HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

キスは1日3回-25


























     









チャンミンside







「シムくん、行くよ!」
「……。」


「シムくんってば!」
「あの、…コレ、絶対に参加しなきゃなんないんですか?」


社内結婚を推奨する我が社では時々若い社員だけの飲み会が開かれる。
今夜は商品開発部と営業部の合同ということで、憂鬱な僕とは裏腹に部内は浮き足立っていた。


「あったり前じゃない。これも業務を円滑に進めるための仕事の一環でしょ?」
「…はぁ、…」
そういう飲み会をことごとく避けていた人の台詞とは思えない。
その変わりように驚くけど、先輩には逆らえない。



仕方なく目の前の書類を片付けはじめた。
気乗りしないからその手も自然とゆっくりになってしまう。
「なあ、今日の飲み会、ユノさんも来るらしいぞ。」
そう言ってきたのは同じ開発部へ配属された同期だった。
「あの人も忙しいからあんま飲み会に参加しないけど、今夜は一発OKだったらしい。女の子達が騒いでたから今日の飲み会は女子率高くて華やかになるんじゃね?」


無駄な期待を抱く同期を横目に僕はため息しか出ない。
ユノヒョンがいるのなら、さらに行きたくなかった。
ここぞとばかりにヒョンへ近づこうとする女子社員を見るのも嫌だったし、
まだあの日から数日、生々しい感触を残す記憶が消えてくれないのに社内の飲み会なんかで一緒になるのは居たたまれなかった。




「な、知ってる?女の子達が密かにつくった『抱かれたい男ランキング』の1位は当然のようにユノさんだったらしいけどさ、」
「っ、知るか、…!」
そんなランキング、初めて聞いた。
その栄えある1位の男にまさに抱かれる寸前だったとつい思ってしまい、勝手に赤くなる頬を止められない。
「でさ、っ、なんと!シムチャンミンが堂々の5位入賞したらしいぞ!」
「っ、えっ?///」
「おっまえ、一年目で知名度低い割には健闘したよな。どうも今日の飲み会で記念品が貰えるらしいよ。」
「は、はぁぁ?///」
なんだそれ、全然密かじゃないじゃないか。
「い、要らないよ、そんなの、…っ、」
「ったく、照れちゃって~。ちなみにユノさんは3年連続入賞で毎年喜んで記念品を貰ってるらしいからな。」



ったくヒョンは、と思いながらあの人のことだ、選ばれた内容より周囲の盛り上りに気を使ったんだろうな。
ヒョンはモテる。
モテるために生まれてきた男がユノヒョンだ。
その人の、あんなあられもない姿を見てしまった。


僕なんかに興奮して、
あんなに猛々しく濡らして、
身体中から発散する色香と欲情。


男なら誰でもひとりで処理することをお互いの手を使ってやってしまった、ってだけなのに。
あんなに気持ちいいなんて。
あんなに堪らなく興奮するなんて。
ヒョンの何気に言った冗談で一瞬冷静さを取り戻して、


──よかった。


アレは駄目だよヒョン。
クセになる。
最初で最後なんて、無理だ。
抱かれてしまったら最後、どんなに縋ろうとヒョンから離れられなくなる。




すぐに転勤はなくても営業職に転勤はつきもので。
本社勤務といえど僕だって地方へ飛ばされる可能性もある。


あと少し、
ずっと遠巻きに見てきた憧れの人と時間を共有し、学生時代にできなかった関係をユノヒョンと持てたら、それだけで僕は満足だ。


満足しなきゃならない。







「シムくん、早く早く!」
相変わらず女子同士でつるむことをしない先輩に腕を引かれ飲み会の店へたどり着いた。
結構な参加人数らしく用意された座敷も広い。
長細い部屋にテーブルが繋げられ、無礼講だから席は適当に座ってくださいと幹事らしき営業部の人が案内していた。


男子社員はいくつかのかたまりでポツポツ席についていて、遠慮してるのか女子社員は立ったまま座ろうとしていない。
そんな中を突っ切っていく先輩。
「疲れてるんだからさっさと座るわよ。ほらシムくん、こっちこっち。」
先輩は保護者のようで、僕や僕と一緒にきた開発部の同期達がその後に続く。


テーブルのど真ん中、壁に背を預けられる最高の位置を陣取って居たたまれなく落ち着かない僕と、早い者勝ちでしょ、なんてアッケラカンと笑う先輩。
そして気づいてしまった。
女の子達がなかなか座らない理由。
ユノヒョンの到着を待ってるんだ。
できるだけヒョンの近くに座ろうと画策してるのがヒソヒソと待ちわびる会話から伝わる。


それを面白くないと思ってしまう僕はやはりユノヒョンを好きなんだと思う。
ヒョンへあんな劣情をぶつけた翌朝、酔った勢いの失敗にして何もなかったことにしようと。
普段より早起きしてフレンチトーストを用意し、普段より入念に顔を洗ってうがいして。
爽やかにスッキリした顔で、何もかも忘れましたって言えたらよかった。



それなのに、ズルいなヒョンは。
あんな必死に名前をよばれたら、僕も返したくなるじゃないか。
ユノヒョンのことが好きで好きでたまらないって。
そのうち転勤があるのは明白なのに、これ以上ヒョンにハマるわけにはいかない、──僕は怖いんだ。



『キスしたいって意味の好き。』
そう告白してくれたユノヒョンより、
もっと強欲でもっと狡猾に、そしてもっと自分勝手に好きなのは、──きっと僕だ。
ヒョンの頭を抱いて、ぎゅっと僕の物のように抱いて、ずっといい関係でいたいと思った。
場所は違えど同じ組織で働いている。
それが僕の支えになる。
いつかこの本社で再び会ったとき、僕は貴方を失望させないよう貴方を想って頑張れる。






しばらくしてざわざわと空気が色めき立った。
あー、ユノヒョンが来たんだと姿は見えないけどすぐにわかる。
「シムくん、ユノさんが来たみたいね。隣空いてるじゃない、呼ばなくていいの?」
なんてこと言ってくるから焦る。
向かいに座った同期が不思議そうな顔してるけど、そりゃそうだ僕とヒョンは独身寮が一緒というだけでそんな奴等はここにたんといるんだから。
「せ、先輩、なに変なこと言ってるんですか!ユノヒョンなんか呼んだら女子社員を敵にまわしちゃいますよ。」
ただでさえ先輩は急に綺麗になって女子社員からやっかみの中傷を浴びてるというのに。


「ふ~ん、」
ポンと目の前を先輩のポーチが飛んだ。
「…コレは?」
僕の隣の席へストンと落ちたソレ。
「ふふん、席取り。」
ニッコリ笑う先輩はまるで僕の話を聞いてないようで、やめてくださいよと伸ばした腕をつねられる。
「痛っ、」
「ふん、素直じゃないわねぇ~!」
まったくこの人は、…と、
そうこうしてるうちにざわめきが近づく。





人波が一直線に開かれ、
あちこちから掛けられる声にそのたび明るく返し、
ネクタイを鬱陶しそうにクイッと下げる仕草はやめて欲しい、
呼び寄せる周囲へ詫びるように片手がひらひら動いて、




「───チャンミナ。」


と、満面の笑みを浮かべ、その人は言った。






先輩、
だってユノヒョンが素直すぎるんだ、───。


















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