HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

あなたが笑えば~愛憐~9(完)




































ガンソクが出ていくと続いて男達も出ていき、嘘のように静まり返った部屋はユンホとチャンミン、そしてジノだけになった。
ジノはどう声を掛けていいのか迷い、結局壁際で言葉なく立っていた。






「…チャンミン。チャンミナ、…、っ、」


チャンミンの前に膝をつき、だらりと垂れた両腕を鷲掴む。
抑えた低い声で冷静を装ってはいるがユンホの顔色は悪く、ジノは見てられないと思う。




「…ユノ?」
「俺が、…俺がもう一度父さんを説得するから。なんとしても説得するから。だからお前は施設へ行くんだ。母親のことも俺のことも全て忘れて、お前は幸せにならなきゃいけない。」
絞り出すような声だった。
気が進まず無理やり行った取り立て先で、まさかこんな感情を拾ってくるなんて。








「ユノ、…」
ふいにチャンミンが顔を近づける。
鼻先がユンホのそれに触れ、くんと息を吸って撫でるように擦り合わせた。



───ずっと傍にいて、大切に可愛がりたいって意味なんだって。



ああ、そうだ。
犬っころのようにまとわりつく子供にいつしか癒しを感じていた。
純粋で穢れのない心を大切にしたかった。
馬鹿みたいなひたむきさを可愛がってやりたかった。




でもそれは、こんな形なんかじゃない。




父親が男しか愛せない人間だというのは物心ついた頃には知っていた。
どうやって知ったのかは覚えていない。
組長である父が組員に手を出すということはなかったし、愛人をこの屋敷に連れてきたこともない。
だからと言って父が自分の性癖を隠していたわけでもなく当然のように受け入れられ事実として誰もが認識していた。



母への裏切りを恨まなかったと言えば嘘になる。
それでも偉大な父として尊敬しているからこそ自分は今ここにいる。





ユンホは苦しかった。
ユンホの大切なものを次々と奪う父が憎い。
母も去った。
そして今度はチャンミンまで。




そっと顔を離し、チャンミンの頭を大きく撫でてやる。
「最悪、…警察に逃げこむんだ。俺を誘拐罪で訴えればいい。ああ、身元引受人がいるな、どうしようか。」
考えを巡らすユンホの頬が柔らかい感触に包まれる。
チャンミンの小さな手だった。
チャンミンは笑って、そして、ユノと呼んだ。



「なに?チャンミナ。」


8歳の子供がどこまで理解してるか分からない。
それでもチャンミンは笑っていた。



「あのね、僕、ユノのお父さんの言う通りにする。」
「な、…っ、だってお前、」



「…愛人になる、ってことでしょ?」
「チャンミン!」
「僕ね、たっくさん本を読んで色々知ったよ。ママがよく言ってた“愛人”ってなんだろ?って調べたことあるんだ。」



どんな本で調べたか知らないが、チャンミンが知ってることなんて真実の表面ですらないとユンホは言いたかった。
それなのにチャンミンの眸はもう怯えておらず、やけくそでも何でもない、静かにそれを受け入れたような落ち着いた眸の色だった。



「お前、何言ってるんだ?そんなこと許されるはずない。俺が許さない。」
何を言ってもチャンミンは首を振るだけ。
こんな幼い子供のどこにそんな固い意思があったのか。
「ヤクザはね、親が黒と言ったら白も黒になるんだって。」
それも何か本の受け売りだろう。
「俺はまだ盃をもらってない。まだヤクザじゃないよ、チャンミン。」
ふふとチャンミンが笑う。
こんなに年が離れているのに、なぜかユンホの方が駄々をこねる子供のようだった。







それを遠巻きに見ていたジノは、ただ胸が痛い。
チャンミンはおそろしく聡明な子供だ。
ユンホのやろうとしていることがユンホにとって何を意味するのか。
それを理解したうえで話してるように見えた。




「もう、…ユノが教えてくれたのに。大切なのは与えられた場所でどう生きるか、でしょ?」
「…チャンミナ。」
「それに、これからもユノと一緒にいれるんだよね。」




「僕、施設なんかよりユノがいい。」



ユンホの首がぐっと引かれる。
これだけは出会った日から変わらない、チャンミンの迷いのない腕。
ユンホを抱く腕。







「──大好き、ユノ。」




「俺も、…俺も好きだよ。チャンミン。」








まだ幼いチャンミンと若きユンホ。
兄弟へ向ける親愛とはまた違う。
“愛憐”とよぶのが今はまだ相応しい、
そんな2人だった。








~愛憐~fin.

【人の不幸を自分のことと思いくらべ、これを救おうとする情け深き心情】













*********************


おはようございます、えりんぎです。


昨日は朝イチから『エロジジィーーー!』のコメントありがとうございます( ̄∇ ̄*)ゞアハハ
ガンソク氏の無茶な要望のおかげでユノとチャンミンは期間限定ではありますが共に過ごすことが出来るのです。
でなきゃ施設に入るなりなんなりでお別れだと思うので。
という意味でのハッピーエンドで『愛憐』は完です。


プロローグ的なコチラを1章として“起承転結オマケ”として5章続く予定です。
一気に最後まで更新はおそらく無理かと思われますのでご了承くださいね。


次から年月が経ってるので少し間をあけようかと思いましたが、このまま更新させていただきます。





それにしても、いつの間にか目線がころころ変わる読みにくい話を読んで応援してくださってありがとうございます(〃∀〃)ゞ
たくさんの拍手、ポチが励みになっています。
いつもありがとうございます。













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