HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

APPLAUSE-告白-83



































今日はずっと楽しみにしていたチェコビール飲み比べのやり直しで、ユノと2人、…楽しい夜になるはずだった、───。











「そろそろ返事を頂いても宜しいでしょうか?あちらのエージェントにも都合がありますので。」
いきなりやってきたイ・ダル。



社長室では社長とイ・ダル、そして僕、それになぜかハヌルさん。



「祖母が写真集を見てチャンミナを気に入りまして。それにこの事務所の誠実な仕事ぶりや実績も大きく評価してるようです。」
「ありがとうございます。」
満面の笑みはうちの社長だけだ。
口先だけで関係ないと言うけど、僕が逆らえないよう脅しのように出てくる大株主の名前。
所属モデルのリーダー的存在で、僕へ影響力が大きいと判断され同席したであろうハヌルさんも何か言いたげに眉を寄せている。





「こちらの事務所から契約モデルとして勉強に出すと思ってください。帰ればイタリア帰りとして箔がつく上にアチラのエージェントとのコネもできる。ボスが祖母の旧友なんです。行って暫くは俺の専属モデルとして慣れてもらいますが、…どうです?いい話でしょう?」
「本当に。あんな大手のエージェントと繋がりができるだけでも光栄です。イ・ダルさんには仲介役までお願いしてしまって。」



ご満悦な社長越しにチラチラと僕を窺うハヌルさんは僕の真意をはかりかねてるようだった。
申し分のない話だと思う。
そこに在籍していたというだけでモデルとしての格があがるようなエージェントだ。
高みを目指す人間にとっては羨ましいかぎりで、実際一部のモデル仲間からは妬みの対象になっていた。
体でイ・ダルに取り入ったと陰口すら聞こえるほど。
それはハヌルさんの耳にも当然入り、ふざけた噂話するなと叱責する姿を何度遠巻きに見たことか。









そんなハヌルさんの姿を見かけるたび僕は断れないと思う。
チャンミナの実力だと言うハヌルさんのそれに報いなければと。
大手エージェントや大株主の反感を買うことは避けなければと。



「じゃあまたな。」
相変わらず目を見張るようなセルリアンブルーのスーツを纏い、どうだとばかり着こなしている。
イ・ダルはどうしてこうもふてぶてしいのか。
「イ・ダルさん。」
声を掛けたのはハヌルさんだった。
「貴方は今まで何でも意のままにしてきたのでしょうが、チャンミナのすべてを手に入れようとは思わないでください。」
今まで言葉少なに沈黙していた人のハッキリとした口調。
「イム・ハヌルさんでしたっけ?……ふぅん。」
「なに?」
「いや、…アンタも同類なんだと思ってね。」




───ドンッ、



軽い衝撃と半歩後ずさったイ・ダル。
「っ、ハヌルさんをアンタと一緒にするな!」
思わず荒げた声。
止められずイ・ダルの肩先を突いてしまって。
社長が電話で呼ばれ、僕とハヌルさんだけの見送りでよかった。
「…チャンミナ、」
どうしてかハヌルさんが心底驚いた顔をしてる。
「ハヌルさんを侮辱するのはやめてください。」
僕にとってこの世界の楽しさを教えてくれたハヌルさんは良き先輩であり兄のような存在なんだ。
僕へ恋愛という意味での愛情を持ってると言いそれでも変わらず兄のように接してくれる人を、
「アンタとハヌルさんは全然違う。」
一緒にするのは許さないと思った。



「あー、そう。」
ふっと自嘲ぎみに口端を歪め、つい言い過ぎたと気を緩めた僕の首筋へ指を伸ばす。
そこは以前イ・ダルに吸い付かれ痕が残った場所で、カァっと一瞬で熱くなった。
「ほんとチャンミナってさ、罪だよなぁ。どんなことしても奪いたくなる。」
「なっ、…!///」



なんてヤツだと、
やっぱりどうしてもこの男は苦手だ。
何を言っても真綿を掴むように手応えがなくヒラリと躱される。
ニヤニヤしながら帰っていくヤツの背中を眺めながら、僕はもうユノに会いたくて堪らなかった。
「チャンミナおまえさ、事務所よりもまず自分のことを考えるんだ。いいな?」
心配そうなハヌルさんの声が聞こえても、うなずくよりただユノへ会いたかった。











「───ユノ、…居た。」




もしかしたらと期待していたけど。
その期待が現実になったときの嬉しさったらないな。





事務所まえの舗道で背中を向けて遥か交差点方面へ視線を寄せていた。
背中だけでも当然わかる。
嬉しくてつい足早になり、さすがに飛びつかないよう自制しながら慎重に。









振り向いたユノの悲痛の表情を僕はまだ想像すらしていなかった。


















※タイトル画、バナー画像をAliさんよりいただいてます『ホミンを愛でるAliの小部屋』















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