HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

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APPLAUSE-告白-86

































「今日はもう雑誌の打ち合わせだけだから体調が悪いってことで俺だけでいいよ。おまえ、もう帰れ。」




大きなため息が頭上から聞こえる。
ああ、呆れられた。
いい大人が子供みたいに泣きじゃくって恥ずかしい。
しゅんと項垂れ一歩踏み出したところで止められた。



「…やっぱ帰るな。落ち着いたら顔洗ってユリさんとこで待ってな。俺も終わったら行くから。」
「…ハヌルさ、」
「わかったな!待ってろよ。」
トントンと背中を小突き僕の返事も待たずハヌルさんは行ってしまった。







仕事に手を抜かないとか、
自分の道を選びとるとか、
エラソーなこと言っても所詮僕なんかユノに会えないだけでこのざまだ。
自己管理が大切な仕事でむちゃくちゃな生活して、ハヌルさんが怒るのももっともで。
出来ればもっともっと叱ってほしかった。
ユノで埋め尽くされた頭に冷水ぶっかけて、
「もっと冷静になれ。なるようにしかならないんだから。」と、大したことないように諭してほしかったんだ。












「チャンミナ~」



もともとなで肩なのをさらに落とし指定席のようになったカウンターで小さくなっていた僕へ、明らかにテンション違いの声がかかった。
声とそのテンションでわかる。
以前のようにユリさんと喋ることさえ難しいほど店を繁盛させた張本人、セギュンさんだった。



「分かりやすいくらい落ち込んでるけど、どうした?」
ニコニコと話しかけてくる。
人は生きてる長さの分だけどんな悩みもちっぽけになって人生を達観するのだろうか。
「…羨ましい。」
「は?」
「あ、いえ。」



でも僕はまだまだひよっこだから、ニッコリ笑ってセギュンさんにつき合う余裕なんてなかった。
うつ向いた僕の隣にヨイショとかけ声も元気に腰かけしつこく僕を窺う。



「セギュンさん、僕見ての通り落ち込んでるんです。」
だから放っておいて、と言いたいのに。
「だね。例の可愛い恋人のような人と喧嘩でもしたのかな?」
ズバリ当てられ、
「あ、当たったね。」
返事しなくても顔色で答えてしまう自分が恨めしい。


「喧嘩は悪いことじゃない。本音を言い合えてより相手を理解するチャンスでもあるんだ。本当に相手のことが大切なら解りあえるよ。」
この人はだてに遊びまくって、でも結局は奥さんへ100本の薔薇を贈ったわけじゃないな。





「…セギュンさんのことですか?」
「いや、チャンミナのこと。」
年の功というのかセギュンさん自身の包容力というのか、それとも僕が弱ってるからか、つい色々と話してしまいそうになる。






「───実は、誤解させてしまって、…」
「うん?」
「いや違うな、…僕は傷つけた。子供みたいにふざけるのに急に大人っぽく僕を包む優しい人なんです。」
「ほぅ、…」
「その人に、…酷いことを言わせてしまった。たぶん、言った本人が一番ツライようなこと。」



不思議だ。
言葉にすればするほどユノの気持ちが近くなる。
ユノをユノじゃなくしたのは、───僕だ。







「ね、どうして恋人のような人なんだい?恋人とは違うの?」
「あ、…えっと、その、…男性なんです、その人。」
「へえ、そう。男性だけど可愛いんだね。」
思わず言っちゃって、驚くかと思ったセギュンさんは全く動じない。
「や、…か、可愛いのは僕にだけで、…男らしいし格好いいしお人好しなほど優しいし仕事もできるし明るくて爽やかだし、…それに、」
「…それに?」
あまりに優しげに笑うから、つい僕も素直になってしまう。




「───僕のこと、すごく大切にしてくれる。」




言った後、少しだけ後悔。
初めてセギュンさんが目を丸くした。
やっぱり男同士とか、驚くし軽蔑されるかな?



「あの、…」
「びっくりした、…これって、喧嘩の相談なの?それともただの惚気かい?」
「な、…!///」


僕は馬鹿だ、///
ただの常連仲間にこんなに力説するとは。
恥ずかしい。
恥ずかしいけどセギュンさんの温かい笑顔に僕の胸もポッと明かりがともったようで。



「恋人ってのは恋してる人って意味なんだから相手が女性だろうが男性だろうが関係ないんじゃない?そっか、チャンミナにはそんなに素敵な恋人がいるのか、残念だなぁ。」
全然残念そうに見えないセギュンさんがにこやかに言い、僕の目の下へそっと触れた。
「ここ、…クマが酷いな。こんなになっちゃうくらい好きなんだ、きちんと向き合えばきっと仲直りできるよ。」
「セギュンさ、…///」
「…好きなんだろ?」
「……///」



覗きこむように、じぃっと。
恥ずかしくて目をそらしても許してもらえそうにない。


「あ~、それほど好きじゃないなら俺にもまだ狙う価値があるってことかなぁ?」



───じいさんめ、奥さんに言いつけるぞ。






ふざけてるのか心配してくれてるのか、本当に読めない人だ。




「───好き!」
「んん?」
「好きです、…大好き。僕の一目惚れでずっと好きだった。お互いノーマルで彼女いたのに、もうホント特別で、この先これ以上誰かを好きになることなんてないくらい好きです。」
「…おぉ、」


もう、…ヤケクソ。
でも真実で、
言葉にして声にだしたら堪らなくユノに会いたくなった。
細かい言い訳なんてどうでもいい。
この真実だけを伝えたい。






「そっか、…じゃあ行ってきなさい。」



何も言ってないのに見透かしたように言われ、トンと背中を押された。
驚いてセギュンさんを見れば、ニッコリ笑って出口を指差す。
これって、…ユノに会いに行けってこと?



「でも、ハヌルさんが、…」
ここで待ってろって言ったのはハヌルさんなのに。
「あー、いい、いい!適当に相手しておくから。」
適当にって、後で叱られるのは僕なんだよね。
「うちにも荒れ狂ってるヤツがいていい加減鬱陶しいんだよ~。」
「は?」
「いや、なんでもない。とにかく行動あるのみだよ、チャンミナ。」
セギュンさんの指差しの指がかたまりで動きだしてしっしっと手で払ってるようにしか見えない。



「あ、ありがとう、セギュンさん。」
それも優しさに思えて僕は店を飛び出した。
















ユノの会社は自社ビルで、大通りに面した正面玄関がよく見える道路を挟んだ真向かいからコッソリ覗く僕。
ユノの退社時間は不規則だから何時間でも待つつもりでいたのに。



ほどなくして現れたその姿を僕はあっという間に見つける。
退社ラッシュというわけじゃないけど、そこそこ人がいて。
それなのに浮き上がるように僕の眸はひとりしか映さない。




それこそタバコくらいの大きさ。
これはもう特技と言ってもいい、僕はユノを見つけるのが恐ろしくうまいんだ。


「ユ、…、あ、」


踏みだした足がピタリと止まる。
無駄に高い背、厚みのある体がいけない。
見えなかった。
肩先からひょこっと見え隠れする小柄なのにバランスのいい遠巻きでも可愛らしい雰囲気の女性。



目線どころか顔全体をあげなきゃユノと目を合わせられないみたいで。
うつ向き気味のユノの表情なんてここからではわからない。
ふとその女性へ向けた視線、その横顔が見えて。




───なんだ、ユノ。笑ってるじゃん。




ずんとめりこむほど気持ちが沈んで。
虚ろにその光景を眺めていた。



道路脇に立つユノの元へ静かに車がすべりこんだ。
ベントレー・ミュルザンヌ、高級車だ。
助手席のウィンドウ越しに運転手と何か言い合い、諦めたように後部座席のドアへ手をかけるユノ。
そこで思いだしたように振り向く。
突っ立ったままの女性へ、…なんだろ、乗ってく?とか聞いてるっぽい。
瞬間、断れ!と願った僕の願い虚しく、嬉しそうに綻んだ様子がこんな遠くてもよくわかる。



ユノは少し戸惑った?
だったら、…いいな。
それでもその女性へ先を譲り、自分も隣へ乗る。





再びゆっくりと動きだした車の後部座席。
広いウィンドウなのに楽しそうにはしゃぐ女性に隠れ、






───ユノが、見えない。

















※タイトル画、バナー画像をAliさんよりいただいてます『ホミンを愛でるAliの小部屋』

















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