HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

キスは1日3回-SS **ユノヒョンの風邪。前編



































チャンミンside







春の柔らかな日射しが降り注ぎ、
独身寮から会社へ向かう道路脇で、
街路樹のハナミズキが真っ白な花をつける。




僕は晴れて勤続2年目を迎え、なんと新入社員の指導役になった。
人懐っこい後輩は可愛くて、つい色々と世話をやいてしまう。
それを見てクスクス笑う先輩は失礼極まりないが、僕もまだ先輩から学ぶことは多く充実した日々だった。



ユノヒョンは順調に昇格し、さらに大きな新商品プロジェクトチームを任されるようになった。
「主任ってのは要は『何でも屋』だからな。」
なんて言いつつ、持ち前のフットワークの軽さで忙しく動き回ってる。








そしてそんな日々の仕事終わり、


───くしゅっ!




ヒョンにうつされた風邪がいよいよマズイ状態になってきた。



「シムくん、顔が赤いわよ?やっぱり熱が出てきたんじゃない?」
「あ、…ですよね。」


大丈夫と強がることさえ億劫で、素直に頷き早々に帰り支度をすませた。
明日まで頑張れば明後日は休みだから、あと1日なんとか。
「大丈夫?ひとりで帰れる?」
心配そうに覗きこむ人へ、子供じゃないんですからと笑った。
あとユノヒョンへの口止めも忘れない。


なんでも都合良く考えるとこがあるから、
それとこれとは別、とかって押し掛けてきそうだし。


ヒョンが高熱だしてダウンした時、玄関ドアさえ開けてもらえなかったことを僕は根に持っていた。
それがヒョンの優しさかもしれないけど、でも開けてほしかった。
助けたかった。
力になりたかった。
それで風邪をうつされるなら本望なのに。


結局完治したと言い張り組み敷かれ、流されるまま受け入れた僕もなんだけど。
こんな形でうつされたのでは無性に腹が立って仕方ないじゃないか。



「…帰ろう。帰って速攻寝よう。」
ずるっと鼻をすすり隠れるようにコソコソ会社を出て家路についた。


家に帰ればその安心感からかさらに怠く、関節がきやきや音をたてる。
スーツを着替え、薬を探すのも億劫で水だけ飲んで倒れるようにベッドへ沈んだ。







ふと息苦しさで目が覚め、時計を見ればまだ2時間しかたってない。
ぐっしょり濡れたシャツが気持ち悪い。
喉が乾いて焼けそう。
どくどくと動悸が激しく手足が異常に重い。





苦しい、
苦しい、


───ユノヒョン。




思わず浮かんだ名前に、男のくせになに弱気なことをと、そう思えば何だか泣けてくる。


体が思うように動かず、なぜ水を枕元に置いておかなかったのか。
着替え用のシャツも手の届くところへ置いておけばよかった。


そんな後悔でまた涙が滲む。
高熱のせいで涙もろくなるなんて今までなかったのに。
ぽろぽろ溢れるもので枕を濡らして、
「…ユノヒョン。」
ついに口を滑らせ、悔しいけどさらに泣けた。




同じように高熱を出したというのに玄関ドアさえ開けてくれなかったヒョンと、ヒョンの名前をよんで泣いてる僕と。


情けなくて悲しい。


最初に好きだと言ったのはユノヒョンなのに、いつの間に好きが逆転したのだろうと寂しくてはらはら泣いた。







「…水、飲まなきゃ、」
ただでさえ汗だくで身体が水分を欲してるのに、これ以上水分を流してどうすんだよと思い直す。
ふらりと立ち上がれば天井が1回転。
一度ベッドへ腰掛け深く息を吸った。
今度はゆっくり慎重に立ち、歪んだ視界を一歩また一歩と歩いていけば、


───ピンポン、と。


こんな夜更けに訪ねてくるのは、ひとりしかいない。




「っ、ヒョ、…っ!」
思わず駆け寄りそうで、
ああ、駄目だ、
僕ばっかり尻尾振ってるようで悔しい。


でも会いたい。
どうしようもなく今、会いたい。 


けど、また風邪をうつしちゃうかな。
同じ風邪が行ったり来たりじゃ笑い話だ。




ぐるぐるぐるぐる迷って、
取りあえずふらふらしながらドアスコープを覗く。
真っ暗だ。
手のひらで押さえてるとしか思えない。
こんなことする人もひとりしか知らない。



「どなたですか、…?」



しんと一瞬、間が空いて。



「…っと、宅急便です。」



まったく隠そうとしない素の声で。



「ぷっ、…ユノヒョン?」



あんまり堂々と言うから笑えちゃって。
笑ったら少しだけ体が楽になるとか、変だけど。


「シムチャンミンさん、お届け物です。開けてください。」
「ユノヒョンですよね?先輩に聞いたでしょ。自分ばっか勝手だと、」
「いーえ、貴方が今と~っても必要にしてる届け物です。ほら、開けろって。」


宅急便のくせに命令口調になってきた。
せっかちなヒョンにも笑えたし、今僕が必要にしてるらしい物にも興味があった。




食欲はないけどプリンくらいなら食べれるなとか、
出来ればスポーツドリンクが欲しいとか、
ヒョンに貸しっぱなしのアイスノンを返してよとか、


で、ドアを開けたら手ぶらのユノヒョンにぎゅうっと抱きしめられた。




「はい、ユノヒョン到着。」


なんて馬鹿なこと、言っちゃって。












さっきまでの息苦しさが嘘のように穏やかになり、優しく背中を撫でられればそのまま微睡みそうなほど気持ちよかった。



変なの、…まさかどんな薬よりユノヒョンが効くとかいうんじゃないよな。



「チャンミナ?」
「…ん、…」
目を閉じれば本当に寝てしまいそうで、おもいっきりヒョンへ凭れてるのにまったく動じない体に安心する。
「すげえ汗だく。まずは着替えだな。」
そう言ってポンポンと、


「あ、…ごめ、…っ、」
今さら汗だくなのを思いだし、咄嗟に突っ張った腕を撫でるように折ってなぜか頭をよしよしされた。
「ふっ、弱ったチャンミナもいいなぁ。もっと凭れていいんだぞ。あ、ヒョンが着替えさせてやろうか。」
「は?///や、いいで、…っうわ!」
体に力が入らず、それをいいことに好き勝手しはじめたヒョン。



いきなり膝を掬われ抱き上げられたら、コレって所謂アレじゃないかと恥ずかしさで余計に熱が出そうで。
最近急に自分をヒョン呼びしたり兄ぶって、妙に僕を甘やかそうとする。
それでこの横抱きだとしたら幾らなんでも子供扱いしすぎじゃないかと思う。


いつもなら頭突きで反撃するところだけど、今日はちょっと無理みたい。
だからされるがまま、ヒョンに付き合うことにした。





ベッドにおろされ、ちょっと待ってなと水を持ってきてくれた。
ひとくち含んで、そのまま一気に喉へ流しこむ。
水がこんなに美味しいなんて学生の時以来だ、なんて思いながら。



そんな僕を、緩やかに口角をあげたまま見つめるヒョン。
べっとり貼りついた前髪を指でかきわけ、そっと手のひらを額にのせる。


「ああ、まだ熱いな。まず着替えて何か食って薬のんで寝なきゃ。」
「…ん、薬を探せなくて、…でもヒョン、これ以上ここに居るとうつしちゃうから、もう帰って。明日も仕事じゃないですか。」


顔を見れただけで少しだけ元気が出たし、もう満足だった。
あとは適当に何か口に入れて薬を探して寝るから。
ヒョンもういいよ、ありがとう。と何度も訴えてるのにまるで聞いちゃいない。


チャンミナの着替えはここだったよな?とチェストを探り何着か引っ張りだす。
ちょっと立てる?と腰を抱えられ、いきなりシーツを剥いだのにビックリした。
「っ、ヒョン、…なに?」
「あー、いいからいいから。」



そのまま汗でびっしょりのシーツと着替えを一緒に小脇に抱え、それにはさすがにイラッとしたけど文句を言う元気が今は無く、


ヒョンのスーツを肩から掛けられ、その意味も高熱で鈍った頭では理解できないまま、





「寝こむなら俺んちで寝こみな。」
などと有無を言わさず、隣部屋へ連れ去られたのだった。














*********************



おはようございます、えりんぎです。


予告通り『風邪をうつされたチャンミンと強引にお見舞いするユノヒョン』です。
コチラを前後編と後日談的なものを前後編で4話更新します。


後日談は鍵つきで、羽*さんからいただいた妄想の変形(←ご本人も言われなきゃ気づかないくらいの)です。
どうも私が書くとすぐバカップルになってしまうようです~(〃∀〃)ゞ






先輩妄想にもたくさんの拍手をありがとうございました。
くだらない話ですが、楽しんでいただけたら嬉しいです~♪


では!









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