HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

あなたが笑えば~愛慕~4



































っくん、…くん、…



夢見心地で擽るような感覚をユンホはやりすごしていた。
昨夜はシステムのトラブルがあり、復旧に手間取り帰宅が明け方になってしまった。
シャワーだけ浴び倒れるように用意された布団へ潜りこんだのはついさっきだ。



「ユノ~、ご飯は?」


囁くような声が近い。
顔に触れる感触も続いていて、目を開けたいのに泥のように沈んだ意識がなかなか覚醒しない。


ふわりと風を感じて心地よい香りにくるまれる。
頬に柔らかい圧力を感じる。
ユノ、と何度も聞きなれた声がした。
変声期を終え、男の声なのに高めでまだ不安定な声。






少しずつ意識が浮上し、それでも目を開けたくない自分をユンホはおかしいと思う。
例え僅かな振動でも咄嗟に起きあがり戦闘体勢に入る、そんな訓練をユンホは施されていた。
それなのに夏休みに入ってからの何日か、それがどうも機能しない。
起きれない。
起きたくないと思ってしまう。
雲の上にふわふわ浮くような感覚をユンホは初めて経験していた。










夏休みといえどチャンミンの朝は早い。
夕方にはバイトで家を出るから家の掃除や庭掃除を早朝にすることにした。
ユンホが寝てるから掃除機なんてかけられない。
エナに頼んで用意してもらった箒と雑巾で家を磨いていく。
掃除が済んだらユンホの食事に取りかかる。
朝ごはんなのか昼ごはんなのか中途半端な時間帯だけど、多分この食事が唯一ユンホの栄養補給になってるはずと出来るだけ栄養価の高いものにした。








この夏休み、チャンミンはこの上ない幸せのなかにいた。



おはようとまだ寝惚けまなこのユノと会える。
仕事に出てしまうまでの数時間、何をするわけでもないけど隣にユノが居る。
「お茶を点てましょうか?」と冗談半分で言えば、
「お相伴頂戴します。」と笑って返してくれる。


ささやかな触れ合いに胸がいっぱいになって溢れだしそうだった。
それを小分けするようにユノユノと用もなくユノを呼び、半分呆れながら「お前はやっぱり子供だな。」と笑ってくれる。


勉強はユノが出たあとすればいい。
ユノへの信頼を守るためにも僕は成績を落とすわけにいかない。
バイトをはじめて三日間はユノが店へ顔を出してくれた。
厨房をチラッと覗いて、話す時間なんてない、それでも仕事中のユノに会えた。



そんなことが、どうしようもなく幸せだった。






何時に起こしてと言われてるわけじゃないからチャンミンは適当に起こす。
まだ寝たばかりだとしても、ユンホはチャンミンを叱らない。


ユノは僕に甘いんだ。とチャンミンは自負していて、だからとことん甘えた。
その代わりユンホの為ならチャンミンは何でもするつもりだった。
ユンホがチャンミンの全てで、それは幼い頃からまったく変わっていない。







ユノの横顔が好きだとチャンミンは思う。
普段なかなか見れないからと、寝てるのをいいことにユンホの枕元で長々とそれに見惚れた。
余程疲れてるのか起きる気配のないユンホへむくむくとイタズラ心が湧いてしまう。
最初は鼻を近づけ、くんと匂いを嗅いだ。
長く親しんだユンホの匂いはチャンミンの安定剤のようなもので、もっともっとと近づけばコツンと鼻先が当たってしまう。
キレイな鼻筋と上品なのにセクシーな唇。
その上の小さなホクロへそっと触れる。
つんと甘い痺れが指先から侵食し身体中に浸透していく。



それでもまだ深く寝入ったユンホへ、思いきって顔を近づけた。
静かな寝息が頬を掠め、触れるか触れないかという距離で唇を這わせる。



チャンミンは泣いてしまいそうだった。
愛しくて愛しくて堪らない。
あの日自分を掬い上げた大きく温かい手が、ずっと永遠に自分のものだったらよかったのに。
抱きしめ頭を撫でる指の一本一本を、
慈しむように擦り合わせた鼻先の感触を、
どうすれば褪せることなく記憶の淵にとどめておけるのだろう。




刻々と迫る自分の誕生日を、これほど怖いと思ったことはない。
ユンホを前にして胸が締め付けられる。
ユンホを困らせたくない。
ユンホの立場を悪くしたくない。
それだけがチャンミンの目的になっていた。









「…ん、…っ、…」
眉を寄せ、切れ長の眸がチャンミンを映す。
なかなか焦点の合わない眠そうな眸を見つめた。
ユノが起きて最初に見るのは笑顔の僕がいい。
チャンミンはそう思うから胸の痛みはどこかへ追いやる。そして笑った。
「ユノ~、ご飯食べようよ。僕お腹空いちゃった。」
そうすればユンホの手が重そうにチャンミンの前髪を梳く。
くしゃり梳いた手の隙間から光を反射した茶色の髪がパラバラと落ちる。
それを勿体ぶるようにまた掬ってを繰り返し、大きなアクビをひとつした。


「おはよう、チャンミナ。メシか、…ん~、少しだけ待って。そしたら一緒に食べよう。」


先に食べろとユンホは言わない。
高校へ入学してすぐ部活を勧め、それが原因でチャンミンを泣かせてしまった。
先にも後にもあのたった一度だけ。
何がいけなかったのか、ユンホは未だに理解できていない。
ただ、ユンホがそうなようにチャンミンもユンホのために何かしたいし、ユンホと一緒にいたいのだ。
それだけは分かったから、先に食べろとは言えない。
もうあの涙はこりごりだった。
押さえつけた欲望のマグマが固い殻を突き破り今にも襲ってきそうで、初めてユンホは自分自身を恐いと感じた。
それでもゴメンと言うしかない自分の力の無さがどうしようもなく歯痒かった。


















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