HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

APPLAUSE-告白-87


































ハヌルside










とぼとぼと、そんなに足が重いのか?と聞きたくなるくらいの様子でカフェへ戻ってきたチャンミン。




「あ、…ハヌルさん。」
そう言ったっきりカウンターにうつ伏せてしまった。


俺はといえば、…急いで仕事を片付け駆け込んだ店で、チャンミンはいないしセギュンさんはのらりくらりと掴めない会話でイライラしていた。


そもそもこのチャンミンの荒れっぷり。
原因は知らないけど関わってるヤツは間違いなくアイツだ。
イ・ダル、──俺を同類だと鼻で笑ったヤツ。



一緒にするな、と。
思わず握ったこぶしに力が入ったのを、



────ハヌルさんをアンタと一緒にするな!



とっさに出たらしいチャンミンのセリフに救われる。
その時の驚きと胸にこみあげる熱いものを説明しろったって無理だ。





案の定というか予想通りというか愛しい人の想いが通じて、本人達は気にしてるのかどうか、どう見ても熱い2人。
絡まる視線の濃さを。
腰を抱き頬に触れる自然で慣れた手つきを。
初めて見る、うっとりと艶やかな微笑みを。


当然のように受けとめ意地悪くからかってみても時々チクンと胸を刺す痛みはもう日常茶飯事だった。
でも、それでいい。
チャンミナさえ幸せに笑ってくれれば、その笑顔をずっと見ることができれば、──それが誰に向けられようとも。






「…ハヌルさん、…ユノが、…」






遠慮がちだったのは最初のうちだけで、今では毎日のように連呼される名前。
ユノさんの仕事帰りが遅いだの、
自分が寝てる間にアイス食ってるだの、
そんなの正直どうでもいい。
ただそれを話すチャンミンの何とも言えない拗ねてはにかむ表情が可愛くて、面倒くさそうにしながらも聞いていたのに。





「だから、…チャンミナ、泣くなって、」





こんな顔が見たくて諦めたわけじゃない。




















「あ、…ああ、…ハヌルさんでしたか。」



翌日、チャンミンの一喜一憂を完全に左右する男の職場へ強引にのりこんだ。
返答次第では宣戦布告するつもりで。


チャンミンが言うように、チャンミンへ愛想を尽かし逃げるように消えたのなら許さない。
名乗ったら出てこないんじゃないかと知り合いとだけで名乗らず強引に呼び出してもらったのに。


「ちょうど休憩しようと思ってたんで、珈琲でもどうです?」
相変わらず憎いほど爽やかな笑顔をのっけて言う。
「ああ、出来れば社外がいいな。」
万が一にも社内で殴られる姿を晒すのは嫌だろ?
「ですね。」
そう言った男の顔が突然真顔になった。





その視線を避け磨きあげられたフロア、吹き抜けのロビーを見渡す。
立派な社屋、忙しく行き交う社員。
そういえばこの会社の社長の息子だったと思い出し、微塵の傲慢さもない男に感心する。
そんなところがチャンミナに愛される理由なのだろうか。


今、目の前でかちっとスーツを着こなし真剣な表情の端正な顔立ちからはチャンミンがよく言う《可愛さ》なんてほとんど感じない。
それはチャンミン限定なのか、それとも他の男に請われ事務所の為と言えど海外へ行くと言うチャンミンへ愛想を尽かしたということなのか。











「俺はチャンミナが好きだ。」
「……。」
「ユノさんと知り合うもっとずっと前から好きだった。」



「…ど直球ですね。」
「ああ、状況が変わったからね。」


単刀直入に言った。
ノーマルで男となんて考えたこともなかったであろうチャンミンをここまで変えた罪は重いよ。
ユノさんが逃げると言うなら俺はもう遠慮はしない。
それだけ伝えて退散するつもりだった。
気持ちがないなら余計なことするなよとクギをさし俺に任せろと宣言するつもりで。



「ハヌルさん、…言いませんでしたっけ?」
「は?」



それがみるみるうちに強く光を宿す眸。
逸らしたいのに逸らせない鋭い視線は、普段の爽やかさからは到底想像できない。



「俺の後ろで並んでも無駄だからさっさと諦めてくださいって言いましたよね。」
低く唸るような物言いに怯みそうになるが俺もそう簡単には引けない。
「あんなズタボロなチャンミナをほおって逃げといてよくそんなこと言えるな?」
「…え、…?」



「なに?思いもしなかった?」
心底驚いたって顔。
コイツ、チャンミンがどれほど自分に溺れきってるのか解ってないのか?
「…俺が酷いこと言ったから怒ってるだけだと。」
イライラする。
「──それで昨日は可愛い女子社員をお持ち帰りか?」
駅まで送っただけかもしれないがそんなことはどうでもいい。
「え、…昨日?」
「ここまで来てそんな光景見せられたら泣きたくなると思うぞ、チャンミナも。」
これにはずいぶん堪えたようで固い表情のまま黙りこくってしまった。








この男も不器用なんだなと思う。
恋愛慣れしていない。
今まで言い寄られるばかりだったのか?
チャンミナだってそうだ。
慣れない2人がお互いを求めすぎて沈没しちゃってるという状態か?





「急に実家に呼ばれたのは本当で、…すぐに帰ればよかった。これ以上チャンミンを傷つけたくなくて。ひと通り荒れたら浮上して、チャンミナを手離したくない、…考えに考えて、準備も交渉も実家の方が都合がよくて、…」
ひとりごとのようにブツブツ言って悔しそうに爪を噛む男もよく見れば目の下にクマが残り整った顎のラインに小さな吹き出物が散っていた。
寝不足なのだとすぐ理解して。





「ユノさん、チャンミナはイ・ダルとは何もないからな。」
そんなことを言ってしまうお人好しの俺。
それほど驚くことじゃないのに目を丸くしてこちらを凝視するユノさん。






「───イ・ダル?」



「イ・ダルって、…言いました?今。」
「あ、ああ、カメラマンのことな。」


「…アパレル会社の、」
「そうそう、うちの事務所の大株主にもなってる会社の御曹司。チャンミナ、そこまでは言ってないんだ?」
「……。」
「新ブランドの専属モデルを餌にチャンミナを取り込もうとしてる卑怯なヤツだよ。ただ実力も伴ってるからあまり文句も言えない。チャンミナもそれは認めてると思うんだ。」



業種違いと言えど立場的には似てる2人だ。
もしかして知り合いだったのか?というほど驚くユノさんにこちらが戸惑う。






深く顔を伏せたのは一瞬。




「ハヌルさん、俺、…行かなきゃ。」




慌てて席を立ち伝票を手に取るユノさんは先ほどまでとはまるで違ってた。



「ユノさ、…ちょっと、っ、」



「ハヌルさん、これは借りです。でも反則技は許しませんからね。」






もっとケチョンケチョンに責めて、あわよくば別れてくれたら万々歳だとまで考えていたのに、





───なんて、…嘘だ。




その後のチャンミナを想像しただけで怖い。
そしてそのチャンミナの笑顔を取り戻せるのは俺じゃないって、思い知るのが怖いんだ。





そう複雑な気持ちで、真っ直ぐ出口へ向かう背中を眺めていた。

















※タイトル画、バナー画像をAliさんよりいただいてます『ホミンを愛でるAliの小部屋』
















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