外負けず嫌いなんですね。」
そう言った後、
「でも、…泣いた顔も可愛いですよ。」
さも満足げに、そんなこと言いやがった。



実は泣き上戸なんです。
いつも冗談っぽく言うチャンミンの泣き顔を実際見たことなくて。
それを、コイツの前では泣くのか?と。




まさか、という思いが日々濃く影をおとす。
チャンミンの視線が、仕草が、声色が。
すべて同じ答えに導いてるようで。





───そして今、








*******










「チャンミナ、おまえ、…ノーマルだよな。」
「え、…急に何ですか?///」


「恋人は常に女性だったろ?それはユノさんも一緒だ。」
「……。」




俺の言いたいことが何となく分かるのか、押し黙ってしまう。



「なあ、俺は正真正銘ゲイだよ、男しか愛せない。でもおまえは違う。俺とは違うんだ。」
「…ハヌルさん、何を、…」


弱々しい声。 
別に責めたいわけじゃない。
苛めたいわけじゃない。



「チャンミナ、…おまえの秘密の恋の相手ってのは、まさか、…」


前にチャンミンがいたく気に入って注文していた花。
ユリさんがこそっと教えてくれた。
チャンミナは秘密の恋をしてるのよ、って。
それって、まさか。


「っ、ハヌルさん、…っ違う!違いますっ!」


ぎゅっと掴まれた腕が痛い。
そんなおまえ、…震えるほど、…



ハァ、と大きく息を吐く。
───多分、後悔する。
でも言わずにはいられなかった。



「チャンミナ。おまえは普通に女性を愛せるじゃないか。今だけの感情に流されるな。」


「俺はおまえに幸せでいて欲しい。それを側でずっと見ていたい。それが俺にとっての成就なんだよ。」





「…ハヌルさん…?」



さらに弱々しく消え入りそうな。
想像もしていなかったと思う。
俺だって一生打ち明けるつもりはなかった。
でも、だっておまえ、…



「っ、頼むから、…俺のようになるな。俺と同じ場所へおりてくるな。」




「俺の、…手の届くところへ、…来ないでくれ、…」








ツーーっと、一筋のそれは。


可愛いとはとても言えない、胸が鷲掴みにされるような痛み。
初めて見る、チャンミナの。
痛々しいほどの涙だった、───。












※タイトル画、バナー画像をAliさんよりいただいてます『ホミンを愛でるAliの小部屋』










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