HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

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APPLAUSE-告白-74


































「──イ・ダル。」






思わず口についた名前。





ざっくりとした黒のセーターに細身のパンツ。
洒落たスーツでもシンプルな白Tシャツでもないカジュアルな2か月ぶりのイ・ダル。
待ってましたとばかりに口角をあげ、
「ご覧の通り。」と笑った。



「…どうして、…っ、」



僕の手のなかには緋色の薔薇が6本とカスミ草で彩られた花束。
それをヤツに渡せというのか。


じりじりと近づくヤツと、強張ったまま1歩も動けない僕。




「ああ、ここは社長やってる祖母の別宅。こっちにいる間好きに使わせてもらってる。宅配先も表札も祖母になってたろ?事務所の大株主の社長くらい覚えておかなきゃな、チャンミナ。」



ニヤリと口端が上がる。
撮影にのぞんだ礼儀正しく真摯にカメラへ向き合う男はもう存在せず。





「これって先にチャンミナからメッセージ貰うんだっけ?ごめんね、今回は俺から先に言わせてもらうな。」



ずいと大きく間隔をつめる、軽薄で傲慢な男だけが居た。


「チャンミナ。」


契約違反だと、薔薇だけ置いて帰ればいいのに。
名前を呼んだイ・ダルが一瞬カメラマンの顔になり少しだけ躊躇する。






「一緒に仕事してこれほどかと戸惑った。暫く距離を置いて、直感が確信に変わった。」
「え、…何言って、…っ、…」




「チャンミナは、…俺の半身。球場での出会いは運命だった。」
「は?」


「俺を選べよ、チャンミナ。」


「ふ、ふざけるな、っっ!!」
カァァと頭に血がのぼる。
あまりに確信めいた言い様に頭が混乱する。
何を言ってるんだおかしいんじゃないかと背筋を嫌な汗が伝った。


逃げようと、薔薇を持ったままでいい今すぐこの場を離れなければと右手に握った玄関ノブを押すつもりが、


───ガッ、


逆に恐ろしいはやさで右手首を取られ勢いのまま引かれた。
背後でドアの閉まる音。
捻りあげられた手首、痛みに顔を歪めながら近すぎる距離のイ・ダルを睨みつける。










「緋色の薔薇を6本、…灼熱のような恋をしよう、チャンミナ。」
「っ、…ゃ、やだ、っ、」
「『僕もです』だろう?」




五分五分の力。
押しては引く震える腕の隙間にイ・ダルの熱い息がかかる。
一瞬緩んだ隙、首筋に鋭い痛みがはしった。




「っ、な、…///」
「ふ、受け取りのマーキング。」


「っ、ふざけるな!誰があんたなんか、っ!」


思いきり両手で突き飛ばしよろけたヤツの手をほどく。
背を向けた途端ヤツの腕がまわり体ごと引かれ、先ほどまでと比ではない力強さにもがいても微動だにしない。






「触るなっ、…っ、嫌だ、やめろ、」




───ユノ、ユノ、ユノ、……っ、




この場にはいない、到底助けなど期待できない名前を何度もよぶ。
嫌だ触るなと、繰り返し繰り返し。




気持ちが悪い。
鳥肌が立つ。
あまりの嫌悪感に泣いてしまいそうだけど泣くもんか。


押さえつけられ金属のドアと同化しそうに冷たい。
頬も肩も、心臓も。
イ・ダルの心音が背中で脈打ち、うなじにかかる息だけが熱い。






「なあチャンミナ、撮影中俺達はひとつだったろ?どんなセックスよりも濃厚な交わりだった。違うか?…ユノなんてやめろ、俺を選べよ。」
ユノの何を知ってるのいうのか。
馴れ馴れしくユノなんて呼ぶなと毒づく。
「でもユノが恋人なんだろ。すげぇ目で睨んできたもんな。武術でもやってんの?俺、あれから暫く腕が痛かったんだけど?」
それでもしつこくユノの名前をだす。
あんたなんかユノに敵うもんかと言いたいのに肝心のユノがいない。







「…なあ、そろそろ諦めたら?部屋へあがれよ。旨いワインが用意してある。2人で写真集完成の祝いでもしないか?」
「嫌だ。」
「…何もしないから。今日は気持ちを伝えられただけでいい。」
「絶対に嫌だ。」
「ふ、強情だなぁ。」
「じゃあ離せ。あんたと話すことはない。」




イ・ダルに背を向けたままドアノブをつかんで手を離さない僕と、後ろから抱き込んでひっくり返したいのにそれが出来ないヤツ。
我慢比べのような時間が経ち。
先に諦めたのはイ・ダルだった。



「…チャンミナ?いるのか?」
玄関の外で声がした。
それは車で待っていたはずのハヌルさんの声で。
なかなか戻ってこない僕を心配して来てくれたんだろう。


「…なんだ、ペアで仕事するんだ?リサーチ不足だったな。」
言いながら僕へまわした腕を解放した。







「チャンミナ、また会うよ、そのうちな。」
いつか聞いたような台詞を吐きながら。







僕は無言のまま玄関を出て、この衝撃的な出来事をどう消化していいのか分からず。
車に乗って安心したのもあると思う。
「チャンミナ、…どうした?震えてるぞ。」
そうハヌルさんに優しく髪を梳かれたら我慢できなかった。


ぶわっと張った膜がやがてボロボロと手の甲を濡らす。
意味が分からず焦るハヌルさんの隣で。
ユノを想って僕は、───ただ泣いていた。
















※タイトル画、バナー画像をAliさんよりいただいてます『ホミンを愛でるAliの小部屋』














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