HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

キスは1日3回-5

































チャンミンside







「あー、えっと、…シム、シムチャンミン!」



なんという偶然。
農学部を卒業し第一志望の企業へ就職できた。
それだけで満足すればよかったのに、
目の前に現れたのは高校時代、眩しくてろくに会話すらできなかった憧れの先輩だった。



誰にでも気持ちいいくらい親しげに接する先輩は最初こそうろ覚え気味に僕の名をよんだけど、そのうちハッキリと記憶を手繰り寄せたらしい。


「おぉ、久しぶりだな!6年ぶりか?」


6年経ってもやはり先輩は眩しかった。






男が男に憧れるという経験を初めて教えてくれたのが先輩だった。
僕にないものばかりを持った人。
人との間に垣根を作らない明るさだったり。
まず人を優先する優しさやだからこそ頼られ、それを裏切らないリーダーシップや。
誰もが羨む容姿を持ちながら、それをひけらかすことなくどこか抜けていたり。
素のままで格好いい人。
だから眩しすぎて直に見ることなんて出来なかった。






その先輩がいつしかヒョンと呼べるほどの存在になり。
あろうことか、僕を好きだと言う。
憧れの眩しすぎる先輩が僕へ向けた感情は恋愛と名のつくものだった。









神妙な面持ちで告白されたとき、真っ先に頭に浮かんだ言葉は、───最悪、だった。



ユノヒョンに好かれることが最悪なんじゃない。
僕もヒョンのことは好きだ。
生徒会長として教師から頼りにされ生徒に親しまれ、どんなことだって『楽しんでとことんやろう!』というスタンス、みんなが彼についていった。
ユノヒョンは常に明るく正しかった。





駄目だよヒョン。
そんな貴方がよりにもよって男を好きなんて。
僕が偶然とはいえ独身寮で隣部屋になり、高校時代は手の届かなかった人と思わず仲良くなれて調子に乗ったからだと自分を責めた。


憧れのヒョンはいつも明るく正しくなくちゃいけない。
ヒョンには美人で優しい人が似合う。
それは僕なんかじゃない。
僕はね、ヒョン。
ユノヒョンには幸せになってほしいんだ。








今までのようにはつき合えない、そう言われ。
高校時代に戻るだけじゃないかと僕はそれに耐えなきゃならなかったのに。
一度知ってしまったユノヒョンとの楽しい時間が、簡単に時間を巻き戻してはくれず。



寂しい。



DVDで映画を観ながらお互い涙ぐんじゃって、無言で差し出したハンカチが僕らの真ん中でぶつかったよね。
2人して泣き笑いで、そんなのも楽しかった。


お酒を飲めば僕の独壇場で、弱いくせに張り合うヒョンを何度介抱したことか。
そんな子供っぽさが嫌じゃなくて、むしろあの生徒会長をって優越感でいっぱいだった。


遊びに行くぞとよく連れ出され、独身寮の先輩達やヒョンの大学の友人と無理やりつき合わされたよね。
休日は部屋から出たくないって僕を半ば強制的に。
でもね、ヒョン。
本当はとても楽しかったし刺激的だったんだ。






男の僕に持ってしまった感情を、
ああ、勘違いだった、と、
会わない日常が教えてくれるはずだったのに。






僕は馬鹿だ。
会いたくて会いたくて、会いたくて。
突きつけた妥協案がホントにバカげたもので。


ユノヒョンに無事彼女ができるまで、僕とキスがしたいと望むなら1日3回のキスを許すから。
だから今まで通り誰より近い後輩でいることを許してほしい。


酔っぱらいの戯言だと笑って冗談にされるか、ふざけるなと怒られる覚悟までしてたけど、結局ユノヒョンはバカげた提案を受け入れてくれた。
少しだけ、…いや、かなり呆れた感じではあったけど。




なんたって緊張したのは最初のソレで。
まさかその為に朝っぱらから起こされ呼ばれるとは予想もしてなかった。
女の子とつき合った経験は、ある。
もちろん、キスだって何度も。
甘えるような視線を向けてそっと眸を閉じるから、与えるように優しく重ねる。
そんな経験をことごとく裏切るユノヒョン。
朝の爽やかな空気が掻き消される。
軽口を叩きながら軽くはない雄の視線。
むんと空気が濃く漂い、傾け近づくヒョンの色気に足が竦む。
攻められるとはこういうことを言うのか、なんて悠長に考える間もなく。
飛び出しそうな心臓をごまかし、──トンッと、もはやキスとは思えない衝突を仕掛けてしまった。







それでも、慣れとはこわいもので。
気づけば朝のキスが日常になる。
ヒョンが早く帰れた日や休日前だけだったヒョンとの時間が毎朝になった。
アラームが鳴る少し前にヒョンからの電話。
僕はもうアラームなしで起きられるようになった。



残業の日は帰りがけその為だけに顔をだして、
「ただいま、チャンミナ。」
疲れてるだろうにそんな事はおくびにも出さず、朝と同じ笑顔を僕へ向けるんだ。
あがる?と聞いても返事はなくて、靴を履いたまま後ろ手に玄関ドアを閉める。
「キスして、チャンミナ。」
そう言うときは、疲れてるとき。
大抵は、「キスしたい」と言うから。




このぎゅっと胸をしぼられる感覚はなんだろう。



数センチ高い敷居からは完全に僕が見おろす格好で。
「ヒョン、ゆっくり休んでくださいね。」
そう言いながら重ねる唇に切なさがこみあげる。





「まだ、あともう1回。」
今度はヒョンが僕の後頭部を押さえ強引に。
「っ、ん、…」
薄く口を開くから、最初にコレだけは駄目だと念押しした舌が触れてしまいそうで。
それでなくても一歩前に出て密着しそうな距離。
そして、ふとしたはずみに気づいてしまった。
ダークモスのスーツ、下半身を押し上げるその膨らみに。
「っ、ヒョ、…///」
羞恥で焼き切れそうなほど頭がクラクラして、僕はなんという妥協案を口にしてしまったのかと。
後悔しても、もう遅かった。















 




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