HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

あなたが笑えば~愛慕~5











    























───すべてのはじまりは、あの夢から。







ユンホはその日、夢を見た。
辺り一面むせかえるような薄桃色だ。
何気なく手のひらをかざせば、ヒラヒラとそれはユンホの手を覆いつくす。
よく見れば桜だった。
桜の花びらが吹雪のように舞い散る。
息をのむような美しさにユンホがまず思ったのは。


──ああ、チャンミンにも見せてやりたい。


夢だと認識してるのに現実のような、
ひどく曖昧な境界線。





分厚い桜のカーテンをかき分け走ってきたのは幼いチャンミン。
ユノ!と満面の笑みで飛びついてくる。
だからユンホもその手をとった。


手のひらに触れた途端みるみる成長し、
艶やかな蝶のごとく美しい微笑みをたたえ佇む。
なぜかユンホの動悸は尋常じゃなく、
幼い頃から慣れ親しんだ抱擁が背徳心に疼いた。


「チャンミン、…チャンミナ?」
いくら名前を呼んでも微笑むばかりで返事はなく、そのうちチャンミンの腕がユンホの後頭部へ回される。
視線が下りて、はたと気づく。
薄い布を纏っただけのチャンミンを見て、俺はなんて夢を見てるんだと頭の片隅で責めるのに、動悸は酷くなるばかりだ。


数えきれないほど一緒に風呂へ入った。
こんなの見慣れてる。
それなのに、どうして俺は。


羞恥と嫌悪が交互に襲い、くらくらと目眩がしそうだ。


それなのに、見え隠れする首筋から胸元の薄くしなやかなライン、きめが細かく弾力のある瑞々しい肌から視線を外すことができない。





気づけばユンホの顔中をチャンミンの柔らかい唇が啄んでいた。
どこもかしこも余すところなく押しつけて吸う。
全身の血が体の中心へ集中し、桜吹雪は今や嵐のように猛り狂いユンホを混乱させた。






これは本当にチャンミンなのかと、そう思うほど艶めいた目の前のチャンミンは今よりもさらに大人になっている。
甘えるようなあどけない眸の色は一緒なのに、纏う空気が大人びて誘うような指先が今度はユンホの体を這っていた。 
やめろと言いたいのに声が出ず、ほぼ目線が同じ高さのチャンミンへ吸い寄せられるように顔を寄せてしまう。



掠めるように唇が触れただけで全身を貫くような甘い愉悦に満たされる。
求めていたものはこれだと、有り得ない思いが心の隙間を埋めていく。
もっと、
もっと欲しい。


どうせ夢だと、ユンホは僅かに残った理性を手離しチャンミンをさらに引き寄せた。
顔を傾け、いつもの鼻先じゃない、その下で薄く開いた唇へ、───









「っ、ユノ!」






…とその時、耳元で弾けた声にユンホは跳ねるように飛び起きる。


濃く靄のかかった頭はすぐに現実を捉えられず、
ほんのり紅潮したチャンミンの面持ちもよくなかった。
混乱したまま、とっさに掴んだ肩を引き寄せ体を反転させてしまった。
真っ白なシーツに身を沈め、チャンミンの丸く開いた眸は驚きで揺れている。
チャンミンを組み敷いたユンホはいまだに夢との境界線を彷徨い、その力を弱めることはなかった。



夏用の薄い掛け布団をまきこむように密着するお互いの体。
チャンミンの頬や首すじが見る間に赤く染まっていく。
布団ごしでもはっきりと分かるユンホの昂りにチャンミンはどうしていいのか分からなかった。
朝だからという言い訳が通じないほど、それは熱く硬い。



切なげに細めたユンホの眸はいつも自分を映すそれではなく欲情を滲ませた男の眸で、普段より熱い手が自分の手首を握り、乱暴ではないのに抗えない力で真上から自分を拘束する。
それはひどく扇情的で、初めて見るユンホだった。
チャンミンは戸惑っていた。
怖い。
それなのに、嬉しい。
ユノの今まで見たことのない一面に触れたことが嬉しい。
体の奥底から湧き出るような情熱をユンホの硬い昂りに熱い息遣いに感じていた。
それと同時に今まで考えたこともなかった、ユンホを愛しユンホに愛される女性へどうしようもない嫉妬心がうまれる。
ユンホが自らを制御できないほど求める相手は、叶うことなら自分でありたかった。






「…ユノ?」
「っ、…あ、」


チャンミンの怯えたような弱々しい声で、やっとユンホは我にかえった。
自分が今どうしてこんな体勢なのか、それすら記憶にないほど混乱していた。



「や、やだなぁ。ユノってば、寝ぼけないでよ。」
無理やり作ったような笑顔ではチャンミンの驚きと怯えは隠せず、そんなチャンミンを見てユンホはおそろしく後悔の念にかられる。
俺は、なんてことを。
そう言いたげに深く皺の刻まれた眉間を今度はチャンミンがそっと指で触れた。


「ね、ユノ?怖い夢見た?僕は敵じゃないから倒さなくていいんだ。大丈夫だよ、ユノ。」


まるで親が子供にするみたいに優しく眉間を撫でるチャンミンにユンホは恥ずかしくて堪らない。
自分のこの欲望に気づかないほどチャンミンは子供じゃない。
それなのに責めるわけでもなく怖がらず、優しい誤魔化しをくれる。
弟にしても年の離れた子供に欲情した自分が信じられず、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。




「溜まってるでしょ。」
「っ、え?」
「ストレス。ユノはいつも忙しいからさ。駄目だよ~、たまには発散しなきゃ。今度一緒に汗流そうよ。久しぶりに組み手の相手してほしいな。」


「あ、…ああ。」




何でもないように再び笑ってくれるチャンミンへ相槌をうちながら、


本当に溜まってるのかもしれないな。


そう納得しつつ、ユンホはジノとの賭けを思い出していた。






そしてそれがまったく的外れであることに気づくのは、意外にあっという間だった。




















            

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