HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

キスは1日3回-SS **帰省7



































チャンミンside







独身寮の窓からは本社ビルの一角が見える。
常緑樹の高木は手前にある公園のもので、ここはランチタイムになると近隣の女子社員で賑わう。
小ぶりの噴水と周りを彩る花壇がとてもキレイなんだ。 


街路樹はハナミズキ。
今はすっかり葉を落とし奔放にねじ曲がった枝ぶりを晒している。
その先端にかたまりで付ける真っ赤な実が印象的で色彩の薄いビル群の風景に彩りを添えていた。





そして今、僕らは静かに昇る朝日を眺めていた。
薄雲がぼんやりとその輪郭を曖昧にし、黄みがかった曙色が徐々に白んでいく。
透明な光がビル群に反射し、ハナミズキの赤を鮮やかに映した。




「キレイだな。」
耳元で囁き、ついでにチュッとキスをおとす人が満足げにシーツごと僕を抱く。
窓際に立つ僕を背後から支えるのには理由があって、年越しから朝日が昇るまでまさかずっとヒョンを受け入れてるとは思わず、当然ながら腰が立たない。
仕事ができて誰からも好かれリーダーシップも抜群で、体力まであるとは嫌味な人だと思う。


「ね、ヒョン。朝日の向こうに何か見えますか?」
ひとりごとみたいにポツリと聞く。
去年僕はユノヒョンの笑顔を見て、そしてもろもろの覚悟を決めた。
そして今年は、なんていうか、…もう逃れられないと諦めにも似た気持ち。
僕はどうしたってユノヒョンが好きなんだ。



「へ?…雲、とか?」


やっぱりね、期待した答えが返ってくるとは思ってないよ。


「え、なになに?何かあんの?」
ぐっと顎を取られ目を合わせる。
「や、べつに、…何にもで、…っ、」
言葉途中でまたキスされて、…何度目かで舌まで入ってきた。
「ゃだヒョン、…も、寝なきゃ、」
「だよなぁ、少しでも寝とかないとな。」
名残惜しそうに唇を離し、もう一度ぎゅうっと抱きしめる。





なかなか離れられない。
初めて迎えるユノヒョンとの新年は、とても濃くて幸せで、──よかった、帰省を選ばなくて。


母さんにはぶちぶち言われるだろうけど、父さんは、…何も言わないかな。妹達にはお年玉さえあげれば文句は言われないだろう。


いつもより多めにお土産を買って帰ろうと決め、終わらないキスを気合いで止めて、ほんの少しでも睡眠をとろうと抱きあったまま眠りについた。
















僕んちとユノヒョンちは同じ沿線上の隣り合う駅で、初詣にはもうひとつ手前の駅にある地元ではわりと有名な神社を予定していた。
どうしてかというと、…


「あー、見えてきた。懐かしいなぁ!」
「変わってませんね。」


僕らが卒業した高校に近いからで、久しぶりに懐かしい校舎を拝もうって話になったから。



「ヒョン、学校帰りによく此処で買い食いしてましたよね。」
正門から坂を真っ直ぐ降りたところに駄菓子屋があって、ヒョンはよくアイスクリームや冬には肉まんを食べていた。
最初は数人の仲間で、そのうち俺も私もと仲間が増えて道いっぱいに広がりお店の人に叱られてたよね。



「よく知ってるな。もしかして見てた?」
「…たまに見かけました。」
「なんだじゃあお前も仲間入りすればよかったのに。」
無邪気に言ってくるけどそんな簡単なものじゃないよ。
高校生の年の差は社会人のそれとは全然違うくて。
あの頃ヒョンは別世界の人だった。
いつも大勢に囲まれ、冗談を言って笑ってふざけあってた。
きらきら輝いて眩しくて、とても話しかけるなんてそんなこと。



「ヒョン達大勢だったから誰かいつもアイスの当たりを引くんですよ。僕が見かけたなかでヒョンが当たったこと一度もなくて、いつも悔しそうにしてましたよね。」
「あ、そうそう。俺結局一度も当たんなかった。くじ運悪ぃ~!」
懐かしそうに笑うヒョン。
僕ね、実はくじ運いいんだ。
何度か当たって、いつかヒョンにあげようと、さりげなく渡せる機会を探ってるうちにヒョンは卒業しちゃったんだ。



「なぁ、アイス食おうぜ。今なら当たる気がする。」
こんな寒いなかそんなこと言い出して、さっさと店へ入っていく。
僕も、まあ、…やぶさかではない。
あの頃どうしたって届かなかった憧れのヒョンと、今こうして思い出を辿ることが嬉しくて堪らない、…なんて本人には言えないけど。



「この寒いのにお腹壊しますよ~。」
「大丈夫だぁいじょうぶ!お前、バニラでいい?」
「あ、ちょっと待って。ヒョンに取ってもらって当たる気がしない。自分で選びます。」
「おっ前なぁ!」
ふざけながら、でもかなり真剣に二人して選んだ。
お~寒い!と肩をすぼめてアイスを頬張るヒョンが高校生の頃とだぶって見えて、唇の端についた白や見え隠れする真っ赤な舌、今朝明け方までしてたことを思うと擽ったくてしょうがない。



「お前、顔が赤いぞ?暑いの?」
なんて言ってくるヒョンのことは無視して甘いアイスを黙々と食べた。


「ぅお!」
「あぁ~っ!」
「やったぁ!」


ぺろんと舐めきった僕の棒には“当たり”の文字が。
ヒョンのは当然。
残念ながらそうそうくじ運なんて変わるものじゃない。


「ユノヒョン、あげます。」
高校生の頃と変わらない大袈裟なジェスチャーで悔しがる人へ当たり棒を差し出す。
僕が何度もシミュレーションした、もう二度と叶わないと思っていたことが、まさか何年か越しに出来るなんて。



「…いらない。」
「え、…?」
「自分で当てなきゃ意味ねぇもん。」
「ま、…そうだけど、…」


でも貰ってほしかったのにな。
あの頃の高校生のヒョンなら絶対大喜びだと思うのにな。


しゅんと肩を落とした僕のアイス棒を握った手が大きな温もりに包まれた。
両手で僕の手を握るヒョンは笑っていて。
「コレは来年にとっておけよ。来年はさ、違う場所から帰省するけど、ここで待ち合わせしようぜ。」
そんなこと言われて、…鼻がずずぅと鳴る、寒いから、…これは寒いからだよ。



「よし、当たるまで毎年ここで待ち合わせだ。」
意気揚々とそんな宣言しちゃって歩いていく人を、なぜか胸がいっぱいになって眺めた。




高校生の頃じゃない、今の僕とヒョンの約束。
それが、とても嬉しかった。













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