HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

あなたが笑えば~愛憐~4





































ユンホの住む離れはそこだけ洋風のダイニングキッチン以外に純和風の和室が四部屋あった。
「チャンミン。特別にユンホ坊っちゃんの寝室の隣へお布団ひいてあげたからね。お利口さんで寝るんだよ。」
そこのひと部屋へ、まったくとんだ特別待遇だと口は悪いが意外に親切なエナによって寝床を用意してもらったチャンミンだったが。



「おい、何してんの?」
寝室のパソコンでニュースを見ていたユンホが開いた襖の音で顔をあげる。 
誰もいない。
そう思ったところにひょこっと顔を出したのは可愛らしい小さなお尻。 
丈が長すぎ裾をぐるぐる巻きにしたパジャマの片足が踵からにょきっと出た。
んっんっ、と力を入れる声がする。
がんがんと何かが襖にぶつかる音。


おいおい、この襖は高名な誰それの作品らしいから傷つけたらエナさんが青くなるぞ。
ユンホはため息をついて、「チャンミン?」と声を掛ける。
それには何もこたえず、さらにがんがんと大きな音が響いた。
「あー、…ったく、もう。」
やれやれと言った感じで重い腰をあげ、両手で襖を開いてやる。
「お前さ、…エナさんに叱られるぞ?」
そこには予想通り、自分用の布団一式を引きずるように引っ張るチャンミンがいた。



襖に両手を掛け、真下で後ろ向きになってるチャンミンへ言う。
「…隣って、…言った。」
顔だけ見上げるチャンミンはユンホの影がおりて表情がよく見えない。
でも声音から少し不貞腐れてるのがユンホには分かった。
「隣ってさ、隣の部屋って意味だろ。」
「本当の隣がいい。…ユノの隣がいい。」
「チャンミン、…」


今日初めて会った俺を、この子はどうしてそこまでとユンホは不思議でならない。
「…しょうがないな。エナさんには内緒だぞ。」
そして初めて会った子供へこれほど甘くなってしまう自分にも。



幸いここはユンホひとりで使っている離れだから使用人も呼ばなければ来ない。
それなのにパァと瞬く間に輝いた顔が可愛くてわざとシィーッ!なんて人指し指を立てて秘密めいた態度をとってしまう。
ふふとチャンミンのぷっくりした頬が持ちあがる。
ああ、笑った。
チャンミンが初めて笑った。
そして軽はずみな行動を反省した先ほどの自分などすっかり忘れ、自分の布団へぴったりとチャンミンのをくっつけてやるユンホだった。








真っ暗は怖いと言うから常夜灯をつけてやる。
いつもならもっと深夜まで起きているユンホも今日は疲れてるだろうチャンミンへ合わせるように早めに布団へはいった。


「…ユノ、…いる?」
「いるよ。」
「ユノ、…寝ちゃった?」
「…寝てない。」


何度も何度も確かめるように声を掛けてくる。
いくら酷い扱いを受けていたとしても、やはりこんなヤクザの屋敷なんかより自分ちのほうが安心するのだろうか。



「なぁチャンミン。お前がいつまでここにいるかは分からない。少なくともお前のママが見つかるまではいるだろうと思う。」
「…うん。」
「俺は大学生なんだ。あと少しで春休みが終わる。1、2年で取れるだけの単位は取ったから毎日講義があるわけじゃないが、それでもずっとチャンミンの傍にいれるわけじゃない。分かるか?」
淡々と話すユンホへ、ほんの少し間をあけてチャンミンは返事をする。
「だからさ、お前がどうして俺としか喋んねぇのか分からないけど、それじゃあ駄目、もっと周りをよく見ろ。」
「…周り?」
「ああ、少なくともエナさんはお前の世話を焼いてくれるはずだし、ジノだってお調子者だけどいい奴だ。」
もそっと音がして、チャンミンは身体の向きを変えユンホを正面に見つめた。
ドライヤーできれいに乾かしてもらった髪はサラサラと枕を覆い、明日切ってもらう予定のものだ。



「俺はね、ヤクザの息子なんかに生まれちまって人生の半分は決まったようなもんだ。でもそれでいいと思ってる。大切なのは自分の運命を受け入れて、それをどう生きるかなんだよチャンミン。」
「…運命?」
「ああ。ヤクザなんて最低のウジ虫野郎の集まりだ。でもさ、災害があれば一番に駆けつけるし、ボランティアに興じる奴だっている。俺はさチャンミン、…最低限の必要悪になりたい。」
「…必要悪?」
「あー、…チャンミンには難しい話だよな。ごめん。ま、今自分のいる場所で精一杯生きろってことだ。」
「ん~~、よく分かんないけど、…僕、頑張る。」
「はは、…だな。」


普段どちらかと言うと無口なユンホが今日に限っておそろしく滑らかに言葉がついてでた。
チャンミンは不思議な子供だとユンホは思う。
頑なに周りを拒絶しながら自分への圧倒的な信頼感。
傷つけられ痣だらけの身体でも無くさない澄んだ眸。
誰にも言うことなんてないと思っていた、そんな胸の内をまさかこんな幼い子供に打ち明けるとは思いもよらず。


「…頑張るから、…ユノ、…?」
「ん、なに?」


「今日だけ、…そっちのお布団、…行ってもい?」
「…は、…」


どうやらお互い今夜は甘え合戦のようだと苦笑しつつ掛け布団の隙間を開けてやれば、勢いよく飛び込んできた塊。





「ユノの匂い、…好き。安心する。」


そう言って首へしがみつく腕に力を入れるチャンミンを、ユンホは優しく抱きとめた。













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