HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

APPLAUSE-告白-45
































「あれ?お兄さん、よく見たらどっかで見たことあるなぁ。」
「あ、俺も思った。なんかの雑誌に載ってたような、」
「は、道理で女みたいな面してるよな。」




何がどうしてこうなったのか。
一般エリアにある売店の焼き鳥がどうしても食べたくてコソッと席を立った食いしん坊の僕が悪い。


大量得点を許してる相手チームのファンだろうか。
野球場には不似合いな派手な格好、僕と同年代っぽいのにやけに不遜な態度でホストの団体にしか見えない。





何度か女の子達に声を掛けられた。
僕が誰なのか知ってる子もいれば見覚えがあるというだけの子も。
最近の僕は苦手ながら誠心誠意相手の子達に応対していた。
ユノが、そう言ったから。
好きだって言ってくれる人達には誠心誠意で答えてあげなと教えてくれたから。



それじゃあとペコリ頭を下げて振り向いたところを後ろからガシッと。
両側から肩を組まれズルズルと奥のトイレ入口のさらに奥まで連れてこられた。


「いやぁお兄さんモテるね~!さっきから声かけられまくってねぇ?」
「俺達さ、今むちゃくちゃイラついてんだよね。」
「幸せのおすそわけしてくれてもいいし、その綺麗な顔を数発殴らせてもらってもいいよ~。」




って、…これは所謂、恐喝ってやつ?
学生じゃあるまいしバカバカしいと無視して突っぱねようとするけど、相手は複数でそう簡単にもいかず逆に囲まれてしまった。



「やめてください。警備員呼びますよ。」
「はぁ?」
「こんな所へ連れ込んで不利なのは貴方達だ。」
「っ、この、」


弱味を見せたら負けだと毅然とした態度で。
それでも足元が少しだけ震えた。
こんな経験は初めてだったから。


「まあちょっと待てよ。」
そう言って後方から現れたのはひとりだけ妙に整った容姿の男で。
周りの態度からコイツがリーダーだと分かった。




「あんたさ、モデルだよね。名前は確か、シム、…シムチャンミン。」
「え、…?」
「当たりだろ?今月のインタビュー記事も読んだよ。」


すっきりとした輪郭の小さな顔がのった長身の男。
切れ長の鋭い目が今は緩やかにカーブを描いていた。


「あ、…えっと、」


ありがとうと言えばいいのだろうか、この場合。
でもこんな恐喝まがいのことされて?
周りの男達は顔を見合わせながらニヤニヤしてる。
はっきり言って感じ悪い。



「俺ね、ファンなんだ。こんなところで会えるなんて光栄だな。雑誌で見るより肌綺麗だし、もっと華奢だ。それに、…かわいいな。」
「あ、あの、」
じりじりと前に出てくるから僕も同じように後退する。
スゴい威圧感。
でもファンだと言った。
ありがとうとお礼を言ってさっさと立ち去りたい気分でいっぱいだった。



「ね、記念に握手してよ。」
スッと右手を差し出され、そんなのいつものことだから僕も。



「っ、…ぅわ!」


握った手を巻き込むように引っ張られ。
大きく広げた腕で抱きしめられた。
それは驚くほど力強くとっさに避けるなんて無理で。



「すげぇ好み。…な、俺に抱かれなよ?」


「っ、な、…!///」


耳元で囁かれればゾクリと悪寒がはしる。
周りからは一斉に笑い声とはやし立てる口笛。


「っ、やめ、…離せっ、」
からかわれたんだと気づいて必死に抵抗するけど腕の力が弱まることなく、
「おまえら、うるせぇ!」
ソイツの怒鳴り声で一気に静まり返った。



もし本当にホストの団体だとしたら絶対コイツがナンバーワンだ。
「なあ、俺、本気だけど?な、ツレいるのか?このまま2人で出れる?」
匂い立つような色気を撒き散らし耳元で囁くように誘う男。
ハヌルさんなら一発オッケイだけど、僕には通用しないよ。



「…離せっ、男なんてごめんだ、馬鹿!」
「っ、この!」


振り上げた手に肩を竦めた瞬間、






「っ、チャンミナ!!」




ユノだった。
ずっとずっと心の中で呼んでた。
ベタな展開でもいい、本当に来てくれた。





不用意に飛びだした男の腕を一瞬で捻りあげる。
そうだった、確か武道を習っていたと聞いたばかりじゃないか。



「おい、チャンミンを離せ。」
「やだね。」



同じような背丈で目線が近い。
恐ろしいほど怒りをあらわににじりよるユノ。
こんなユノ、…初めてで。
どうしよう、ドキドキするって言ったら叱られるな、きっと。



僕を挟んで睨みあう2人の男。
でも、僕は。
黒目がちな奥二重の。
めずらしく一文字に結んだ口元。
誰よりもくっきりと鮮やかに映る。


───そんなユノしか見えなくて。






「…ユノ、っ、ユノ、ユノ、…」


何度も名前を呼んだ。
僕をつかむ腕の力が徐々に抜け、ユノが僕を引き寄せた。



遠くに警備員が見える。
誰かが知らせたらしい。
こちらへ歩いてくるのが分かった。


目の前の男もそれに気づいたらしく、チッと舌打ちして体を翻す。



「っ、なんだよ、彼氏持ちかよ?」
捨て台詞のように吐きだし行ってしまった。










今さらながら足が震え突っ立ったまま動けなくて。
それでも去っていく後ろ姿を睨みつけたままのユノへほんの少し。




「ユノ、…あ、ありが、…」
「チャンミン、…お前、なに油断してんの?」


いまだに怒りのオーラを発散しているユノ。
ちょっと恐い。



「来いよ。」




腕を引かれるまま今度はユノに連れ去られた僕。












※タイトル画、バナー画像をAliさんよりいただいてます『ホミンを愛でるAliの小部屋』












にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト