HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

キスは1日3回-SS **帰省3




































大晦日は買い出しだけでゆっくりしようと、今日は朝から大掃除だった。



「なんか僕、損した気分です。」
「なんでだよ?」
「せっかくだから一緒に掃除しようってヒョンは言うけどさ、絶対僕の部屋よりヒョンの部屋の方が汚いです。」
「汚いゆーな。」


ちぇっと不満そうにしながら、それでも段取りよく掃除していく。
チャンミンが隣に来てから急に活躍するようになったキッチンや、関係が深くなるにつれ風呂場だって大活躍だ。



ここ2年間で劇的に生活感が増した部屋。
食器が増え調味料が増える。
歯ブラシはお互いの部屋に2本ずつ置いてあるから、ツレを呼ぶにも気を使う。


ここは会社の独身寮で周りは同じ会社の社員ばかりだというのに、──チャンミンが生活の一部になる。





「チャンミナぁ?明日は俺が白菜と豚バラのミルフィーユ鍋を作ってやるからさ、」
機嫌とりでそう言えば、パァと分かりやすく顔に出る。
チャンミンが作った料理を食べるのは勿論だけど、俺が作ってやるのを旨そうに飲み食いするチャンミンを見るのも幸せなんだ。



「く、…可愛いなぁ、」
「あ、ヒョン今、食いしん坊だと思ったでしょ。」
「食いしん坊じゃん。」
「だったら鍋は大きい方のでお願いしますね!」


最初からそのつもりだよと心の中だけで思う。
チャンミンの食いしん坊は今に始まったことじゃないし、その許容量はこの2年間でしっかり覚えた。
チャンミンが好きな物も苦手な物も羅列して書き出せるくらい覚えてる。



───なんてさ、ちょっと感傷的になってんな。






つい先日、雑談ついでに上司からサラッと言われた転勤話。
ちょうど事業拡大を図る支社が即戦力の営業マンを欲してるらしい。
腕試しだと言われた。
期待してる、とも。
仕事自体は勿論やりがいを感じるし、どうせ行くならその支社に無くてはならない存在になりたい。



ただ、…覚悟はしていたけど、いざ目の前に現実を突きつけられたら、──やっぱツラい。



手を伸ばせば届く温もりを、こんなにも俺は必要としていたのかと、


それはきっとチャンミンも同じで、
だからこそ何も触れない。
最初に告げた日から、まるでなかったように何も言ってこない。


それが、もっとツラかった。







───馬鹿だな、俺。


そう思い直す。



俺が弱気になってどうすんだよ。
転勤は“永遠”への第一歩だと、そうチャンミンへ言ったのは俺じゃないか。



予定通りに進んでいる。
これは喜ばしいことなんだ。



もうチャンミンを離してやれない。
それをこの2年間で痛感し、それはアイツも一緒だと思ってる。





だから、我儘と知りつつ言ってしまった。
しばらく会えない距離が、…もう目前で。
今年はチャンミンと二人、静かに新年を迎えたい。
そして、出来ればチャンミンの実家を知りたいな。
調べればすぐ分かる住所録のやつじゃなくて、ここですよとチャンミン自身が教えてくれる生まれ育った家。
一緒ですよと軽く言われそうだけど、違うんだ。
チャンミンの意思で案内され、チャンミンの口から教えて欲しい。



チャンミンが20年以上過ごしてきた家を、
これからもっと長く長くつき合っていく俺へ。



ってさ、ちょっと、いやかなり重くねぇか?
俺はどんだけアイツを逃したくないんだよ。
そう思えば何だか軽くへこんで、無言のまま掃除に没頭した。







「ヒョン?」


「っ、ユノヒョン!」




「…へ?」
「っもう!同じ場所ばっか掃除してても終わりませんって。」
「あ、…ああ。」
どうやら俺は延々と同じ所を掃除していたらしい。
振り向いたら見違えるほど部屋がスッキリしていた。
「ヒョンはオンとオフが違いすぎますよ。会社ではあんなにテキパキしてるのに何ですか、ぼぅっとしすぎ!」


プンプンと音がしそうなほどむくれる姿は家ではしょっちゅうで、ひどいときは頭突きと蹴りが同時にくるから今日はまだマシだ。



「…チャンミナ。」
「な、なんですか。」



「抱きしめたい。」
「はあ?///」



「抱きしめていいか?」
「え、…や、そんな、何も掃除中に、っ///」



あたふたするチャンミンを構わず抱き寄せる。
抱きしめたい気持ちに掃除中なんて関係ない。
お互い雑巾を持ったままで、その手だけ宙に浮く。
最初にそれを放棄したのはチャンミンで、パサリと音をたて落ちた。


「ユノヒョンの部屋をほぼひとりで綺麗にしたご褒美は、美味しい白菜と豚バラのミルフィーユ鍋でいいです。」
「ん、…大きい方の鍋でな。」


「それと、…」
「っ、チャ、…///」


ぼぅと元気ない俺を慰めてるつもりだろうか。
チュッと触れるだけのキスをして俺に体重をあずける。


「ちょっと休憩。」
「あ~、うん。」
細いとはいえチャンミンも男でデカイ。
結構な重さなのに、こういう時のチャンミンは遠慮なく体重をかけてくる。
俺の安定感に落ち着くし安心すると言うのだ。
だから俺も必死で足を踏ん張ってるってわけなんだけど。



「…あたたかいね、ヒョン。」
「ああ、すごく。」



腕の中のぬくもりが心地よくてハァと息が漏れる。
俺はやっぱりお前に甘えてるよと声に出さず呟き、気持ち良さそうに凭れてくるヤツへ、そっとキスをした。













にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト