HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

あなたが笑えば~愛慕~11




































お互いの想いは胸に秘めたまま、
一見、今までと変わりない生活を送るユンホとチャンミンだったが。



「なんだよ、お前。」
いつものようにチャンミンのバイト終わりに合わせ店へ来たユンホを出迎えたのは、ユンホの弟ハイルだった。
「へへ。ジノさんに頼んでバイトさせてもらうことになったんだ。」
「っ、…お前はそんなことしてる場合か。落第ぎりぎりのくせに。勉強しろよ、勉強を!」
兄の説教なんてどこ吹く風で涼しい顔をして知らんぷりのハイル。
「だって、チャンミナだけじゃ不安だろ?俺がいればユノ兄はもうお役御免で助かるじゃん。」
「~~っ、」


ハイルまでバイトに紹介するとは、ジノはまた勝手なことをとユンホはイラついていた。
今までと同じようで同じではない生活。
朝は食事を摂ってすぐ家を出るようになり、帰りも意識してチャンミンが寝静まった頃に帰宅した。
出来るかぎり2人きりの時間を避けるようになっていたユンホだったが、それでも相反する気持ちがある。


ほんの少しでいい。
自分の理性が働くほんの少しの時間、チャンミンと一緒にいたい。
そして毎日のように店から迎えの車まで送るのが、ユンホにとってささやかな楽しみになっていたのに。


ハイルは昔から煩いほどチャンミンを構いたがる。
この年頃の2学年差は大きい。
だが小学校から高校大学までエスカレーター式の学校だからか、のんびりとした校風は生徒間の壁を低くしチャンミンはハイルの仲間にマスコットのように可愛がられていた。



「落第ぎりぎりって、失礼だなぁ。そりゃあ、デイル兄さんやユノ兄のように首席とまではいかないけどさ。チャンミナはそんな俺でも一緒にいて楽しいって言ってくれんだぜ。」
「ふん。それは良かったな。」
そして昔から兄弟揃うとチャンミンを巡って言い争いになっているのは今も変わらない。
ユンホの隣でやれやれとため息をついたのはジノだ。
「お前ら、もう勝手にしろよ。あー、俺さ、これから彼女と約束あるんだよね。もう行くわ。」
いつの間にかジノはビル内のカフェで彼女を作っていたのだ。
しかしジノにとっては“いつの間にか”ではなく毎日何度も通いつめた成果であった。



数歩進んでふと足を止める。
「ユノ、…一緒に来ないか?」
ジノのこのセリフはもう何度目だろう。
彼女が働くカフェの同僚がユンホに想いを寄せてるというのだ。


素性を知って、それでも好きらしい。
優しくていい子だよ。
たまには真面目につき合ってみたらどうだ?


そんなことをジノからしつこく言われ、
だがユンホは迷うまでもない。 
真面目につき合うなんて、無理だ。
それをジノへそのまま言うわけにいかず、忙しさを理由にして常に断っていた。
ハァ、と吐くため息も軽く、どうせ分かっていたよという顔でジノが苦笑する。
ジノにはすべて見透かされてそうで、ユンホもまた苦笑した。
ユンホの関心は仕事を終え着替えて出てくるチャンミンにしかないのだ。








「ユノ!」
店の制服から私服に着替え、スタッフルームを出たところでチャンミンはすぐにユンホを見つける。
ユンホが長身で目立つからだけじゃない。
立ってるだけで目を引く存在感もひとつの理由にすぎない。
チャンミンはユンホを嗅ぎとるのだと思う。
初めて会った日から。
真っ暗な段ボール箱へ射したひとすじの光。
ユンホのあたたかい腕。 
自分のもののような安らぎの匂い。



いずれ遠く離れても、この記憶は無くならない。
チャンミンは静かにユンホとの別れを覚悟し、最近避けられている事実も受け入れていた。
自分の父親とあんなことするんだ。
それがもう間近とあっては僕への接し方に戸惑うユノの気持ちはよくわかる。
そう思い、少しずつ自分からも距離を置こうとしていた。





「あのね、今夜はハイル兄が遊びに連れてってくれるんだって。」
「は?今から?子供が遊ぶ時間じゃないな。」
「…でもさ、」
「駄目だ。ほら、運転手が待ってるから行くぞ。」
途端に険しい顔つきになったユンホとシュンとうつ向いてしまったチャンミンへハイルがしゃしゃり出てきた。
「ユノ兄、かたいこと言うなよなぁ。せっかくの夏休みなんだ。たまにはいいでしょ。」
「お前な、自分の遊びにチャンミンを連れ回すなよ。チャンミンはまだ15歳なんだ。」
そう言うユンホ自身が高校生の頃、いつ勉強しているのか不思議がられるほど遊び回っていたのをハイルは知っている。
だからあまり説得力がないうえに。
「それにユノ兄、最近またハデに遊んでるだろ?チャンミナにばっか厳しいのはおかしくない?」
そこまで言われてしまった。










ここ最近のユンホはチャンミンを避ければ避けるほど募る想いに悩まされていた。
いったん堰を切った欲望はとどまることを知らず、毎夜夢にまで現れる。
うなされるように起きて、どうしようもなく身体が熱くて、堪らずはちきれそうな昂りに手を伸ばしてしまう。
こんな背徳的行為を、、、
罪悪感で胸が痛いのに、身体は悲しいほどに正直だ。


夢のなかのチャンミンはいつも積極的にユンホを誘う。
啄むようなキスを繰り返し、ユンホの身体を余すことなく指で辿る。
堪らず細い腰を抱き寄せれば嬉しそうに凭れかかり、ペロペロと可愛く首筋や耳朶を舐めてくる。
俺にも舐めさせて?
毎回同じことを言うユンホだけど毎回チャンミンは首を振る。
そのまま押し倒されて自分の上で形のいい後頭部が下りていくのをうっとりと眺め、限界まで滾ったものが愛しい人の口へ消えていくのを夢心地に感じるのだ。





───チャンミナ、…


頭のなかで何度も名前をよんで、
乱れた呼吸と共に一気に爆ぜる。





そのあとの自己嫌悪と虚無感は例えようもなくユンホを苦しめた。
夢を見たくないとユンホは思う。
その為に深夜遊び歩くようになった。
ビル界隈で有名人のユンホは遊び相手に困らず、どんな女もユンホへすり寄ってくる。
欲を吐き出し泥のように疲れて眠る。
それが今のユンホには必要なことだったのだ。












「少しだけ。…日付が変わるまでにはチャンミンを帰すんだ。わかったな、ハイル。」
「はいはい。どうせユノ兄は帰ってないくせに。」
「誰かに確認してもらうぞ。」
「わかってるよ。今夜は仲間内で集まってるからチャンミナを連れていきたかったんだ。すぐ送ってくって。」


結局ハイルに負けて遊びに行くのを許してしまうユンホだったが、やはり心配で仕方ない。
「もうユノ兄も保護者じゃないんだからさ、いいかげん過保護はやめなよ。」
そんなことを言ってくるハイルだけど、どこまでチャンミンの境遇を知っているのか。
「お前には関係ない。」
「もうすぐユノ兄にも関係なくなるよ。」
意味ありげにニヤリと笑う生意気な弟。
高校へ入ってさらに遊び歩くようになり、適当に相手を見つけては喧嘩を繰り返すのがなかなか直らない。
簡単に喧嘩を売れる立場ではないと何度言おうが聞かない弟だった。



「ユノ兄。俺ね、チャンミナが好きだからいつも笑っていてほしいんだ。ユノ兄が悲しませるなら俺がチャンミンを守るよ。それを忘れないで。」
「っ、お前、…」


チャンミンから何か聞いてるのかもしれない。
物知り顔のハイルはまたも含み笑いを兄へ向け、待たせてあるチャンミンの元へ歩いていった。











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