HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

キスは1日3回-1

































────ん、…っ、




風呂上がりだからか、いつも乾燥ぎみの唇がいい具合に湿って。


「…っ、はぁ、」


少し引いて、離れる寸前にもう一度押しつけようと身を乗り出す。


「こらっっ!もう3回だろ、ヒョン!」
「ちぇっ、」


「っもう、油断も隙もない。」





ぶちぶち文句垂れながら一気にビールを煽るのはシムチャンミン。
高校で2コ後輩だった。
生徒会長の俺と書記のチャンミン。
半期だけ一緒の役員で数えるくらいしか会話の記憶もなく、特に印象を残さないまま大学は別で。



再び会ったのは本当に偶然。



「…ユ、ユノ先輩?」
「あー、えっと、…シム、シムチャンミン!」



就職した食品メーカーの独身寮。
新卒で商品開発部へ配属された新入りが隣に入居するとは聞いていた。
営業部の俺とは畑違いだけど、誰とでも打ち解けられるってのが俺の特技で、密かに楽しみにしていた隣人。
それがまさか顔見知りだとは。



久しぶりに会ったチャンミンは、なんていうか、…美しく成長していて、ってのも変か。
高校生の頃から整った容姿ではあったけど、長めの前髪と分厚い眼鏡がいけない、それが晒される機会はほとんどなくひょろっと華奢な体型も相まって自信なさげに隅っこで立ってるイメージしかない。



「…変わったなぁ、シムチャンミン。」
「先輩は変わりませんね。」


それがどうだろう。
くりっと意思の強そうな目が真っ直ぐに俺を見つめ、男にしてはキメの細かい肌、綺麗な鼻筋、つるんと細いのに笑うと小高い頬が艶めかしくて。



「綺麗になった。」
「それ、男に使う言葉じゃないでしょ。」


あれ?
こんなにハッキリ物言うヤツだったっけ?
まあ、俺が高校卒業してから6年。
6年ぶりに会った後輩が美しく成長していた、めでたいことじゃないかと思っていた、──その時は。





部署が違うから変なしがらみもなく。
情報交換のように交わす会話は刺激的で楽しかった。


気づけば、ユノ先輩がユノヒョンになり。
シムチャンミンがチャンミナになった。



あの高校時代はなんだったのかと思うほどチャンミンは俺に懐き、俺もチャンミンを可愛がった。
暇があればお互いの部屋を行き来し、ゲームをしたりDVDを観たり、休日前は明け方まで飲み明かすこともザラだった。



「新入社員の飲み会でヒョンの名前が出てましたよ。やり手の超イケメンだってさ。案外有名人なんですね、ゴムがゆるゆるのスウェットばっか気に入って履いてるなんてとても言えませんでしたよ。」
チャンミンお手製のパスタをつまみにワインを飲んで、ほんのりほてった顔でそんなこと言う。
「言うなよな。せっかくのイメージが台無しだろ?」
「あー、たぶんその気になれば入れ食いだと思いますよ。女の子達がユノヒョンの噂話でキャーキャー言ってましたから。」
特別羨ましいって感じでもなく淡々と言い、くいっとグラスを空ける。
「ね、もう一本開けていい?」
ハァと吐く息が熱い。
チャンミンの興味は今のところワインに集中してるようで、


「ああ、…でもその前に真面目な話、──いい?」


今日こそは、と考えていたことを実行すべく腹を決める。


「…うん?」


キョトンとした顔が、


「可愛い。」
「へ?」


「お前のこと、…無性に可愛くて。自分でもおかしいって何度も考えたし否定した。でも変わんないから諦めた。」
「……。」



俺は正直な人間だ。
人を騙すのも嫌だ。
近しい人間になら尚更。



「…好き、…お前が好きだ、チャンミナ。」



一瞬沈黙のあと、
「は、…えっと、…僕も好きだし、尊敬してますよ。」
照れくさそうにボソッと。
でも違う、そういう好きじゃない。



「友達とか同僚とか先輩後輩とか、そういう好きじゃない。」

「え、ちょっ、…」
さすがに焦りだしたチャンミン。 
ゴメン、これでも寝不足になるほど悩んで考えた結果なんだ。


「キスしたいって意味の好き。」
「え、えっ、…えーーっっ?///」


「…驚きすぎ。」
「や、驚くでしょ?あんた、なに言ってるんですか!///」


のけ反るほど驚くチャンミン。
付いた後ろ手が緊張で強張り、腰抜かしてる?ってほど不自然な体勢で逃げをうつ。


「逃げるなよ。別に今すぐ襲ったりしねぇよ。失礼なヤツだなぁ。」
「だって、ユノヒョン、この間まで彼女、いましたよね?」
「まあな、お前が好きだって自覚したから別れた。」
「な、なんつー、馬鹿なことを、…」
「馬鹿って言うな、これでも本気なんだからな。」
「あわわわわ、…!」


でっかい目ん玉が飛び出そうに驚愕する顔と、俺が動くたび跳ねるように警戒する体。


───ああ、マズったな、…そう思った。


チャンミンも俺を、なんて都合のいいこと考えちゃいない。
あー、でもほんのちょっとだけ期待してたかも。
それほどチャンミンが俺に向ける視線は可愛くて、特別で、親愛に溢れてると思ってた、…勝手に。



「…悪かった、チャンミナ。」
スッと立ち上がり、チャンミンの部屋から出ていこうとする俺へ。
「ユ、ユノヒョン?帰っちゃうの?」
それでも追いかけてくるから諦めがつかない。



「俺のこと、気持ち悪いだろ?」
「…気持ち悪くは、…ない。」
「でも好きじゃないだろ?」
「…好き、だけど、…。」
「キス、出来ないだろ?」
「……。」


意地悪だ、俺は。
そんな気まるでないヤツに男同士の性的関係を強要してる。
今まで築いた友情を楯に、チャンミンからの信頼を裏切って、──卑怯なヤツだ。


「…ユノヒョン。」
「もういいよ、ごめんな。でもさ、俺は本気で好きだから、やっぱもう今までのようにはつき合えない。じゃあ、元気にやれよ。」


ユノヒョン!と背中で聞いて。
立ち止まりたかったけど無視した。
ゴメン、と心のなかで何度も謝る。
俺だってもう限界で、気持ちを偽っていい先輩のフリはツラい。




「たま~に会社で見かけますけど、いつも誰かと肩組んでません?本当、パーソナルスペースの狭い人ですねぇ。」
つい部屋だと隣に座っちゃって、話しながら手が伸びる。 
文句垂れながら嫌な顔するでもなく、されるがままのチャンミン。
チャンミンにだけ向ける下心を想像もしてなかっただろうなぁ。
ふざけたように俺の手を振り払い、フォローするように俺の肩へ凭れかかる。
そんなチャンミンを裏切ってしまった。
ゴメン、──もう1度だけ心のなかで呟き、部屋を出た。












会わないように気をつけなくても、会おうとしなければ会えない距離感だったと意外にもその後気づいた。
会社での接点はまるでない。
フロアも階が違うから余程じゃないと見かけることもない。
残業や出張が多い俺と違ってまだ新人のチャンミンは定時上がりが多く、帰りがけバッタリという偶然もない。


夏の高い夜空に浮かぶチャンミンちの明かりだけがその存在を示していた。







告白から2週間たった、ある晩。
ドンドンッと乱暴に叩かれるドアに飛び起きた。
時計は0時をとうに過ぎ、そういえば残業続きで疲れ倒れこむように寝てしまったんだった。



「…ユノヒョン」


ドアの向こうにはチャンミンがいて。


「ヒョンの馬鹿やろっ、」


酔っぱらってるのか酒くさい。
しかも目が据わっててちょっと恐い。
いきなり衿元を掴まれぐいぐい前後に振られ、驚きで言葉が出ない俺の胸に体当たりで頭突きされた。



「っ、ちょ、チャンミナ、痛っ、痛いって!」
「~~っ、ううっ、…!」


俺の胸で唸る塊。
なかなか手の力を緩めないから息苦しくて堪んないけど。


「チャンミナ?…どうした、何かあったのか?」


優しく背中を撫でてやった。
大きく上下させて真ん中でポンポンとあやすように。
こんな結果になったけど、そんなにツライ事があったなら話を聞いてやりたかった。
大丈夫だよと、強張った体をほぐしてやりたかった。



「うう、…っ、…さ、3回。」
「ん?」
「…1日、…限定3回、…っ、///」
「は?」


何を言ってるのか。
でも、みるみる真っ赤に染まる耳たぶが熱をもって燃えそうだ。


「3回、キスしていいから、…っだから、今までのように、…さ、寂しいよ、ヒョン。」
「チャンミナ、…」







結局俺はチャンミンに甘いらしい。




俺の言ってる意味が正確にチャンミンへ伝わったのか、


そんなことより、


恋愛感情は持てないけど、俺に彼女が出来るまで1日3回のキスを許すから会いたいと、



「…チャンミナ、…はぁ、お前、…」


なんてヤツだ、小悪魔かお前は、
そう愚痴りながらも、
そんなヤツを可愛いと思ってしまう俺もいて。





俺たちの変な約束、変な関係がはじまった。

















*********************


おはようございます、えりんぎです。


APPLAUSE-告白-へ、たくさんのコメントありがとうございました!
あの2人がみなさんのなかで息づいてるのを感じてとても嬉しかったです(〃∀〃)ゞ



さて、また同じような感じですが、
突発的な短編になります。


題して。
『写真集買えなかった。泣ける(T-T)記念。マヨネーズ神起妄想』←ナンダソレ


「観せてあげるよ~♪」と快く言ってくださった
まー**様へのお礼も兼ねてます。
いつもお世話になります。゚(ノ∀`*)゚。



10話前後になりそう。
しばらくまた5時更新しますのでヨロシクです~。







追伸。
私の名前と他のブロガーさまを間違えてコメントしちゃった、***様。
たぶん、かなり凹んでるじゃないかなぁ?と心配してますよ~
私、そんなことで怒ったり気分悪くしたり、全然ないですからね(#^.^#)
相変わらずオッチョコチョイなのねぇ(^з^)-♪
ってくらいです。
大丈夫大丈夫♪














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