HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

APPLAUSE-告白-73



































「───すげぇな、…イ・ダル。」






秋頃から急に忙しくなり新しいバイトくんを入れたユリさんのカフェで、発売前の写真集を見たとハヌルさんに言われた。



「チャンミナだけどチャンミナじゃなくてさ、…ありゃ芸術品だな。海外で評価されてるってのも頷けるよ。」
「あ、…ですね。カメラ持ったら別人でしたもん、あの人。」



撮影から2か月、季節はもう真冬だ。
結局撮影後の確認作業は僕なしで行われ、打ち上げなどとわざわざ席をもうけるのは好きじゃないと特になにもせず、あっさりとイ・ダルは僕の前から消えた。






正確に言うと、消えたつもりでいた。



「あれだけのモノを作ってくれるんだ、また一緒に仕事したくならねぇの?」
しつこく言ってくるハヌルさんへ、
「…腕は素晴らしいけど、人間的にちょっと。僕はもういいです。」
そう本音をもらした。
まだ何か言い足りない様子のハヌルさんを宥めるように、「おはよう。ハヌルさん、チャンミナ。」と声を掛けてきたのはセギュンさんだった。



「あ、おはようございます。」
「…おはようございます。」


「今日は寒いね。ああ、でもユリさんは相変わらず綺麗だ。」


にこにこ笑って僕の隣に腰かける若すぎるご老人は数ヵ月前からの常連さんでユリさんのファンだった。
不思議な人で、『花束と声のメッセージお届けサービス』をユリさんに勧め、この人が来るようになってから格段に客が増え、さらに花の大量注文を紹介してるらしい。



「ユリさんを応援したくてね。でも最近忙しくてあまり話せないのが難点だな。」
ユリさんと同じように僕をチャンミナと呼ぶようになり。


「女性では勿論ユリさんだけど、男性ならチャンミナが好みだなぁ。」
などと、奥さんへ100本の薔薇を贈ってたよね?と思わず言ってしまいそうなほど気が多く、年のわりに精力的でしかもそれが若さと男らしさの秘訣のようだった。


「セギュンさんは普段なにをされてるんですか?」
真面目に尋ねた質問も、
「ん?遊んでる。」と返され。
まあ年齢的に仕事は引退ってとこかと、
「のんびり余裕のある生活なんて贅沢ですね。」と言えば、
「それがなかなか忙しくてね。老体に鞭打って働いてるんだよ。ユリさんとチャンミナが活力と癒しなんだよね。で、どう?今度一緒に夕食でも。」と誘われる。



隣ではハヌルさんが面白くなさそうに話の行方を窺っていて。
それを知っててわざと僕へ触れたり、ハヌルさんを煽って楽しんでるみたい。
食えない人だ。


もしここにユノが居合わせたらと思うとゾッとする。
この春にモデルの彼女から振られて以降、どうしてか男にばかりモテる自分が怖い。
男はユノだけで十分。
どうせモテるなら女の子の方がいいに決まってるのにうまくいかないなぁと溜め息ひとつ漏らした。






「だてに年はくってない、チャンミナ、一見さんお断りの高級すっぽん料理でもご馳走しようか?」
「セギュンさん、チャンミナはビールとラーメンさえあれば幸せなんですよ。」
「ほぉ、会員制の中華料理屋でフカヒレラーメンはどう?」
「セギュンさんっ、チャンミナは金では釣られませんから。」



そんなやり取りが真ん中に座る僕を素通りして交わされる。
すっぽんにもフカヒレラーメンにも涎が垂れそうだけどここで乗ったらハヌルさんが恐い。
ハヌルさんが恐いというより、ハヌルさんに告げ口されたユノが恐いということで。




「セギュンさん、僕には恋人のような人がいて。
その人、男性にも女性にもヤキモチ妬いちゃう可愛い人なんです。なので、遠慮させていただきます、スミマセン。」
ペコッと頭を下げて、
「ほぉ、可愛い人なんですね?」
そう言うセギュンさんへ、はい、と頷いた。
取り合えず隣で呆れたように肩を竦めるハヌルさんは無視して。






ユノの男らしさと格好よさ、お人好しだけど一本筋の通った強さ、それなのに僕にだけ嫉妬深いという可愛さをいつかハヌルさんに話そうと思う。
そんなユノが男だけど特別で、それはユノにしか持てない感情だということをしっかり伝えなければと思う。
ハヌルさんはもう僕のことなんてやめた方がいい。
ハヌルさんの格好よさも愛情深さも知ってるから、一歩でも前に進んでほしいんだ。



「いらっしゃい、ふふ、お揃いね。」



カウンター越しにやってきたユリさん。
ユリさんが来ると途端にその場が華やぐ。
明るくて綺麗なのに気取ってなくて、ちょっと天然が入ってるのも親しみやすくて魅力的なのにとハヌルさんをチラ見する。
バチっと目が合った。
その視線は簡単に外せないほどの強さで。
そう都合よくはいかない人の想いに切なくなる。



僕がユノを好きになってユノが応えてくれた。
それこそが奇跡なのかもしれない。






「あのね、久しぶりにチャンミナに宅配をお願いしたいの。今夜、どうかしら?」


最近バイトに男の子が入って男性指名の宅配はその子の役目だった。
それが僕指名のリピーターと新規だけど僕を指名した客が2件重なったという。
「2件目のお客様はサランちゃんの知り合いらしいのよ。なんでも友達の紹介で知り合った超イケメンくん。」
「…へぇ。」
彼女に新しい出会いがあったのなら僕にも喜ばしいことで。
でもその彼が別の女性に花束を贈るってシチュエーションはどうなの?
しかも僕に課せられた花束を渡しつつのメッセージは『僕もです』、…ってコレおかしくない?





それでも久しぶりのユリさんからの頼みだと引き受ける。
一緒に聞いていたハヌルさんが手伝うと言い、運転を頼んでサクッと宅配しようってことになった。




リピーターの女性は応援したい友達へいつもガーベラの花を贈る心優しい人。
僕はありったけの笑顔で、
『いつも応援してます、頑張って。』
そうメッセージを伝えながら渡すんだ。




そしてサランちゃんの知り合いのイケメンくん。
彼の希望宅配先は女性名でメッセージは『僕もです』。
変なの、と思いながら、いろいろ事情があるんだろうと軽く考えていた。






───ピンポン、と。


鳴らした呼び鈴、静かに開いた玄関ドアの先に立つ、




イ・ダルを見るまでは、───。















※タイトル画、バナー画像をAliさんよりいただいてます『ホミンを愛でるAliの小部屋』

















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