HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

APPLAUSE-告白-92

































彩りも鮮やかなオードブルにフルーツ。
そしてよく冷えたシャンパン。




ワゴンの上にはもうひとつ、スエード素材のトレイがあって。



「…ユノ、これ、…」
「ん、本当は会場内で渡すつもりで用意したけど、やっぱ恥ずかしいし潰しちゃいそうでさ、」


それは一輪のブルーローズ。


ひょいと取って僕の胸ポケットに挿す。
満足そうに笑みを漏らすユノを見て、ああコレがしたくて上着を脱がせなかったんだとわかった。




出逢った日、正確には僕が振られて酔った勢いでブルーローズに勇気をもらいユノんちへ押しかけた日。
その日と同じ真っ白なスーツに一輪のブルーローズ。



これもユノの言う気合いのひとつなのか。



「──キザめ、」
そう悪態つくのに。
ユノが、笑う。
ぼろぼろ頬を伝うものに顎先から落ちてやっと気づいて。







「チャンミナ。」
伸びてきた手を避けるようにそっと掴んだ。
「ユノ、僕から言わせて。」




すぅと息を吸い込む。






「…イ・ダルのこと、黙っててごめん。ユノを傷つけて、ごめんなさい。」
「チャンミナ?」
「今までも海外のエージェントからいくつか話はきてて、でも断ってた。今回はヤツの周到な手回しもあったけど、…でも、本音を言えば、迷ってた。」
「…うん。」


ユノを見れば分かってるよって顔。
僕の迷いなんてユノへは筒抜けだった?




「ユノと比べたことなんてない。イ・ダルなんか大嫌いだ。でも、惹かれた。ヤツのカメラマンとしての腕に惹かれて、もう一度って気持ちが嫌なのに鳥肌が立つくらい嫌いなのに、…消せなくて。」
「もういいよ、チャンミン。」





ふわり後頭部に回した腕を優しく引く。
ユノの肩先に顔を埋めて、それでも涙がとまらない。
泣くのはズルい。
飲んで勝手にストレス解消するのとは違う。
泣きたいのはユノの方かもしれなくて。
それを先に泣く自分がズルいと思うのに。




「大丈夫、…それでもおまえが好きなのは俺なんだろ?」
何度も頭を撫でられ髪を梳かれ、その手のぬくもりにまた泣ける。



そのうちしゃくりあげるまでになって会話すらまともに出来ず、
「ほんっと可愛いな、おまえ。」
くしゃりと笑うユノの唇を、腫れぼったくなった目蓋でいくつもいくつも受けた。



「花言葉は『不可能』と『夢叶う』、面白いでしょってチャンミナ言ったよな。」
あの時よりも蕾がかったブルーローズを指してユノが言う。



よく覚えてるな。
もちろん僕は覚えてる、だって一言一句をシミュレーションしてたから。







「俺の『不可能』はチャンミナと気持ちまで離れちゃうこと。それは絶対に不可能。」
「……。」
「で、いつかおまえのカフェでいちごスムージー飲みながら、その代金分で花とメッセージの宅配にかりだされるんだ。」
「…ユノ、…」
「それが俺の『叶える夢』、これも絶対な。」









話したこともまともに顔を見たことさえないユノを、───好きで好きで。
『不可能』と『夢叶う』、この薔薇に願掛けしてユノの視界に入ることを願った僕。
それをユノは、気持ちが離れることを『不可能』だなんて。






あまりに自分本意で、能天気で前向きで、



「だから、っ、…モデル辞めて雇われ店長でも、いつか自分の店持つって、…」




───もうどうしようもないほど、好きだ。











言葉途中で顔を上げユノの唇へ自分のを押しつけた。
予想してなかったのか目を丸くしたユノ。
でもそれは一瞬で。
あっという間に覆い被さる。
深く唇を重ね絡めた舌が身震いするほど気持ちがよくて。



一旦触れたらもう離れられず。
残り時間が頭を掠める。
息継ぎの時間さえ惜しくて、
ハァハァと荒く息を吐きながら僕から離れるユノを軽く睨みつけた。




「チャンミナ、最後、…これだけ言わせて。」
「後でいい。」
「駄目。」
「ユノがいい。」
「は?…っ、も、バッカだなぁ、」


いつもと反対、僕の方がてんで子供のようで。
情けないけど、…いいや、ユノがすごく嬉しそう。





「ユ、…ぅわぁぁ、っっ!」
名前を呼ぼうとユノへ向けた視界がぐるんと回った。
慌ててジタバタする僕をさらにぎゅっと。
まるで米俵のように勢いよく肩に担がれ、とっさのことで頭ん中がぐわんぐわんする。


「っ、や、おろせぇ、頭に血がのぼるっっ!」
「アハハ、軽いなぁチャンミナ。」


聞いてない。
まったく人の話を聞かない上機嫌のユノ。
そんなユノがどうなっていくかなんて僕はもう知っている。


「は、話、…話聞くから、お腹空いたってば!」
ここで流されたらせっかくのルームサービスを無駄にする。
焦って言えば、「ん?…ああ、」と言ったなり僕をキングサイズのベッドへ放り投げた。
ぼんっと跳ねて痛くはないけどちょっとだけムカつく。
そのまま消えたユノがワゴンを引いて、「行儀悪いけど、ここで食おうぜ。」なんて涼しい顔して。






「ここはうちの会社が建てたホテルで、じいちゃんとオーナーが友達だから大丈夫!」
にっこりと根拠のない自信を浮かべシャンパンのグラスを乾杯と掲げるから、まあいいかと乾杯以外の残りを全部僕が飲み干した。



やわらかくジューシーなローストビーフが極上で。
空腹だからガツガツ食べた。
ふと見ればフルーツばかり口にするユノ。
「これ、美味しいよ?」
親切に教えてやったのに、ニッと笑って口づけて。
「本当だ。」
なんてふざけてる。
ローストビーフのソースがイチゴ風味になった。
しかも果肉入り。
「ちょっとっっ!」
怒ってみても、…分かってる、ユノがニタつくわけは。
きっと僕は最上級にニヤついてる。



「チャンミナぁ~、別に急がなくていいよ。」
「んぐ?」
あ、がっつきすぎ?
だって美味しい、ユノの隣でさらに美味しいから。


親指の腹で僕の唇端をぬぐってペロリと舐める。
その濡れた赤が色っぽくて、つい見つめてしまう。
「なんだよ、これっぽっちのソースで怒るなよ?」
勘違いして勝手に拗ねるユノが可笑しくて、
「じゃ、僕もいただき。」
そっと顔を寄せ、…ユノの舌を食べてしまいたい。
















※タイトル画、バナー画像をAliさんよりいただいてます『ホミンを愛でるAliの小部屋』

















にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト