HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

APPLAUSE-告白-75


































「っ、どうした、チャンミナ?」
「……、」



優しく肩に手を置かれゆっくりと向き合う。
でも僕は、何も、…としか言えずうつ向いたまま。



「これは?」
余程目立っていたのかハヌルさんの指が僕の首筋に触れた。
赤く鬱血した痕。
こんなのさっきまではなかったとハヌルさんの目が言ってる。
誤魔化しようがなかった。
ズズーっと鼻をすすって渡されたティッシュで鼻をかむ。
赤い鼻先をきゅっと摘ままれ、「ほら、言えよ?」と促されてポツリポツリと白状した。





「イ・ダルかぁーーっ、…」




深いため息をつきながら運転席で思いきり伸びをするハヌルさん。
イ・ダルがいたマンションから少し離れた路肩に車を止めていた。
僕はもう落ち着いていて、出来れば今すぐユノに会いたかった。
今夜は遅いかもしれない。
約束もなにもないけど、…でも会いたかった。



「…ユノさんは?」
ずっと心を占めてる名前がハヌルさんの口から出たことに驚く。
「ユノさんにはイ・ダルのこと話してるの?」
「……」



カメラマンとしてのイ・ダルについては話した。
ファッション雑誌のグラビア撮影とはまるで違う独特の世界観を興奮ぎみに、それこそ毎日のように。



「あのさ、…イ・ダルとのプライベートについてはチャンミナからはっきり断ればいい。俺も気にしておくから。でも今夜のこと、ユノさんへは内緒にしな。」
「…ハヌルさん?」



「ユノさんが知ってもどうしようもないだろ?…それに、イ・ダルはただのカメラマンじゃない。うちの大株主の御曹司だ。ユノさんが何かするとは思えないけど、下手なことされたら困るからさ。」
「っ、…そんなこと、」
「ないとは限らない。あのさチャンミナ、…言いにくいけど、男同士ってのは男女の関係より垣根が低いっていうか快楽だけで寝たり結構普通だったりするんだよ。」


そんなこと言われても僕はユノしかうけつけない。
それを簡単に断れと言われてもヤツが素直に了承するとは思えなかった。




「ハヌルさんの、…馬鹿、…僕、気持ち悪くて死にそうだったのに、…」
またじわりと涙が滲む。
ハヌルさんはイ・ダルの肩をもつのかと悲しかった。







助手席から体ごと窓を向いて遠くオレンジが連なるハイウェイを眺める。
背中のため息も知らんぷりして滲んでぼやける灯りを見つめた。





「…ごめん、チャンミナ。意地悪だな、俺。口では綺麗ごと言ってそれは嘘じゃないけど、…たまに苦しくなる。イ・ダルみたいな正直さが羨ましくなる。」
「…ハヌルさん、…」
「ほんと、ごめん。おまえがさ、あの人だけ特別ってのは嫌ってほど分かってるから。」





ハヌルさんはどうして僕なんだろう。
遊園地で告白されるまでまったく気づかなかった。
───気づこうともしなかった。



「ごめんなさい、…」
「謝るな、よけい惨めになるだろーが!」
ハハッと笑って僕の髪をクシャクシャっとかき回した。
自分のことなのにハヌルさんの届かぬ想いが切なくなる。
それくらいハヌルさんは僕にとって大切な人なんだ。







「でもさ、やっぱユノさんには言わない方がいいと思うぞ。あの人、チャンミナに関しては独占欲丸出しだからなぁ。何にも執着しない飄々としたタイプだと思ってたのにチャンミナに対しては当てはまんないだろ?」


「あ、ありが、…///」
「ん?」
「あ、…いえ、」


思わずお礼を言いそうになり慌てて口をとじる。
ユノにとって特別ってのは僕への魔法の言葉で、さっきまでの沈んだ気持ちがたったこれだけで急浮上する。
単純だな、僕は。


いけないと思いつつ、でもニマニマしちゃって。
ハァ~とため息ついたハヌルさんから、分かったか?と念を押される。


「あ、は、はいっ。」
取りあえずの返事。
何が分かったか本当に分かってんの?とハヌルさんの顔には書いてある。
そうそう首に付けられたこれは事故だ。
ハヌルさんが呆れるほど僕への執着を隠さないユノがいるのに、こんなキズひとつで悩んでる場合じゃない。



「あー、…チャンミナさぁ、そんなに好き?」
「はい。」
間髪入れずにこたえた。
「えっと、ユノさんのことだぞ?」
「当たり前じゃないですか。」
少し引きぎみに、強くなったなぁ、なんて言うから素直に誉め言葉と受けとりニッコリ笑う。
僕の好きはもう変わらない。
だからハヌルさんも前へ進んでと願いをこめて。












好きだと、変わらない想いは強いけど。
会えないことにはめっぽう弱い。


鏡で確認した痕は結構なマーキングになってて。
あらためてイ・ダルに腹が立ち、部屋にあったクッションをイ・ダルに仕立て思いきり蹴っ飛ばしてやった。
それでも腹の虫がおさまらない。
こんな目立つところにこんな目立つ痕。
1週間は会えそうにないと泣けてくる。






そういうときに限ってなんだ。
北の部屋で着替え中、めずらしく早い時間にユノんちの明かりがついた。
まずは一服だよね。
カーテンが揺れてその向こうにスーツ姿のユノ。
オリーブ色のモッズコートまで着たままだ。
ブラックスーツにモッズコート、大人っぽいんだか子供っぽいんだか微妙な組み合わせもユノが着ればなんだって格好いい。



気づけば窓に貼りつきベランダを凝視する僕。
タバコを取りだし口に咥える仕草が何となくだけど分かって。
タバコくらいの大きさのユノと、こちらも明かりがついてるとはいえ目隠しの奥の奥、ユノからでは見えるはずないのに目が合った気がした。




だって、僕をよぶ。


煙の白なのか息の白なのか、こんな寒いなか吐いた白の向こうでクイクイと。
返した手のひら、人指し指は僕を指してる?
残りの指が前後して、見えない僕をよんでる。


冬で良かった。
流行りのピタッとタイトなタートルを着よう。
イ・ダルとの近すぎた距離、匂いや腕の感触を上書きしてほしかった。
ビールだらけの冷蔵庫から何本か拝借して、仕事するユノの背中で飲んで酔って泣いて忘れてしまおう。


爽やかな絶倫くんには、…そうだな。
焦らしに焦らして、──服、着たままシタイ。
甘えた声音で言えば飛び掛かってくるユノしか想像できないと一人で笑った。







ねぇユノ、そんな日常がずっと続くと思っていたんだ、僕は。







※タイトル画、バナー画像をAliさんよりいただいてます『ホミンを愛でるAliの小部屋』
















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