HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

あなたが笑えば~愛慕~7



































せっかくの休みだから買い物にでも連れていってやろうとユンホは予定していた。
夏休みになり制服を脱いだ私服姿のチャンミンはあまり格好を気にしない。
子供の頃はエナが身の回りのものを揃えていたし、今でもちょくちょくチャンミン用にと洋服を買ってくる。
それに組の幹部連中がスタイルのいいチャンミンを着せ替え人形のように扱うのだ。
自分好みの服装をさせたがるからテイストがバラバラだったりする。
それでもチャンミンはニコニコと嬉しそうに着るから周りを喜ばせたし、ユンホも好きにさせていた。



ところが最近のユンホはそれが気になって仕方ない。
自分が選んだ服を着せたい。
自分好みの服装をさせたい。
そんなこと、今まで思ったこともないのに。




一緒に街へ出て服を買うなど一度もなかったが、今日こそはチャンミンを連れだそうとユンホは考えていた。
それなのに。
「今日はジノ兄さんに呼ばれてるんです。」
などと、あっさり振られてしまった。



「ジノ?アイツから何も聞いてないけど何の用事だ?」
「さあ?でも大切な用だから絶対にひとりで来てって。」
「ちっ、アイツ、」
忌々しそうに舌打ちするユンホを見て、チャンミンはアッと口を押さえる。
「ユノには内緒って言われてたんだった。どうしよ、ユノ。」
そんなこと言われても自分に内緒なんてさらに気分が悪い。
「知るかよ。」



ユンホは目的を言わずチャンミンを連れ出すつもりだった。
チャンミンが好きなものをたらふく食べさせてやってホクホク顔のチャンミンを見たい。
苦手な食べ歩きってやつにも今日くらいはつき合ってやるか。
それで、きっと遠慮していらないって言いそうだけど、無理やりにでも全身コーディネートしてやろう。
全身真っ黒づくめとかチンピラくずれの服はチャンミンには似合わない。
そうだな。
ブルーがいい。
清潔感たっぷりのキレイなブルーがチャンミンにはきっと似合うはずだ。




そこまで考えていたユンホだから当然面白くない。
だからと言って先に約束したジノを断れとも言えず、子供のようにむくれてしまう。


「ユノ?…怒ってる?」
「べつに。怒ってない。」
「ウソ。顔が恐い。」
「こういう顔なんだよ。」


ご機嫌をとろうとユンホへすり寄って顔を覗きこむチャンミンだけど、ユンホはわざとらしく反らす。


「ユノ、もしかして僕に用事あった?」
「っ、別にないって。」
「あ、ユノのワイシャツのボタンまだ付けてないや。ごめんなさい。ジノ兄さんのところから帰ってからでいい?」


「っ、だからっ!」
思わず声を荒げそうになりユンホは黙った。


だからそんな事はチャンミンが気にすることじゃない。
そう言いそうになって言葉をのみこむ。
これは駄目だ。
いつかのチャンミンの泣き顔が浮かぶ。




チャンミンは俺の世話をすることで俺の傍にいることを許されてると思っているのか?
そうじゃないのに。
何もしてくれなくていい。
傍にいたいのは、俺なんだ。



保護者のように面倒みたり色々な知識や経験を教えたり、そればかりの7年間だったけど。
本当はもっと遊んでやりたかった。
旅行だって連れていってやりたかった。








「…ユノ?どうしたの?イライラしてる。疲れてるんだよ、今日はゆっくりしなよ。」
「…疲れてない。」
「ぷっ、変なユノ。今日は子供みたい。」
片手を口に寄せて可笑しそうにチャンミンが笑う。
反対の手はユンホの背中を撫でていて、どちらが年上か分からないような光景だった。
それでいいとユンホは思う。
チャンミンはもうずっとユンホにとって癒し癒される存在だったのだから。






遊びに行くのも、旅行だって行かなかったわけじゃない。行けなかったのだ。


───いらぬ情は教えるなよ。


そう父親にくぎをさされていた。
ユンホにとってやはり絶対的な存在の父は手枷足枷となりユンホの想いに目隠しをする。
だがそれも、あと少しのところで溢れだしそうな想いだった。











すぐ帰ってくるからね!と愛想よく出掛けるチャンミンを見送って、ユンホはごろんと横になる。
せっかくの休みだから久しぶりに遊びに行くか。
そう思うのに体は動かない。
電話ひとつでつかまる友人は何人もいる。
女だって名刺入れには個人のアドレスが手書きされた名刺が山程あって、ジノじゃないがよりどりみどりなのだ。
それでも名刺入れを取りに行く手間さえ億劫だ。



まあいい。チャンミンを待つか。



結局はそんな結論に至って、うとうと微睡んでいた。




どれくらい経ったのだろう。
障子を開ければ縁側の向こう空が真っ赤に燃えていた。
まだ空は明るく青いのに西の地平線だけが鮮やかに染まる。
ユンホは壮大な夏の夕焼けが好きだった。




その時、コトンと玄関で音がした。
チャンミンが帰ってきたのだろうと真っ先にとんでくるのを待っていたのにいっこうに来る気配がない。




「チャンミナ?」
なぜか嫌な予感がして、チャンミンの部屋の襖をコンコンと叩いてみる。
返事がない。おかしい。
チャンミンがユンホを無視するなんて今までなかった。
「チャンミン、…入るぞ。」
返事を待たず部屋へ入れば、消え入りそうに項垂れたチャンミンの背中が視界に入る。
「…おい、チャンミナ?」
それでも返事はなく、そっと肩へ触れた途端跳ねるほどびくつき咄嗟に逃げるような仕草。
強張った表情は怯え眸は暗く沈んでいた。
ジノに会っただけでどうして。
ざわつく気持ちを抑え、ゆっくりと優しくチャンミンの名前を呼ぶ。



「チャンミン。大丈夫だよ、俺だ、ユンホだ。どうした?こっちへおいで。」


すっかり陽が落ちた部屋は薄暗くチャンミンの怯えだけが伝わる。
ユンホはたった今跳ねられた手を再び伸ばし夏なのにひんやりした頬を優しく撫でた。





「っ、……ユノ、っ、…!」




ぶつかるように抱きつき、回した腕で精一杯ユンホの頭を抱え込む。
そんなチャンミンを受けとめながらユンホは言い様のない不安を覚えていた。













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