HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

あなたが笑えば~愛慕~10




















※ユノが女性と絡むシーンが少々あります。
ご注意ください。


















ユンホは馴染みのバーに居た。
仕事が入ったと適当に言い訳し、様子のおかしいチャンミンをエナへあずけて家をでた。
あのまま離れで二人きりでは自分を抑える自信がなく、ユンホは逃げたのだ。




まだ早い時間、カウンター席とテーブル席が3席ほどの小さなバーは客もまばらだ。
カウンター席に座り、先程呼び出したジノを待つ。
ジノがチャンミンへ何をふきこんだのか、どうしても知りたかった。


出掛ける時はあれほど明るく出ていったのに、帰ってからのあの変わりようはなんだ。
叱られて落ち込んでる暗さじゃない。
思い詰めた表情。
不安そうに肩をすぼめ、丸めた背中を覆う悲壮感。
そして何より、…



ユンホは目の前のグラスを握った。
いつもは水かソーダ水で割るウイスキーを今夜はロックで飲んでいて、大きめの氷がカランと音をたてる。
とろりとした琥珀色を一気にあおれば喉が焼けるように熱い。
酒がそう強くないユンホは既に酔ってるのを自覚していた。



でも、これくらいがいい。
そうでないと今夜はどうしようもなくやるせなかった。


チャンミンの、悲しみにくれながら全身から滲みでる色気はなんだったのか。
まだ15歳の子供に、
酷く落ちこむ弟のような存在に、
完全に俺は欲情していた。
あともう少し一緒にいたら危なかった。


俺は、──なんて奴だ。






目を閉じ片手で額を覆う。
空調の効いた店で、普段汗をあまりかかないユンホの額にじわりと汗が滲んでいた。



「ユノ。」


呼ばれて慌てて来たのか、思っていたより早くジノが現れた。
「な、殴るなよ?」
第一声がそれでは余計にユンホをイラつかせるだけなのに。
「お前、…殴られるようなことをしたのか?」
「え、っ、あー、…聞いてない?」
申し訳なさそうに苦笑いのジノを睨みながら、どちらにしてもこの男に罪はないとユンホはわかっていた。



罪があるとすればチャンミンへ執着する俺にある、とも。












ジノは一発くらい殴られるのを覚悟して来たつもりだった。
だから正直に包み隠さず話した。
どんどん顔色が悪くなるチャンミンを見てられず途中で部屋を出てしまったことも。
怒り狂うのではと恐れていたユンホが思いもよらず無言を通した。
グラスを手のなかで揺らし、波うつ液体をじいっと見つめる。
「チャンミンには可哀想なことをしたけど、…まぁ、いずれ必要になることだし、逃げられることじゃないもんな。」
遠慮がちに言うジノへユンホは何もこたえなかった。
代わりにグラスを傾け空にして友人でもある店長へおかわりを催促する。
もう何杯目だろうか、ユンホもわからなかった。







「あら。ユノじゃない!」
鼻にかかった甘ったるい嬌声をあげ近づいてきたのは顔馴染みの女だ。
この店の通りにあるクラブへ行こうとしてたまたまドアをくぐりユンホを見つけたらしい。
自称モデルらしいがそれを納得するほどの美貌の持ち主だ。
ユンホとジノとはこの店で知り合い最初からユンホへご執心のようで、通りすがら店を覗くのは癖になっていた。
最近なかなか店へ現れないユンホへ嬉しそうに近づく。
まるで眼中にないジノは面白くないが、こういう扱いは結構慣れているのだ。



「久しぶりね。全然噂も聞かないし、どうしてたのよ?」
「ああ。ちょっと忙しくてね。」
断りもなく当然のようにユンホの隣へ座り、チラッとジノへ向けた視線は“お邪魔虫”と言ってるようだった。
ただジノもまだ話の途中でさっさと退散するわけにはいかない。
そんなジノに焦れたのか、
「ね、素敵なお店を見つけたの。今からどう?」
などとせっかちなほどあからさまに誘う。



普段ユンホはなかなか誘いにのってこない。
この店で軽く喋っておしまいなのだ。
それが、たまにユンホが見るからに酔っている時があり、その時がチャンスなのだと女は知っていた。
そのチャンスをものにして数回ユンホに抱かれていたからで、今夜もそのチャンスだと女は気づいたらしい。



「っ、ユノ、まだチャンミンの話が途中、…っ、」
そう言いかけたジノをユンホは片手で制した。


「その話はもういい。…そうだな、出ようか。」



チャンミンの様子がおかしいと電話をしてきたユンホだったが、おかしいのはお前じゃないかとジノは思う。
その原因も、口には出せないがジノは気づいていた。
だが、どうしてやることもできない。
女に溺れて少しでも痛みがやわらぐのならそれもいい。
そう思いながら店を出ていく二人を見送るしかないジノだった。














「ん、…」


ユンホの足元が覚束ないのをいいことに女は路地裏へユンホを連れ込みキスをせがんだ。
ついさっき会ったばかりだけど、違う。
店の前を通るたび探した。会いたかった。
そんな想いが女をせっかちにしていた。


「おい、こんな場所で、」
「いいから。」


ユンホの首に腕を巻きつけ引き寄せる。
元々長身な上に高いヒールを履いてるからユンホとバランスがいい。
ぴったりと密着し近い位置から攻めてくる女を最初は拒んでいたユンホだったが。
一瞬掠めた唇に何かを思い出したようにハッとし、一度伏せた眸が女を見据える頃にはもう迷いはなかった。


「…あ、…ん、」
指を顎に引っ掛け薄く開いた唇へいきなり舌を挿し入れる。
香水の匂いが邪魔だと思いながら歯列をなぞり舌を絡めた。 
女の腰をさらに引き寄せ、ガクンと折れた女の膝へ足を割り入れ壁際まで追いつめる。
「っ、…ユノ、っ、」
恍惚とした表情の女は、もう我慢できないとでも言うようにユンホを抱く腕に力を入れ、艶めいた熱い息遣いは激しくなるばかりだ。
「ね、ホテル行く?」
急に激しく求めてきた男がその気のうちに。
性急に話を進めようと女はユンホの手を取った。
女の眸は情欲に潤み、白い肌が興奮で色をつける。
「…ああ。」
それとは反対にどんどん冷めていく身体をユンホは感じていた。



どれほど熱く柔らかい口内を蹂躙しようが、
豊満な胸を押しつけられ欲望を顕にされようが、


───求めているのコレじゃない。


その思いをどうしても拭い去ることができない。







その時ユンホの携帯が鳴った。
女を離し出てみれば、チャンミンを任せてきたエナだった。




「ユンホ坊っちゃん?」
たった電話ひとつで心臓が軋むような音をたてる。
「チャンミンに何かあったのか?」
名前を呼ぶだけでユンホの意識はチャンミンひとりへ向けられてしまう。


「いえ、特に何もないんですけどね。よほど疲れてるのか眠そうだったので今夜はこちらで寝かせましたよ。ユンホ坊っちゃんが帰られてチャンミンが居ないと心配されるかと思いまして、…」
「…そうか。分かった。」
今夜は帰ってもチャンミンが居ない。
ほっとしたような、それでいて寂しい気持ちを抑えられない。


通話を切ろうとしたところで、あ、そうそう。とエナの声が聞こえた。


「ふふ。久しぶりにチャンミンの寝顔を見ましたよ。子供の頃と一緒。寝言でユノ~ですって。」
可笑しそうに笑うエナの声を聞きながら通話を切る。





今夜はもう、女を抱く気には到底なれなかった。















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