HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

キスは1日3回-SS **先輩が言うことには。前編


































先輩side








───男に、なりたかった。




子供の頃からずっとずっとなりたかった。
ままごとなんて荒唐無稽な遊びを強要されることもなく、大して興味のない噂話が話題の中心になることもない。


理系で賢い男はもてはやされるのに、女だと変人扱い。
仕事しか頭にない男は認められても女だと気色悪い?


おかしい、絶対におかしいと思い続けた彼氏いない歴25年。
恋愛もお洒落も遠い絵空事で自分には無関係だと思ってた。
興味もなければどの感情をもってソレを指すのか理解できず、そんな自分が誇りですらあったのに。





あれは3年前、入社してすぐの全体新人研修。
先輩社員が講師として、仕事内容や経験談など特に興味を持てない話を長々としてたように思う。
私は結構嫌なヤツだ。
質疑応答でどんな内容だったか専門的な質問をした。
その先輩ののらりくらりとした話が退屈だったからで、それが分かったのか、チッと舌打ちでもしそうな歪んだ顔を前に得意な気分で。


そんな私のいくらか前の席。
すっと挙げられた長く真っ直ぐに伸びた腕と男っぽいのに繊細な手は今でも脳裏に焼きついている。


その男は噂に疎い私でも知っていた。
優秀な成績も秀麗な容姿も全てを備えながら一切鼻にかけることなく、私が一番キライなタイプだった。





そして男は私の意地悪な質問にさらっと何てことないように答え、自慢げでも蔑むでもなく太陽のように笑った。
「優秀な同期は心強いのですが、スミマセン僕はレジュメにある社内行事のスポーツってどんな行事か興味があります。」
球技と格闘技なら自信がありますと冗談めいて言い笑いを誘う。
一瞬流れた嫌な空気が和み壇上の先輩とやらも安堵の笑みを漏らした。




邪魔されたようで最初こそ腹が立ったけど、結局私は助けられたのだと思い至るまでにそう時間はかからず。
入社式で見かけて以来、なぜかいつも追ってしまう視線の意味を意識しだしたのは多分この時だと思う。















「ユノヒョン!」




そして今、隣で照れくさそうにでも嬉しくて堪らない様子で口元を緩める後輩を眺め溜め息をつく。




私は馬鹿だ。
3年ものあいだ温めてきた想いをついでのように告白し案の定スルーされ、それでもその男の一途な恋を成就させようと躍起になった。



「チャンミナ、」



その結果がコレだ。
この2人は私の前で遠慮するということをしない。



「ここで飲んでるってよく分かったわね?今日は内緒で来たのに。」
ハァハァと常に汗だくで現れる男を呆れ見た。
「うるせぇ、目撃情報を聞いてまわったんだよっ!」
「どうしたんですか?何か急用?」
ぽけっと目を丸くする後輩は容姿のわりに恋愛慣れしてないというか純粋な男で、そこが可愛くもあり憎らしくもあった。



「あ、もしかして聞いちゃった?私とシムくんがつき合ってるって噂。」
ふふんと笑えば一文字に結んだ口元が冗談は通じないと言ってる。
ホントこの男はシムくんが絡むと途端に不器用になるんだから。
「あーヒョン、それはね昼休みに巨乳好きかどうかって話になって、僕、つい好きだって言っちゃったんですよ。そしたら先輩がふざけて、」
「そうなの。私こう見えて脱いだらスゴイのよね?ってシムくんに同意求めたら、シムくん思わず『はい』なんてこたえちゃうからぁ。」
「だってアレは、…つい、っ、///」
あたふたするシムくんは普段の冷静な彼から一転、急に小動物のようになる。
ただでさえデカイ目がさらに開いて耳たぶから湯気が出そう。




「……。」
そんなシムくんを見つめたまま真顔のユノさん。
自分はいつも冗談ばっか言ってるくせに。
「なによ?カモフラージュになっていいじゃない。」
フンと偉そうに言ってやる。
いまだに私がシムくんを狙ってると思ってるのか、いい加減にしなよ?と言ってやりたい。




「…チャンミナ。」



ここはいつもの大衆食堂で。
最近はR指定の単語が連発する会話のためか、隅っこの目立たない席に案内されるようになった。



でも、ちょうど良かった。
立ったままのユノさんが体を折るように、
両腕がシムくんの背中からぐるっと回って鎖骨のあたりで交差する。



はぁ、…と大きく息を吐いて、
「お前さぁ、俺にはどうしようもないもの、…求めるなよ?」
真剣にそんなこと言うからビックリで。


「ヒョ、ヒョン?///や、そんな、…僕だって、…ないし。僕があるものは、…ヒョンだって、あるし。」
必死でこたえるシムくんもピント外れで。



────アンタら、いい加減にしろ!


そう思ったことは一度や二度ではない。






ふわりと包むような抱擁はすぐに解け、そのままシムくんの頭をひと撫で。
「ま、チャンミナは何でも大きいのが好きだもんな?」
なんて言うから真っ赤になったシムくんを見て何が言いたいのか分かってしまう。
「あんた、…バッカじゃない?///」
アハハと笑ってチャンミナ、うんって言ってよ~とふざける対抗心剥き出し男には心底呆れてしまう。








思えば最初から。
下手に意識して最悪の態度だった私を飲みに誘ったのも牽制と対抗心からだったかもしれない。
それから恋心とも言えない小さな芽は違う形で芽吹いていく。



チャンミナが。
チャンミナは。
話題にしたくてしょうがないって感じ。


───愛される男、


そんなものが存在するんだと初めて知って。
お互い人見知り同士でなかなか相容れなかったシムくんという後輩に注目する。



端正な容姿と抜群のスタイル。
それを利用するでもひけらかすわけでもなく、どこか恥じてるような謙虚さがあった。
だから目立たない。
書類を作らせれば完璧で、独自の発想に目を引くものを持っているのに、それをアピールしない。



勿体ないけどしょうがない。
人の内面ってのはそう簡単には変わらないから。
私が恋愛やお洒落に興味を持てないように。








そう決めつけた筈の私が周りを驚かせるほどの変化を遂げたのは、そんなシムくんの変化とその影にチラつく男のせいに他ならない。




「先輩、…もし今までのようにはつき合えないって言われて、でもどうしても会いたければ、…どうしますか?」
「は?」
「あ、…っや、いいです、スミマセン。」


それは初めて2人きりで飲んだ日だった。
いきなり恋愛相談?
しかも恋愛経験値がどう見ても低そうな私へ?
最初、バカにしてるのかと。
でもそうは思えなくて、
「そ、そんなの、ドーンと行っちゃえばいいのよ。会いたいんだぁ、ってぶつかりな!シムくん格好いいんだからもっと自信持ちなさいよ。」
そう言えば、肩の力が抜けたようにふっと笑った。
それが、キュンと切なくて。
いっぱいいっぱいのシムくんが可愛かった。




当然のように女性だと思っていた、シムくんにそんな顔をさせた相手。
それが、その後すぐ部署異動してきたユノさんだと知るのはもう少しあとで。
「ユノヒョン。」
「チャンミナ。」
社員食堂で偶然目にした光景に、呼びあう2人のなんとも言えない空気に激しく嫉妬したのだと気づくのももう少しあとだった。





「見違えるくらい綺麗になったね。」
そう言われ、──まだまだ彼には到底及ばないと思ってしまう。
「好きな人でも出来た?」
それにも素直に頷けない。
ユノさんの想いを一身に受ける彼が気になって、天の邪鬼で臆病な彼の素直な笑顔を見たいと思う。






「やっぱりユノヒョンはすごい。ね、先輩。この仕事は僕に任せてもらえませんか?」
「え、シムくんだけで出来るの?」
「やります、やらせてください!」


もともと優秀なのに努力を惜しまず積極性まで出てきて、勿体ないと思ったシムくんはもう何処にもいない。








あの日若手の飲み会で、きっと私とシムくんにしか分からないであろう愛の告白を聞いた。



あの時の感情はなんて表現すればいいんだろ。
嫉妬でもなく、羨ましいでもない。
敢えて言えば何日かけても解けなかった難解な数式が、未知数の代入によって面白いほど解けていく感じ。
そんな爽快さで気持ちよく酔えた私は、少しおかしいのかもしれない。












********************



おはようございます、えりんぎです。
あっという間に40万拍手超えました。
ありがとうございました(〃∇〃)


最終話へのコメントもありがとうございます。
こちらのSS、まだ書き途中なので終わってからお返事させていただきますね~
中途半端ですが(まだ書いてないので)明日へ続きます(〃∀〃)ゞゴメン











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