HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

キスは1日3回-SS **帰省9



































チャンミンside









高校から神社まで歩いて30分の道のりを僕らは黙々と歩いた。



途中ユノヒョンが何かと話しかけてくるけど、僕は上の空で適当にこたえる。
新年そうそう不法侵入したからじゃない。
ヒョンの面影があちこち残る校内でユノヒョンとキスをして、
──ああ、僕はこれほど高校時代のヒョンに囚われていたんだ、と。


遠く眺めるのが精一杯で、ユノヒョンの視界のなかに1㎜も僕なんかいなくて。
その思い出がなぜか優しく形を変え、今のユノヒョンが大きく存在感を増した。


そしてポケットにはアイスの当たり棒。
来年の約束。
ね、ヒョン。来てよかった。
幸せで心が迷子になるって、おかしいけど実際そうなんだ。











しばらく歩くと駅から神社へ向かう人波にまぎれる。
そのうち真っ直ぐ歩けないほどになり、他に気を取られたら本当に迷子になりそうだった。


ふと先輩の言葉が浮かぶ。
そう言えばカップルで初詣に行くと別れるなんて馬鹿げた迷信を熱く語ってたよね。
おまじないがどうとかで貴重な弁当のおかずをいくつも取られたんだ。


確か、…ひっそりと相手の影を踏むとか。
でもそれは無理だ。
肩が当たるほどの人混みで踏めるような影はどこにもない。




「ヒョン、…もっと人通りがない所を通りません?」
「へ?そんなとこ、あんの?」


──ないよね?


「…でも、影が、…」
「は?なになに、暑いの?でも日陰はさすがに寒ぃぞ?」


──だよね、…それに日陰じゃ影なんてできない。




おかしなヤツだなぁと笑うヒョンへ僕も曖昧に笑う。
こういう迷信はさ、信じるかどうかが全てなんだ。
僕は当然信じない。けどモヤモヤする。
先輩め!と舌打ちしたところで、誰かがヒョンの名前を呼んだ。



「久しぶり~!なんだよ、帰ってきてたのかよ。」
「おぉ。まあな。」
たぶん高校の同級生だ。
見覚えがあるもんな、それに隣の彼女も。


行列のような人波をぐいぐい押しのけ近づいてくる。
僕は、なんとなく数歩下がった。


「連絡しろよな~!」
ヒョンの肩を抱き機関銃のように喋りだすから、僕はさらに数歩下がる。
明日にでも集まらないかと強引に誘われ、ああ、そうだなとヒョンも結構乗り気で。
隣の彼女が何人か女性の名前を出して、ユノに会いたがってる、彼女いないって聞いてるわよ、なんて。




地元の神社なんだ、当然知り合いに会うのは想定内で、会ってしまえば僕が入る隙なんてないってことも。


「チャンミナ!」
ぐっと腕をとられる。
僕はかなりうつ向いてたらしい、…顔を上げたら目の前にヒョンがいて、焦って額に汗まで滲ませていた。
「あ、…ヒョン。」
「お前なぁ!見失うだろうが。俺から離れるなよ。」
手首を掴んだまま、少し先で待つ同級生のもとへ戻っていく。
僕を見失って、慌てて行列を逆行してきたらしい。
手首がじんじんするけど、離してもらえそうにない。



「ねぇ今気づいたけど、ユノと一緒に生徒会やってなかった?後輩、よね?」
「あ、…は、…ぃ」
「そうだよ、で、今は職場の後輩でもある。それに独身寮でも隣部屋だ。」


僕の返事をかき消すほどの大声で、しかもどうでもいい情報までヒョンが言い、僕はまたうつ向くはめになる。



「やっぱりね。可愛い顔した子だったから覚えてるんだ。それにしても背が伸びて格好よくなったわね。どう?明日の集まりに貴方も来ない?みんな喜ぶわよ~!」
「え、…?///」
この人はヒョンの同級生の彼女じゃないの?
…それくらい、その人の手が僕の体を無遠慮に触る。



「あ、あの、
「おいっ!触んな!」
彼女さんの手が剥がされ、僕の視界はユノヒョンの背中だけになった。
「それに後輩なんかが行ってもシラケるだけだろ?下手に誘うなよ。」


その背中が怒ってて、…なんだか僕は拒絶された気分になる。
別にユノヒョンの集まりに行こうなんて思ってないのに、そんな言い方酷いよ。


僕の手首はまだヒョンに握られていて、ぐっと力が入った。 
手首が痛いのか胸が痛いのか、ツキンと走る痛みはどちらだろう。 




嫌な空気が流れたところで、またヒョンを呼ぶ声。
今度は男性だけの団体で、やはり高校の同級生らしかった。
一気に中心へ引っ張られたヒョンは、次第に強張った表情も柔らかく楽しそうに破顔していく。





今ので自由になった手首を、僕は反対の手で擦るように握った。
赤い痕、ヒョンの指の痕が生々しくて何とも言えない気持ちになる。






どうせお詣りしたら帰りは違う駅で降りる。
そのままそれぞれの実家へ帰り、今日明日と泊まって、独身寮へは一緒に戻るのか別々なのかそれすら相談していない。


せっかく近づいたヒョンが、また遠く。
ちらちらコチラを気にするヒョンも両脇を同級生に固められては身動きもままならず。



───このまま、僕ひとりで帰ろう。



そう思い立ったらこの混雑を進んでいく気力さえ無くなり、初詣は家の近所の小さな神社にしようと決めた。





「ヒョン、」
呼んでもなかなか届かない。


「ユノヒョン!」
何度目かで気づき僕へ歩み寄ろうとするのを軽く制した。
「チャンミナ?」
「ユノヒョン。僕、ちょっと人酔いしちゃって。ごめんなさい、このまま帰るんでヒョンは友達と一緒してください。」



「おい、っ、チャンミナ!」


ペコリと会釈して足を止めた。
僕へ向き直るヒョンが、まあまあと友達数人に連れられていく。
後から会った人達はどうも酔っぱらってるようで、ヒョンの表情なんて見ちゃいない。
帰りたいヤツは帰らせてやれ~なんて言ってる。



まぁその通りなんだけど、…そう呟き、たった今来た道をとぼとぼ歩いた。
先輩の言う“迷信”も、あながち嘘じゃないかも、
なんて思いながら。











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